CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【ドラマ】カーネーション

2018-11-15 20:59:56 | ドラマ映画テレビ感想
NHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」
再放送を半年近くおっかけて、ようやく見終わったのでありました
名作なのに、ほとんど見てなかったのが大変悔やまれたところですが、
ようやく今回見ることが叶って、すこぶる気分がいい
なんていいドラマだったんだと
しみじみかみ締めている次第であります

当たり前ながら、出てくるオノマチが若いなぁと
しみじみ感じたのでありますけども、
娘時代から、身体を張って生きていく様というのが
物凄く生き生き描かれていて、凄い面白いドラマでありました
毎朝これを観ていたら、この時期の仕事を
もっと楽しく過ごせたかもしれないなんて思うほどである

どれもこれも凄い面白いエピソードばかりだったのだけども、
個人的には、パーマ機を買いにいくくだりが凄い好きで
八重子さんを説得というか、ちょっと洗脳めいたことをするシーンだとか、
とりあえず値切り倒すあたりだとか、
まぁそれぞれのシーンが、凄い綺麗に繋がってというか
テンポよく気が抜けていて、コメディシーンだけど
物語の根幹にしっかりついているし、
なによりも、キャラクタがその存在をはっきりと見せているようで
画面見ているだけで、物凄いスムーズに
そして、綺麗なストーリーと情報と、ともかく
てんやわんやを伝えてもらったようで
面白すぎたのでありました

そんな面白いシーンをいっぱい見せておきながら、
そうかと思うと、安岡のおばちゃんから
凄まじいまでの憎悪を向けられて、本当にとてつもなくいたたまれない気持ちになったり
振り回されるドラマ展開がたまんなく面白くて、
北村のおっちゃんとのやりとりも含めて、
まぁ、なんというか、岸和田言葉が伝染りそうな感じで
ちゃっちゃか楽しめたのがステキでありました

個人的に名朝ドラとして、ごちそうさんを推していたのでありますが、
カーネーションはさすがの名作と脱帽したというか、
リアルタイムで観たかったなと思わされた
素晴らしい一作だったと思うのであります

奈津との友情も見ごたえというか、
女の人生における友達のあり方というのが見えたようにも思えて
男の自分には、不思議な感慨みたいなのも覚えた
もう、隅々まで面白いドラマだったと
思うに至った次第であります
よかったなぁ

【読書】わたしを離さないで

2018-11-14 21:40:27 | 読書感想文とか読み物レビウー
わたしを離さないで  作:カズオ・イシグロ

のっけから、「ヘールシャム」という謎の単語が、
当たり前のように出てきて、なんだそれと思いながらも、
読んでいくと、だんだんとその姿がわかってきて、
ああ、そういう感じのお話なのねと思ってたら、

あれ、SF小説じゃん、「ヘールシャム」ってそういうこと

なんて気付いて驚愕を覚えたのでありました
なんかのメタファーとかそういうのは感じなかったけども、
そういうSF設定であることをほのめかすこともなく、
ただただ、よくある思い出話を起点にした、
人間ドラマというか、感情、人間関係のそれこれを描いていて
そこまで書いてから、オチの部分で本当に伝えたかったことは
そうか、そういうことで、
そしてそして、この物語なのかと
なんか、凄い合点がいって驚いたというか
感動したのでありました、感激のほうが近いだろうか

青春の物語でもあるし、人生とは何か、人間とは何かを
考えるようなものでもあったように感じるところ
さりとて、説教臭さはさっぱりなくて、
どこか、悲しげな雰囲気はあるし、やっぱり、悲しい物語なんだけど
不思議と重たさがない、起伏はほとんどないというのに、
なぜかずっと読み続けたくなるような魅力がある
不思議な読書体験をした一冊でありました

この本で、ノーベル賞をとったのだったか忘れましたが、
格調高いという言葉を使いたい
そんな読書となりました、静かで、いい読書だった

【読書】魔王

2018-11-13 21:25:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
魔王  作:伊坂 幸太郎

ちょっと説教くさいな、
そんな風に感じてしまった一冊でありました
ほどよいSFで面白いのだけども、
そのわくわくが、うまくというか、何か気持ちのよい方にはならず
なんというか、忸怩たる、そんな思いを抱かされる
もやっとした感じでありました
もっと若い時分に読んでたら、凄い満足したんだろうが
今の自分にはちょっとあわないと感じたのでありました

