CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】校閲ガール

2014-07-11 20:29:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
校閲ガール  作:宮木あや子

ちょっと軽めの小説が読みたいと、
表紙の可愛らしさに少し抵抗を覚えながらも
手に取りました
非常にポップというか、読みやすくて面白かった
あまり、難しいことを考えずに
さらっと読んでしまえる、ステキな小説でありました

内容は、校閲という仕事について、
そこで働きながら、若干ステージの違う
プラダを着た悪魔的な内容で進むといった具合で
かなり都合よく、あれこれ事件が片付いていきますが、
しょーもないということはなく、
さらさらと読み進められて、楽しく読み終えられる
そんな印象をもったのであります

校閲という仕事が、なかなか面白いものでありまして
校正をするだけの仕事かと思っていたら、
校正に加えて、事実関係の確認だとか、
言い回しのチェックだとか、そういうのは編集がやるんじゃないのかと
そう思うようなことまで、きっちりやるという
そんな仕事風景が、なかなか楽しそうでありました
実際に、近しい仕事をしたことあるせいかもですが、
これはこれで楽しそうでもある

仕事に関する、少しだけ教訓めいたことも
描かれてはいるものの、
主題は、そんなことよりも、入社3年目くらいまでの女子が、
どうやって仕事をして、なんで働いているかというか、
ただ、働いている、その日常を切り取ったようであり
痛快というか、まぁ、台詞回しが面白い
そんな小説でありました

小説内で、なかなか最近の若い女の子の会話を書けないという
大御所系の小説家が出てくるのでありますが、
それはまぁ、こういうことかしらと思ったり、
実際は、いや、こんな話し方しねぇよ、
ただの口悪い女の子書いただけじゃんと
言われてしまうような気がせんでもないところ、
ともかく、気風がいいというよりは、
ひたすら、口が悪い女の子たちの、
いわゆる女の子的自意識やら、嫉妬やらを、
軽妙な台詞で散らしていくというのが
読んでいて、明るくというか、笑わせてもらったのであります
最終的に可愛いかどうかとか、
イケメンならなんでもいいとか、
そういう身も蓋もないところもよかったように
感じるのであります

ご都合主義的なラストも、
別段腹が立つとか、残念と思うようなことはなく
いい落ち方したなぁと、ぼんやり
羨ましいとは違う、ほのぼのと楽しそうに終わるので
気分転換にはすばらしい小説であったと
読後感さわやかに思うのであります

【読書】英国一家、ますます日本を食べる

2014-07-10 21:02:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
英国一家、ますます日本を食べる  著:マイケル・ブース

続編が出ていたので、思わず読んでしまいました
前作がかなり面白かったので、
あれこれ調べたら、原書はもっとエピソードがあったらしいと
歯がゆく思っていたところ、その補完として
エピローグや番外編を加えた本として
二冊目を楽しませてもらったのであります

内容は、前作と同様、英国からやってきたフードライターが、
日本に3ヶ月滞在して、津々浦々の料理を食べたり、見たり、
迷惑をかけたりしながら、レポートするという内容でありました
正直なところ、前作を読んでいないとこの本の意味がない
前作ありきではありますが、それはそれ
なかなか面白かったのであります

いかにもガイジンという感じもありながら、
わさび畑の取材なんかは、相当に本格でありまして、
ところどころ、英国人らしい皮肉が入るものの、
今作は、ほとんど皮肉らしい皮肉もなく、
ちょっと物足りないと思うほどでありました
これは、何かに配慮されたのか、
そもそもそんな按配だから、前作に入らなかったのか
そのあたりはわかりませんでしたが、
抱腹絶倒というほどではありませんでした
ただ、食べ物本としては、凄くよかった、
やっぱり面白いし、なにかためになるようでもあった

のっけから、寄生虫博物館から入るというのが、
本当に食い物の本か?という具合でありますけども、
その様子、描写はなっとくの内容でありまして、
その流れから、生魚に入るという
まぁ、自然といえば自然だけど、
それは別々にして、ちゃんと築地のことを
書いてもらったほうが、なおよかったんじゃないかなどと
思ったりもしましたが、
築地で、うまいものを食べまくる姿は
非常に楽しそうであり、うらやましくもあったのでした

日本語と、図書としての品格を考えたのか、
ウニを食べるくだりは、原書だったら、
もっと身も蓋もないような描写だったのかしらと
ちょっと思わされたりもしましたが、
なかなか面白かったのであります
というか、今回、下ネタが多かったように感じた
面白いのは全世界共通なんだな

