黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『花宵道中』宮木あや子(新潮社)

2007-05-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
生まれた時から吉原で育った朝霧。ある日、縁日に出かけた朝霧は、脱げた草履を探している最中に一人の男と出会う。しかも、件の草履を見た男は、その鼻緒を染めたのは自分だという。彼に惹かれた朝霧だったが、その後お座敷で再会し……『花宵道中』、
2ヶ月後の初見世を控え、好きな男がいるいう茜。しかも男・平左にはいつも一緒にいる、売れっ妓の恋人がいるのだ。それでも2人が逢瀬を重ねる茶屋へと向かう茜は……『薄羽蜉蝣』、
母と死別し、父親に捨てられた姉・霧里と弟・東雲。弟は養子に出され、姉は京の遊郭へと売られた。売れっ妓だったが、ある事情から京を去ることとなり、江戸吉原へ。そこに客としてやってきたのは……『青花牡丹』、
貧乏な村から売られてきた八津。男に惚れる弱さはどぶに放って捨てたはずなのに、新しくやってきた髪結いの三弥吉に、どこか心を惹かれ……『十六夜時雨』、
容姿端麗だが姉女郎・桂山以外の人間と話す事ができない緑。初見世を控え、他の人間と話さなければならなくなった彼女が、話し相手として名を挙げたのは三津だった……『雪紐観音』の5編。吉原の小見世・山田屋を舞台にした連作短編集。

吉原の女たちを描いた切ないお話。
最初の1話を読んでもおもしろいのですが、その後に続くお話を読むと、その裏にあった主人公以外の背景なども読み取れて、より楽しめる趣向なのが良いですね♪

<07/5/30>