謎の能力と、それを会得したと思しき人たちが
あれやこれやと出てくるが、どれも解決しない、
いや判明しないという感じのまま、何か得体の知れない恐ろしさに
巻き込まれていくといった様相で、
或る意味、今の状況というか、人生そのものだなと思う内容なんだけども、
大衆という何か、制御されるというどうした、
バカと権力とずるがしこい大人
そんな按配がそれこれ書かれていて、
よく考えてみるとそういう作風だったかと思い返すのだけども、
もっとこういうことではなく、すかっと楽しいバカを描いて欲しかったと
読みながら思ったのでありました

とはいえ、面白くないなんてことはまるでなく、
謎の力によって、何が起こせるわけでもないけども、
それに何か惹かれるようにして生きていく様というのが
今、まさに自分にも当てはまるんじゃなかろうか
そんな特殊とも思えない能力だけども、
何かがあって、それにすがるではないが、
よすがに生きてるんじゃないかと
反省とは違う、思い至るところを見つめた
そんな読書になったのでありました

しかし、本当にわりと特に何も解決しないので
凄いもやっとした感じなのだが、
読み方が悪かったんだろうか

【読書】私のタオ

2018-11-12 20:52:18 | 読書感想文とか読み物レビウー
私のタオ  著:加島 祥造

久しぶりに老荘思想の本を読みました
老子について、英訳からアプローチをしたという
変わった経歴の著者が、老子とはなにかを
あれこれ、優しさという概念から解説していたのでありました
柔弱というものを、Weakではなく、Gentleで訳すというのが味噌だと
はた、気付いたなんていう話が骨格であります

老子をそもそも、ちゃんと読んでないから
老子に書いてあったことを考察している本書を読んで、
はたして、わかったといえるか
はなはだ疑問ではあるものの、書いてあることはもっともと感じるし、
タオ(道)という老子の思想根幹にあるそれについて、
無ではないもので、有でもないという
まぁ哲学めいた謎解きもいくつか出てきて
面白いんだが、ふわっとしてて
やはり捉えにくいと感じたのでありました
まさに、そういうところは老子であるな

荘子の中に、老子と孔子の違いについて触れた部分があるんだそうで
その引用も面白くて、基本的にレジスタンス的な考え方といえばいいか、
大きなもの、政府や、常識や、世間といった
正しいといわれ勝ちなそれこれと対極にあったり、
また、いなすようないいざまがいくつも出てきて
その考え方と、身のもち方、気の置き方が
老子の思想だというのには、なんとなく満足したのでありました

空虚に対して、そこは、空虚というものが詰まっている
そんなことを考えて、すべてが陰陽によって
見え方が違うだけだし、根本的に繋がっているのだという
流されることを肯定する考え方をなんとなし
理解したように思うのでありました

西郷どん  両雄激突

2018-11-11 20:48:17 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了であります
とうとう激突、大変見ごたえのある一回でありました
面白い、面白すぎる

ドラマで見て判断するのも難しいところだけども、
このあたりの政治劇というのは、不思議と理解しやすいというか
現代にも通ずる考え方が、なぜかしっくりくるなと
考えさせられるのであります
これと同じことを戦国時代や、江戸時代でも
おそらくやってたはずなんだが、
なぜだか、明治政府のこれは面白く見えてしまうというか
現代にも通ずるものとしてみてしまうのが
ふしぎでならんのでありますところ
観る側というか、私が、政治というのを
こういうもんだと思い込んでみているせいなんだろうかしらねなんて
いらんことを考えたりしたんだが
ともかく、政治を動かすということ、外交をどうにかするということ
いつだって、内政外交で喧嘩するもんなんだなと
考えさせられたのでありました

なんだかんだ、西郷さんもすっかり年齢を重ねたんだなと
改めて思い知らされるシーンもはさみつつ、
大久保の杞憂とそれが理解できない西郷さん、
そして軋轢というのが、なんというか仕方ないというほどの内容ながら
なんとかなぁと思わされたりもするところ
この当時の政府がやった手探りのそれこれというのも
なかなか面白いところであるが
内政の是非でもないが、もっと細かいところを見てみたいと
思ったりもしたけど
それは歴史教科書でも読めというところだろうかと考えつつ
留守政府との亀裂と、長州の酷い有様が
非常に面白く見えるのでありましたとさ
もう、余計な番組挟まないで
このまま最終回までいってほしいなぁ

【読書】なぜ貯金好きはお金持ちになれないのか?