そのほかも、味の素の悪事をあばきにいったり、
カッパ橋にはまったり、料理教室に通ったりと
楽しそうなガイジンの姿を堪能できて、
それでいて、日本の料理について
教えてもらえるような、なんか間違った知識を覚えるような
不思議な楽しさを味わえる、よい本だったのでありました

いつかの台湾旅行記録 04 永康街から昭和町そして師大路

2014-07-09 21:55:51 | いつかの台湾旅行記録(2014)
さて、腹ごしらえも十分というところで、
夜遊びというほどではないですが、
手っ取り早く、台湾の夜を楽しめるところにいこう
というわけでありまして、まずは
若者の街「永康街」へと向かいました


有名なマンゴーカキ氷屋さん「思慕昔(スムージー)」
長蛇の列でしたのでスルーしましたが、
なかなか美味しそうでありました、
でもこの店は高価いよね

そんなこんなで、物凄い人だかりというか、人ばっかりの
永康街をうずらうずらと南下していきます
おしゃれ屋さんに寄ってみるというのも
一つ選択肢にあったのですが
今回は、しっかりと目的をもっての旅、
寄り道せずに向かいました


知る人ぞ知る、台北の昭和町、
この周辺は骨董屋さんが多く、それ目当てにやってきました
昭和町というのは、いわゆる雑居ビルという具合でありまして
一階には、物凄くみっしりと、骨董屋が詰まっている
そんなところでありました、
そんなに広くもなく、店の数も10店もあったかな
それくらいでありまして、形容しがたい不思議な場所でした
というか、商売してるのかも怪しい感じで、
店主と思しき人々が、くたびれてるのか
車座になってなんか喋っていました、
入っていっても、ものめずらしそうに見られただけで
売りつけようという気もないのがステキでした

骨董としては、中国モノが多いのは当たり前で、
宋の頃の天目と名のついた、絶対偽者だとわかる物体とか、
日本の昭和を思わせるおもちゃがごっちゃにあったり、
中国茶や、その道具が売られていたりと
なかなか楽しかったのであります

で、この昭和町の周辺に

こんな店とか、


こんな店とかがありまして、
骨董を楽しむにはもってこいなのでありました
大阪の東洋陶磁博物館の北側みたいな街並みでしたわ
じっくり堪能して、さらに南下、
初夜市で遊ぼうってなわけで、
師大路へと向かいました


まぁ、これも骨董屋なんですが、結構多くて楽しかった
翡翠とか、バカみたいに高価いのね

で、写真もなく、無事到着した師大路の夜市、
正直、そんなに大きいわけではなくて、
しかも、物凄く若い、若者ばっかりという具合
どうやら大学の近くで、大学生のたまり場というか、
そんな場所のようでありまして、
夜市でありながら、大学生の開いたバザーみたいなのも併設、
そこで、大学生が作ったカバンだとか、陶器だとか、
ああ、大学生って、美術大学なのかと
後から知ったのですが、なかなか楽しかったのであります
エネルギッシュでありますね

そんなわけで、若者向けの服屋さんを練り歩いて
なんだかんだ、満喫して駅までたどり着いたのでありました


台電大楼から、今宵の宿場であります西門町まで
移動したのでありました

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【読書】整理整頓 女子の人間関係

2014-07-08 21:09:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
整理整頓 女子の人間関係  著:水島広子

表紙買いといいますか、表紙で選びました
なんという女子、なんという女の友情
それをつぶさに写し取ったイラストだろうかな
そう思わされたわけでありまして、
中身は、よりこの絵に深みを与える
女っぽいと呼ばれる様々な生態について、
その対処方法と源泉が詳しく書かれていました

いろいろと、うるさい人たちもいるだろうから、
おもんぱかる必要があるかしらなんて、
勝手に思わされてしまうのでありますが、
あえて、この面倒くさい感じを「女」と呼ぶことにして、
話しは進められていくのでありますが、
この「女」がまぁ、びっくり面倒くさい
どっかで聞いたことある生態だなとも思うものの、
あまりにまざまざと書かれていると、
というか、それは数え役満というやつじゃないのかと
そう思うような奇怪な態度というか、
所作そのほかが、描かれておりました

