黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『彼女のこんだて帖』角田光代(ベターホーム出版局)

2006-12-13 | 読了本(小説、エッセイ等)
長くつきあっていた恋人と別れた立花協子。級ラム肉をネットで注文し、自分だけのために腕をふるう……『泣きたい夜はラム』、
ドラマティックな恋ばかりを求める榎本景。姉に教わったちまきから学んだことは……『恋のさなかの中華ちまき』、
育児に疲れ、ストライキをした主婦・工藤衿。そんな彼女の夫が作るミートボールのシチュー……『ストライキ中のミートボールシチュウ』、
ブティックを経営しながら女手ひとつで子育てをした久喜桃子。ある日、息子の恋人からかぼちゃの宝蒸しの作り方を教わりたいと電話が……『かぼちゃのなかの金色の時間』、
恋人にプロポーズされた円山知香子。しかし恋人やその母に劣等感があってばかり……『漬けもの名鑑』、
毎月一回、海外旅行をする葉山ちかげ。しかしそれは実際の旅行ではなく、皿の上でのこと……『食卓旅行 タイ篇』、
年の離れた妹が食事を採らないと悩む山田尚哉。彼女とともに、好きだったピザを手作りする……『ピザという特効薬』、
姉は駆け落ち、母は家出、そして志望校はD判定。悩みの多い、受験生・増淵正宗は……『どんとこいうどん』、
駆け落ち同然に一緒になったが、恋人は真面目に働こうとしない。増淵依子は有金を叩いて松茸を買い……『なけなしの松茸ごはん』、
バイト先で“運命の相手”を見つけた山根麻衣。いつもの通り、得意の手作りクッキーをつくって落とそうとするが……『恋するスノーパフ』、
スターマートの店主・星野秋男は、周囲に内緒で週に一度料理教室に通っている。それは亡き妻が作ってくれた、ある料理を探す為……『豚柳川できみに会う』、
食に対してプライドの高い、野坂すみ子。そんな彼女は、新しい恋人との食の違いに悩み……『合作、冬の餃子鍋』、
結婚も決まらないうちから、赤ちゃんができたことがわかった玉乃井珠希。しかし、家事そして生活が苦手な彼女は……『決心の干物』、
四十年近く勤めた職を退いた夫が、家で何もせず威張ることにいらだちを感じる妻・玉乃井雅子は……『結婚三十年目のグラタン』
魚久の若女将・久原千沙子。夢や情熱を持っていた昔。気が付けば、かけ離れた現実を送っている自分に気づく。しかし最近そんな生活も良いと思えるようになってきて……『恋の後の五目ちらし』の15編の掌編&レシピ集。

食べ物と小説がうまく結びつけられている一冊でした♪
かぼちゃの宝蒸しが、かなり食べたいです(笑)。

<06/12/13>

『東京公園』小路幸也(新潮社)

2006-12-13 | 読了本(小説、エッセイ等)
北海道の旭川出身の志田圭司はカメラマン志望の大学生。町の公園に出かけては“家族”をテーマに写真を撮っていた。
そんなある日、知り合った男性・初島から晴れた日になると、二歳の娘・かりんと共にあちこちの公園へと出かける妻・百合香を尾行し、写真を撮って欲しいと頼まれる。どうやら彼と一回りほど離れている若い妻の行動に、不審を抱いているらしい。
かくして、彼女たちにばれないようにとこっそりと撮影を開始した圭司だったのだが、どうやら彼女は彼の存在に気づいている様子で……

派手な事件はないけれど、穏やかな雰囲気が魅力的。
登場する公園の写真等が入ってると良かったかなぁという気もします(笑)。

<06/12/12,13>