CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】魔王

2018-11-13 21:25:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
魔王  作:伊坂 幸太郎

ちょっと説教くさいな、
そんな風に感じてしまった一冊でありました
ほどよいSFで面白いのだけども、
そのわくわくが、うまくというか、何か気持ちのよい方にはならず
なんというか、忸怩たる、そんな思いを抱かされる
もやっとした感じでありました
もっと若い時分に読んでたら、凄い満足したんだろうが
今の自分にはちょっとあわないと感じたのでありました

謎の能力と、それを会得したと思しき人たちが
あれやこれやと出てくるが、どれも解決しない、
いや判明しないという感じのまま、何か得体の知れない恐ろしさに
巻き込まれていくといった様相で、
或る意味、今の状況というか、人生そのものだなと思う内容なんだけども、
大衆という何か、制御されるというどうした、
バカと権力とずるがしこい大人
そんな按配がそれこれ書かれていて、
よく考えてみるとそういう作風だったかと思い返すのだけども、
もっとこういうことではなく、すかっと楽しいバカを描いて欲しかったと
読みながら思ったのでありました

とはいえ、面白くないなんてことはまるでなく、
謎の力によって、何が起こせるわけでもないけども、
それに何か惹かれるようにして生きていく様というのが
今、まさに自分にも当てはまるんじゃなかろうか
そんな特殊とも思えない能力だけども、
何かがあって、それにすがるではないが、
よすがに生きてるんじゃないかと
反省とは違う、思い至るところを見つめた
そんな読書になったのでありました

しかし、本当にわりと特に何も解決しないので
凄いもやっとした感じなのだが、
読み方が悪かったんだろうか