この本としては、それらの源泉である
心の中に住む「女」なるものが、現れないようにするため、
また、現れた人に巻き込まれないようにするため、
どうしたらよいかのを、やんわりと
教えてくれるといった内容でありました
ネタバレ避けるためにも、そのひとつひとつには
触れませんが、なんというかな、
読んでいると、その対応と、あの対応は矛盾してないか?
その対応をしたら、むしろ「女」が出てこないか?
と、一部心配になるようなこともありましたが
おおむね、平たくかわす、面倒くさいから相手にしない
そんな具合のことが書かれていました

と、まぁ、そんなことを想いながら読んでいたのですが、
読めば読むほど、確かに女性に多そうだと思うが、
こういうやつ、男にも山ほどおるなという
そんな当たり前の事実にも気づかされて驚きであります、
つまるところ、イラっとさせるということは
男女とか隔てなく、人間に対する挑戦なんだなと
思う次第なのであります
それをかわすためにどうするかというのが、
果たして役に立つか、なかなか難しいところでしたが、
心持としては大切なこと、
同じ土俵に下りないというのは、一つであるなぁと
当たり前ながら、しみじみと思い知らされるのでありました

ああいったやからは、やはり、
女々しいと呼ぶのがよいのだろうかなんて
失礼ながら考えてしまうのであります

【読書】セラピスト

2014-07-07 20:20:50 | 読書感想文とか読み物レビウー
セラピスト  著:最相 葉月

ものすごく真面目な、精神医療について書かれた
有益な本でありました、よかった、とてもよかった
よかったけども、私の期待と違ってた

と、まずは言い訳からスタートしてしまう具合に
あまりの真面目さに驚いたのでありますが、
なんかの煽りで、凄い面白い精神医療を描いたなんとかと
そういうのを見たせいで、
精神医療について、事例とかをまとめたノンフィクション系
あるいは、ほとんど事実みたいなフィクション小説かしらと
胸躍らせてというか、楽しみにして読んだんですが
確かに、ノンフィクション系なんでありますが、
なんというかな、ものすごく医療に関するノンフィクション、
事実がどうしたとかでなくて、
学問というか、この分野に関するアプローチ、
そして研究の一進一退を描いたと

あれ?そう書いても、やっぱり凄い面白そうな題材だ
実際面白かったんだけども、なんだろう、
興味本位であれあれと読めるというには
だいぶ重たい、専門書というほどではないが、
硬く、さりとて読みやすく、なによりも、
先が気になるというか、ちゃんと読みたくなるという
そんな不思議な本だったのであります

内容は、著者自身が体験した精神医療についてと、
少し古いながらも、箱庭療法という手法が、
どのように日本で発展したのかという歴史に近い部分
そして、その時々にかかわった医者や学者、
はてまた、関係のない分野の人々などなどが
言葉を使わないコミュニケーション、
そして、その手段として箱庭を使い、
お互いを理解しあうという実験に挑んだと
そんな具合で、ものすごくためになったし
面白かったのでありました

あくなきというではないけども、
私が好きな、実験を繰り返し、観察することで導き出すという
データ主義的な開拓方法がとても楽しくて
観察実験から、示唆を得る、そして試行錯誤するという
その姿といえばいいのか、すべてが面白いというと
少しばかり品がないのですけども、
興味深い内容だったのであります
間違っているかもしれない、正しいかもしれない
それを導くためには、観察をするしかない
そういう具合にも見えて、
途方もない時間と、実験回数を繰り返し
それが、実践でもあり、事実でもあり
見方によれば、患者を(クライエントと呼ぶようである)実験台にしていると
思われるようでもありながら、
成功体験については、光り輝くといっていいほどの
成果があがるというのが凄かったのでありました

精神病というそれこれは、非常に難しい分野のようでありまして、
治るということもおきるようでありますし、
本当に心という部分が破損するという事象があるようだし、
あれもこれも、自分に思い当たることばかりのようでもあり、
そこまではならないようでもありと、
とらえどころのないものでありましたが、
それでも、科学的なアプローチによって、
回復する軌道、軌跡が見えるようになったというのが
なんというか、とてつもなく偉大な功績に見えたのでありました

長くなってしまったが、
思ったのとまったく違った本でしたが、
すこぶる面白い本でありました

軍師官兵衛  高松城水攻め

2014-07-06 20:46:32 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
視聴完了であります
ああ、とうとうやってきたこのとき
そんな按配でありましたが、
非常に全うというか、奇のてらいのない光秀裏切りで
これはこれで、王道といったらいいのか、
満足のいく展開でありました
しかし、思った以上に家康が悪そうで驚きました
あんなに悪辣な面構えで大丈夫か
というか、信長より年食ってんじゃねぇかとか
あれこれ思わされたんですけど
まぁ、後半を見据えてのキャストでしょうから
そのあたりはあまり考えない方向にしようと
思ったりするのであります