2018-11-10 21:35:22 | 読書感想文とか読み物レビウー
なぜ貯金好きはお金持ちになれないのか?  著:北川 邦弘

平たくいうと、貯金してる間に投資しろと
まぁそういうお話でありました
古くから言われている、アインシュタインが驚愕したと伝わる
複利の素晴らしさについてこんこんと語り、
また、投資というのは早い、そしてたくさんが有利という
ごく当たり前のことを示して、
一刻も早く投資を始めようといった内容なのでありました

まぁ、これを若いうちに読んだからといって
じゃぁ投資していたかというとやってなさそうなので、
そういう気持ちにさせるというのは
なかなか難しいなと読みながら思ったのでありますけども、
お金持ちになるために、お金に働いてもらう重要性と、
それ以外の判断力や、気の持ちよう、生き方みたいなのも
あれこれ言及されていて、ぱらぱら読むのには
面白い本であったように思うところ

特にこれがという、記憶に残るものもなかったので、
何と感想を書けないのがもどかしいところながら
小銭を稼ぐような生き方ではなく、
ちゃんとしたものを自分で判断して、お金を使うときに
その価値を本当に考えて生きようと
これもまた、至極当然のお話ながら
それができないんだよなぁと、お金持ちになれない思考を携えつつ
とりあえず読み終えたメモを置いておく
ろくな読書でないな

夏の台湾北海岸を行く 13 石門金剛宮 五百羅漢殿と幸福橋

2018-11-09 21:14:16 | 夏の台湾北海岸を行く(2018)
石門金剛宮の話も最後であります
というか、長くやりすぎた、読んでいる人がいるかわからんが
写真をだらだら流すだけで話が進まないというのもここまでである

地獄極楽から抜け出ると、さらに奥の社殿というか、
まぁただの3階建ての建物なんだけども、宮がある
そこらの工場の倉庫じゃないかというつくりなんだけど
この際そういうことはどうだっていい
中に入りますと


臥佛

仏教徒なら撫でたくなる足である

金ぴかの寝仏でありまして、なかなかありがたさがハンパない
一畑山薬師寺のと逆なんだけど、金ぴか+青い頭というのは
いいものである、本当にこんなだったのかもしれんなお釈迦様、パンクだ、ロックだ



もうひとつ、奥に斗姥元君
なんの神様かわからんが、三面八臂で強そうなのであります
前に居座っている神様と思しきかたがたが
全部縦の複眼で、眼がおかしくなったかのような気分を味わう

このありがたい仏様をありがたがってから、さらに階段で上る
このあたりが、本当に荘厳さのかけらもない普通の階段なのである
写真撮っておけばよかったな


2階は長生殿であります
唐代の楊貴妃がどうしたとかいう殿の名前だったと思うが
多分宝物殿みたいな意味合いなんであろうと思う
あれこれと宝物がおいてあるようで、
いくつかあったが、この本物かわからん玉と思しき時計がよかった
とはいえ、いい加減飽きてきた感じもあるので
いそいそとさらにあがって3階へ、ここが最後の見所


五百羅漢殿である
怖い、本当にもう、女神転生ごっこもここまでだ、
いよいよラストダンジョンに来たという感じで面白い
父親が、死ぬ前に地獄をいくつ見せんだと文句を言っていましたが
ここの怖さはちょっとこれまでと違う


薄暗い部屋の中に羅漢が並べてあるだけなんだが
人がいないし薄暗いし、明かりがだいたい窓からのそれだけで、
またその窓も、普通にサッシだったりして、雰囲気もへったくれもないんだが
それが逆に怖いという感触、ここだけは、女神転生よりも
サンサーラナーガを思い出す、ほとけほっとけかみかまうな


こんな感じの薄暗いところをうろうろと歩く
写真の左下にある太鼓みたいなのを、見かけるたびに叩いて進むのだけど
まぁ、正直それよりもなんか影から襲ってくるんじゃないかという恐怖が先にたつ


