黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『二枚舌は極楽へ行く』蒼井上鷹(双葉社)

2006-12-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
最愛の妻・玉恵を、友人の一人に殺害されたと信じ込んだ沼村。件の友人たちを集め、ふるまった野菜ジュースの中で、犯人の分にのみ毒を混入したという。しかも、沼村が疑っているのは、どうやら“おれ”。自白すれば解毒剤を渡すというが、……『野菜ジュースにソースを二滴』、
身代金目的で誘拐された少年。5000万円を要求され、父は支払うが……『値段は五千万円』、
介護ヘルパー・中井戸静が、雇い主・天坂りくの家を訪れると、りくは留守、代わりに孫の孝子が現れた。家の中を掃除する静だったが……『青空に黒雲ひとつ』、
バーで出会った役者と中学教師。話をしつつ飲んでいたのだが……『天職』、
酔うと盗み癖の出るゴン。そんな彼のその日の戦利品は、変わった形のキーホルダーだった……『世界で一つだけの』、
17年後、ショット・バー“レニ”での再会を約束した二人の男。その約束を叶えるべく、常連客たちは……『待つ男』、
モデル並のルックスを持つ允。そんな彼に、平凡な自分と付き合う理由を訊ねると……『私のお気に入り』、
デートの約束をしていた徹が自室で殺害された。彼の身体は冷水シャワーを浴びて、冷たくなっていて……『冷たい水が背筋に』、
新進ジャズピアニスト・新山夏樹が、セッション後姿を消し、その死体が右人差指を切断された状態で発見された。音楽プロデューサーである兄・高崎春雄は、弟の死の真相を探るが……『ラスト・セッション』、
小学生の頃、2年ほど住んでいた海沿いの小さな町を訪れた等々力。そこで昔の知り合いに出会うが……『懐かしい思い出』、
ぬいぐるみに盗聴器を仕込み、思いを寄せるルナの様子を窺っていた“おれ”は……『ミニモスは見ていた』、
不祥事を起こし、退職した稲井。しかしその事実を知らない妻・和代から会社に電話がかかってきた。彼女の元に振り込め詐欺めいた電話がきて、彼と連絡をとろうとしているという。困った元同僚たちだったが、さらに稲井が殺害され……『二枚舌は極楽へ行く』の12編収録の掌編&短編集。

前回の長編よりよかったです……作風的に、短い方が良いかも(笑)。
一見関係ない作品群に見えて、微妙にリンクしてるのが楽しいですね♪

<06/12/19>