とはいえ、あの迫力というか、
全開でタヌキ、まるで良い人の部分がない
そういう振り切り方の家康は、久しく見たことがないような
そういう気持ちがありますゆえか、なかなか楽しい
絶対あんなんじゃ、三河武士といえどもついてこねぇだろうと
思ったりもするんだけど、あれくらい濃いのは
なんというか、今後を思うと楽しくて仕方ない
今後、家康と官兵衛が知恵比べ的なことになっていくのか?
なんて、夢広がる物語でありますな
少々歴史が曲がっても、あの二人で戦ってほしいものであります
これは面白いものが見えそうだ

そして、かなり凝った高松城の水攻めシーンが
なかなか楽しいかぎりでありました、
あれはロケでやらないとあの感じは出ないけども、
セットでも、まぁ、間は持ったんじゃないかと
心配になるような具合でありました
水が、どどどっとやってくるところは、
配慮が見え隠れしましたので、
なんともいいがたいところでありますが、
なかなかに楽しいものでありました
あとは、陣太鼓とほら貝の音が素敵すぎたというか、
タイムスクープハンター見てたからか、
あれだけでドラマというか、戦国を見た気がしたのであります

いよいよ来週本能寺でありますけども、
中国大返しに関して、官兵衛をどう描くかが
楽しみで仕方ないのであります
信長に対して、どういう想いを見せるか、
案外そうでもなかったから、さらっとやってのけた
そういう感じに描くか、それとも

と、なんだか楽しみな次回を待ちつつ
ざんざと降る雨に、いろいろと思い知らされるのでありました
なにげに、安国寺坊主とのやりとりがいい塩梅で、
これもまた、見所であったと
関が原が楽しみになるようでもありました

【読書】スペードの3

2014-07-05 17:48:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
スペードの3  作:朝井リョウ

以前に「何者」という賞を取った本を読んで、
衝撃を覚えたのが懐かしいところ
めったにやらない、作家で選ぶ読み方をしました
この人の新作が読みたい、そういうわけで
手に取った次第なのであります

今回も面白かった

ただ、前回のほどの衝撃はなかったというか、
いや、同じテイストの似たような話じゃないかと
心のどっかで思ってしまったところがあるのが
前ほどの衝撃を受けなかった理由であると
思うのであります
さりとて、それが、二番煎じかというと
そんなことはあるはずもなく、今回も、ざっくりというか
ぐっさりと、突き刺さるような物語を
堪能できたのであります

3篇の短編からなる本でありましたが、
その中身というか、登場人物と物語は
それぞれがリンクしていて、各章の主人公たちの
後ろめたさというか、何か哀しいと思うような
漠然とした不安みたいなのが、
まぁ、本当、目を背けたくなるほど
克明に描かれておりまして、
目が離せないという具合でありました

自尊心とか、虚妄、虚栄といった芥の数々が、
それぞれの人となりというか、
その形作っているなにかを支える屋台骨のようで
そんな些細な嘘だとか、狡猾さだとか、
守りたい陳腐な何かが、小者っぽさとは違う
なんとも形容しがたいそれを見事に書いていまして
悶絶しきりなのでありました

そういう中身で、どっぷりと浸りきることもできるのですが、
文章というか、情景描写が、かなり好きでして
凄く寒いんだろうなと思わせる表現が、
まぁ秀逸きわまりなくて、軽々と書かれた文章それこれが
目に浮かぶようで見事だと感嘆したのでありました
まさに、花が咲いたようなんだろうなと、
冷たい空気が華やぐ感じが、これでもかと
短い文章なのに十分に伝わってきて、
揺り動かされるようでありました、素晴らしい

ちょっと、げんなりするような、
何かを背負わされてしまうような、
読後感に後ろめたさがまとわりつく感じだけども、
最後には明るいとはいわないまでも、
何か、よい予感が匂うようでもあるのが
まぁ、非常に魅力的でありまして
今回もあたりであったと、楽しんで読んだ一冊でありましたとさ