すげぇ笑顔

憎めない顔
などなど、五百体のそれぞれをなぞって、かなり満喫したのでありました
客が私と父親しかいないというのも恐怖をあおったわけだが、
一人で訪れてみると、さらによかったかもしれないと感じたのでありました
ちなみに羅漢は、そんなに大した材質で作られていないので
張りぼてというでもないが、安っぽいともいえるんだが
えもいわれぬ迫力というか、恐怖があるのでした



終わってから、元の場所へと戻るすがら、
幸福橋なる場所を歩いていくと、今度は十八羅漢がいる
その中で、随分乱雑というか、わざとか?という仏さまが斜めにそえつけられているのが
ちょっと面白かったのであります
めでたく、様々な神様を堪能して、ご褒美でもないが
「おとき」がいただけるのでそれを頂戴する


麺線とお茶
お茶が凄い熱かったのを覚えてんだが、
麺線もまぁ、無料だからねぇと思ったらどうとでもないが
わざわざ食べるようなものではないと思うのである
とりあえずなんでも手をつけてしまうのはよくないね
さすが仏教施設といっていいのか、「おとき」の振る舞いというのが
なかなかステキねと感じたのでありました

いよいよ出口に向かって歩いていきますと

こっちみんな

桃…太郎?姫?
よくわからんが、最後までいくつかの神様が
シーンごとに、ごろごろ並べられていて退屈しないのでありました

ようやく長々遊んだ石門金剛宮ともおさらば
また、バスに乗って海岸線を走り、次の場所へと移動するのである
向かうは、三芝

次の記事 14 三芝 富福頂山寺 貝殼廟

前の記事 12 石門金剛宮 第4フロア 地獄と天国

【ドラマ】赤ひげ

2018-11-08 20:54:15 | ドラマ映画テレビ感想
NHKの時代劇シリーズ「赤ひげ」
観終わっていました
あんまり期待してなかったし、
そもそも、有名なほうの赤ひげ見たことないしと
そんな按配で観ていたので、
当初はよくできたコスプレっぽいというか
なんか、再現ものっぽいなぁと
斜に構えてみてしまっていたのでありますけども、
それぞれの独特の人物像が理解できると
随分面白い話だと、釘付けというほどでもないけど
不思議と、落語みたいな世界を堪能できたと
思うのでありました

説教臭い話なんだけども、重くて暗い話なんだけども、
なんだか憎めないというか、泣くようなことはないが、
物悲しい雰囲気を楽しみつつ、そう、楽しめてしまう
まぁ、しょうがないというでもないが、
なんか、どっかさばさばしてしまうような
不思議な魅力があったように感じるのであります
このあたりが、落語っぽいと思ったゆえんである

貧乏が悪いのか、様々な市井の困りごとが
病に結びついたり、素行に繋がっていたりというのが
あれこれと持ち出されては、解決したような
そうでもないようなというお話が続いて
また、関わる若い医者たちの奮闘というかやるせなさも
なんかよかったなぁと、しみじみ思ったのでありました

結構重たい物語だったと思うんだが
あっさり、さっぱりという感じで見終えて
なんとも楽しかったので
また、続編というかやってほしいなぁと思いつつ
市井を当たり前に描くドラマというのが
なんか好きなんだなと自分の新しいというか
最近のトレンドを確認できたように思うのでありました

つまり、そういう年齢になってきたと
そんなお話でもあるわけだ
ますますNHKにはまっていってしまうな

【読書】殉死

2018-11-07 21:29:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
殉死  作:司馬 遼太郎

これは小説だったのか?
ちょっと読み終わってから考えてしまったのだけども、
乃木大将を主役というか、乃木その人がどういう人生を送ったか
大変わかりやすくまとめていた、ややもすれば
資料集のような本でありました

苛烈というか、激情家というか、
この本を読む限り、とてつもなく迷惑な人だったんじゃないかと
そういう印象を受けてしまったのでありますけども
軍人に向いていない人であったろうことが、
また、そういう人が第三軍の総大将になってしまったというのもまた
日本的であるといえばいいか、あれこれ考えさせられたところでありました

乃木という人がどれほど繊細で不安定であったか
そのあたりのことも非常に面白いし、
この男をして、様々な盟友たちが知恵を出そう
手をかそうと思うというあたり、
この友情といえばいいか、何かしらの絆を作る、
そうさせてしまう人となりというのが
不可思議だけど、それゆえに、物凄く魅力的であったのではないかと
思ったりしたのでありました

また、その乃木という人の生き方に
多大な影響を与えた、陽明学についてもあれこれ面白くて、
松蔭先生をはじめ、ちょっと行き急ぐ人は
みんなこれを読んでいたというのも面白くて、
その中で比べると、乃木のそれは随分コンパクトであるというのも
酷いいいようだが、実際そうなんだろうなと思わされたりしたのである
この人と付き合わざるをえなかった
児玉源太郎が可哀想でしかたないようにも思えるんだが、
児玉は好きで付き合っていたのだろうし、
可哀想というのは違うのだなとも思わされる
明治大正の男たちの生き様を見たように思う一冊でありました

維新あとの明治というところ、
その軍部という不可解な組織について
あれこれ考える切欠にもなったのだけど
不思議な魅力にあふれた、一種、詩人のようでもある
乃木という人にもまた、惹かれた一冊でありました

【読書】すぐわかる 茶の湯の名品茶碗

2018-11-06 20:43:01 | 読書感想文とか読み物レビウー
すぐわかる 茶の湯の名品茶碗  著:矢部 良明

名前の通りであります
本というか、ビジュアルブックという感じで
大変わかりやすく、茶の湯に用いられる茶碗のあれこれを紹介する
いい一冊でありました、たまにはこうやって
ゆるり、好きな茶碗の姿を見て過ごすという読書もよいよい

そんなわけで、国宝「卯の花垣」「不二」を含む
様々な名品茶碗を紹介して、その見所と来歴を
つらつら紹介していたのでありました
個人像のものが多いのが見所で、こういったものは、
美術展に出てくることも少ないから、貴重でもあって
ほくそ笑みながら見とれたのでありました
どれもこれも実に素晴らしい

各ジャンルといえばいいか、織部、志野、瀬戸、信楽等々、
どれかで一点みたいな選ばれ方をしているため、
様々なそれを見ることもできる反面、ちょっと物足りないとも
感じなくもないところ、同じジャンルの違う茶碗をもっとたくさん見たかったと
思うところもありますが、それはまた
別の本の役目でもありましょう

天目のゆらいや、現代陶工に至る茶碗の名品と
その匠もあわせた紹介があって、非常に楽しく読み終えたのであります
個人的に、半泥子に触れられていたので
それだけで十分楽しいと思えたのでありますが、
昭和の数寄者が好んだ茶碗の紹介なんかもあって
美意識というか、茶の湯における茶碗、あるいは、茶道具の役目という観点からも
面白く読める一冊だったと思ったのであります

濃茶を入れたときに、どんな景色になるか
そこに着眼がおかれて、あくまで茶という一事の中で
茶碗がどうあるか、どんなのがよいか
そういうテーマにそっての解説なので
ある種のうるささもなく、すっきり読んで、観て、楽しめる本でありました

【読書】社会学者がニューヨークの地下経済に潜入してみた

2018-11-05 21:43:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
社会学者がニューヨークの地下経済に潜入してみた  著:スディール ヴェンカテッシュ

タイトルの通りの内容なのだけど、
訳がかなり自由というか、口語を重視しているようで、
ちょっと読みにくいというか、それによって、結局どうなったか
よくわからんという感じになって、読書に四苦八苦しました
けど、なかなか面白かったように思うんだが、
最終的に、どうなったのかよくわからんというのが
残念ではあるのだけど、ニューヨークの裏社会で
どういう経済がはびこっているか知らせてくれる一冊であります

ドラッグと売春、
主にこの二つについて、ギャングではなく
独立系でここに携わっている人々の攻防というか
浮き沈みと、悲喜こもごもを
まさにそこに住むことで得た知識として描かれるのでありました
結構というか、かなり危なっかしいやりとりがあったり
どの商売も、ろくでなしがいっぱい出てくるので
基本的にろくでもないことになったりと
それが、つらつらと描かれていて
面白いというか興味深い、でも怖い
よくこんなところに住んで、あれこれしようと思ったなこの教授

そんな感じなんだが、上層部でもないが中流階級くらいからやってきたお嬢さんが
売春の元締めビジネスを始めて、どこでシェアを取るかと
真剣に考えていったり、かなり細かいスケジュール管理をしたりとか
やってることはまっとうなビジネスでも大変そうな
あれこれ汗をかいたお話ばかりで、このあたりは面白いというよりも
反省をさせられたようにも思うのでありました

麻薬を売る男も、新しい場所を獲得するために
あれこれと画策を続けて、どうにかして白人コミュニティという
広い商売の場所を獲得するため、何が必要か
どう振舞うべきか、バックボーンがない中で頑張ると
読んでいけば、なんとなくウシジマくんぽいなと
思わなくもないところなんだけども
どこもアンダーグラウンドマーケットというべき
底辺の、有象無象は一緒なんだろうと感じるのでありました

最終的に関わった人たちが
突然にいなくなったり、死んだり、あれこれと過ぎていき
まとまりきらないまま終わるので
ちょっと残念な感触もあるのだけど
ニューヨークという場所が、誰に対しても夢を与える可能性がある
そんな、決まりきった文言で終わるのも
ちょっと納得でもないが、思わされるところのある一冊でありました

西郷どん  新しき国へ

2018-11-04 21:44:11 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了しました
面白い回なのに、助走みたいな雰囲気で驚きでありました
まぁ、もうあと一ヶ月ちょっとだし
そりゃたたむ感じだよな
と、思ったりしながら、着々と方々で不満がくすぶりだしており
その象徴としての国父さまが
あまりに見事でありましたとさ
あの生き様、実際はもっと名君だったんだろうけど
なんというか、いいなぁ、このドラマとして百点だと思うのであります

外遊中に、反乱分子がどうしたこうしたと
そんな按配だったわけで、その押さえ込む役を引き受けたがゆえに、
その気持ちも理解してしまって、やがてという話になるんだろうと
わかるところなのでありますけども、
だんだんと、西郷さんの目がどこ見てるかわからないというか
どっか遠いところ観てるようにしか
思えないようになってきて、
心配になるのでありました
まぁ、実際そんな具合だったんだろうかしらね

大久保たちがこの外遊で、とんでもなく国費を使い込んでくるというのが
史実というか、自分が知っているそれなんだけども
この外遊によって、意外と西洋もたいしたことないなと
そんな気持ちになって帰ってきたらしいと
そのあたりも、やってくれるのかどうか
そういう情報格差と、また、仲が悪いというそれが
悪循環的に作用するのであろうと思うと
楽しみなような、そうでもないようなと
思い知らされるのでありました

江藤と西郷、どっちが先だったか忘れましたが
江藤の最期あたりもやって欲しいなぁと思ったりするのである
多分大久保の最期をやるだろうから
江藤の最期もやるんだろうな、きっとたぶん
そんなことを期待しているんだが
残りの話数でたためるんだろうか

【読書】クドリャフカの順番

2018-11-03 21:43:48 | 読書感想文とか読み物レビウー
クドリャフカの順番  作:米澤 穂信

面白い謎解き物語でありました
学園祭を舞台に謎の事件が起こる
そういう感じなんだけども、学生らしいいかにもな失敗が発端になりつつ、
それぞれのキャラクタが、それぞれのらしさを最高に発揮して、
なんだかんだと、学園祭を満喫して終わると
まぁ、そういうお話なのだけども
前に読んでも思ったけど、
高校生にしては、みんな枯れているというか
落ち着きすぎだろうと思うような
達観がすぎる感じも、なんとも楽しめたのでありました

様々なキャラクタが、一見関係ないところで
それぞれ問題ではないけど、何かを抱えているというのが
気付いたら、全部繋がっていたというお話なので
読んでいると、あれよあれよとあれこれ結びが見えて
こういうのが楽しいと思える人には
ちょっとした麻薬めいた効果があるように思うところ
小出しにされる、様々なヒントがまた
いいアクセントだったと
しみじみ読み終えて思ったのでありました

サークルのごたごためいたこともあって、
ちょっと重たくなるかと思ったら
さっぱりそんなこともなくて、
ただただのんきに、さほど大きな事件でもない謎解きをしてと
ほのぼの楽しめるのもまたよかったと思うのでありました

囲碁部がいったなんだったのか
そこだけちょっと気になったんだが、まぁいいかと思いつつ
あまり考えず、楽しく読める
いい一冊だったと思うのでありました

夏の台湾北海岸を行く 12 石門金剛宮 第4フロア 地獄と天国

2018-11-02 21:07:26 | 夏の台湾北海岸を行く(2018)
もはや写真紹介だけで恐縮でありますが
石門金剛宮は本当、ただ見てるだけでも次々あれこれ出てくるので
面白くてたまらんのであります

厄除けが無事終わりますとそのまま、地獄門を通って、
地獄図を見て移動することとなります
地獄といえば、彰化で観た十八地獄を思い出すのだけども
それにやや近い、地獄風景が回廊に延々と並べてあるのでありました


出口側からの写真なので、
この写真に写っているのは地獄が終わったシーンなのであるが
ともかく、薄暗いトンネルに地獄が繰り広げられているのである


詮議タイム

カツアゲ

かまゆで

つるし上げ

犬をけしかけられる

針の山

と、まぁこんな感じで、残念ながら全電動ではないので
まったく動いたりしないし、音も出ないのでさほどのことはないけど
不気味さは伝わるとおりであります、なかなか怖い
子供なら泣き叫ぶんでなかろうか


出口付近で、いよいよお勤めを終えたと思しきシーンがありまして
地獄の回廊が終わるのであります

続いて、階段でまた上ると、今度は天国の階というところに入りまして
神仏がずらりと勢ぞろいしているゾーンなのでありました
天国というだけに、天部や神様と思しきそれぞれがおわしまして
なかなかありがたいのだけども、自然光のため、地獄よりもおどろおどろしさというか
迫力にやや欠けるのが残念なところ


こちらは神様が両側に鎮座ましまして

悪い子を食い殺す神

モーニングスターを持つ神

異形の神
と、かっこよさそうなのを撮ってみたんだが、
どれもこれも、神様というには怖いというか
恐れ多い感じがしなくもないのであります
あるいは敵なのではないかと思ったりしてしまう


最終的には斉天大聖がおわしまして、
ちょっとした西遊記気分を味わったといえなくもないのでありました
これだけ、あれこれ観たというのに
まだ半分も過ぎていないという状態なのでありますが、
ここから別館へといざなわれていくのでありました

次の記事 13 石門金剛宮 五百羅漢殿と幸福橋

前の記事 11 石門金剛宮 第3フロア 七星橋

【ドラマ】不惑のスクラム

2018-11-01 21:17:33 | ドラマ映画テレビ感想
世間的にはそんなに評判となっていなかったようでありますが、
個人的には、凄い楽しめたNHKのドラマでありました

ラグビーにさほどの知識がないにも関わらず、
この物語で扱われるラグビーと、その仲間たちというのが
いやー、凄い面白いというか、魅力的で、
スクールウォーズとか見た世代ではないので、
よくわかっていないけども、
きっと、ラグビーを通してこういう男の友情と仲間というものが
とてもステキなものとして存在するんだろうなと
夢見るではないが、力づけられるようで
凄いよかったと思うのであります

事故による殺人という重いものを背負った主人公と、
それを支えるようにラグビーに誘われ、
仲間もあり、人間味と、さまざまなことがありながら
ただただ、ストイックにラグビーに熱中することで
救われていくという様が最高によい物語に見えて、
年齢を重ねたせいか、こういうのに
かなりぐっときてしまうのでありました
凄いよかった

ヤンチャーズのメンバーそれぞれの葛藤も面白くて、
おっさん同士でも、また、おっさん同士だからこその
軋轢というか、ぶつかり合いがあったり、
なんだかんだが、非常に面白くて
自分には、会社以外でそういうのないなぁと
ちょっと寂しく思ってしまうくらい
熱くなれるものがある人生、その仲間たちというのが
素晴らしいものに見えてならんと思えた
とてもいいドラマだったと感じたのでありました

最終的に奥さんと子供とのシーンなんかも
もう観てるだけで泣けて泣けて仕方なかったんだが
そこまで感動する話かとも言われたりして、
なんといえばいいか、
別にそこまで追い込まれていないけども、
どっか、主人公に肩入れしてしまうような見方をしていた自分を見つけて
なんとも思うところもあるのだが
ともあれ、いいドラマを見たと、晴れ晴れ思うのであります
よかった、いい話で終わるというのがまた、本当によかった