【読書】品種改良の世界史 作物編

2014-07-03 21:14:24 | 読書感想文とか読み物レビウー
品種改良の世界史 作物編  著:鵜飼保雄

久しぶりにがっつりと読み込みました
学術書というには、くだけているものの、
内容はかなり濃い、しっかりとした農業史というか
歴史と作物を描いた本であります
イネ、ムギなどの穀物に加えて、
サトウキビ、ビートなどの嗜好加工原料、
イモ類の救荒作物、野菜としてのトマトや、
世界を揺るがす果樹かんきつ、ブドウ
そして、最も改良の進んだ園芸植物バラ
などなど、その他にもいくつかの品目にクローズアップして、
その品種改良の歴史を書いておりました
物凄く面白かった、人類の歴史と
こんだけ密接に関わりあっていたのかと思うと
なんというか、目が啓くという
久しぶりによい体験ができた本であります、凄い、素晴らしい

歴史というと、人物や、社会の変遷みたいなのを
凄いイベントとともに追いかけるといった
そういうイメージで捉えていましたが、
考えてみれば当たり前のこと、
どんなジャンルでも歴史という見方はできるのでありまして、
この作物を作る、そして殖やすということが、
どういう足跡を残したか、軌跡を描いたかと
それをつまびらかにするというのは、これまた、
非常に楽しいものでありました
資料の当たり方といいますか、引用元が、
中国なら漢の頃の書簡であったり、あの詩経であったり、
史記にも、その栽培についてのノウハウや、
作った人の物語があるとか、楽しくて仕方なかった

また、作物そのものの広がったルートみたいなのも楽しくて、
新世界であった、アメリカからナス科植物がヨーロッパに渡る
このあたりの様々なひきこもごも、
そして、それに限らず、中世の頃から暗躍というか、
活躍していたプラントハンターたちの仕事、
そして、それが国家事業であったことなどなど
黒船とともに、日本の植物を持って帰ったアメリカ人が、
何人もいたというのが、個人的には驚愕でありましたが
それらを育種だねにして、品種改良を進めた
また、新たな病気に勝つために野生種から
その抗体を見つけ出したりだとか、
かいつままれているというのに、その壮大さというのが
ひしひしと伝わってきて凄かったのであります

品目ごとに著者が違うため、その文章形態が
様々なのも面白いところでありましたが、
個人的には、イネ、サツマイモ、テンサイのあたりが
俄然面白くて、サツマイモはもっと流行してもいいんじゃないか
あれは、もっと凄いものなんじゃないかと
ミラクル作物だと認識を改めたりしたのであります
あとは、ソルゴーなんかも面白かった
飼料用というのもいいんだが、
なんというかな、品種改良の歴史が素晴らしい

と、そんなことを感じたりしながら、
イネは矮性だから、あんなに肥料入れても伸びないんだと
当たり前すぎて気づいてなかったことに衝撃を覚えて
なんというか、久しぶりに農学に戻った心持であります
もっと、作物学とかちゃんと勉強しておけばよかった
そう思えるほど、とても楽しい、素晴らしい本でありました
名著だ

いつかの台湾旅行記録 03 盛園の小籠包

2014-07-02 20:51:51 | いつかの台湾旅行記録(2014)
さて、中正紀念堂から歩くこと少々
日も暮れてきたのでありますが、
楽しみにしていた、糸瓜小籠包を食べようと
名店と噂高い「盛園」にいきました


店名よりも、名物の糸瓜小籠包の名前がでかい

思ったよりもというか、
結構な混雑ぶりでありまして、一人でじっと待つこと10分ほど、
日本語も割りと通じるので大変ありがたく、
渡された伝票の番号が呼ばれるのをじっと待ち
ようやく入店でありました


流石台湾というべきか、蘭が山ほど飾ってありました

いかんせん一人なので、そんなに種類を食べられない
慎重に選んだ末、以下3品を堪能いたしました


酸辣湯(スワンラータン)35元
前回旅行時に、鼎泰豊で食べた同品が凄い旨かったので
これはこれはと早速に頼みました
期待を裏切ることなく、とてつもなく美味しかった
凄い好き、好きすぎて日本で中華三昧の同味を食べたけど
あれは別物だった、なんでだろう、
ご当地じゃないと出ない味なんだろうかしら


大餅巻牛肉 110元
これもまたとんでもなく旨かった
北京ダック的なものの牛肉版といっていいのでしょうか、
キュウリじゃなくて葱が巻いてあったんだけども
これも凄く旨かった、甘辛いタレの味も絶品ながら
牛肉のしっかりした味も非常に好ましく
結構な量でありましたが、あっさり食べられました


糸瓜小籠包 120元
8個入りだったと思いますが、念願の糸瓜小籠包であります
初台湾時に、台北101の鼎泰豊で食べましたが
あれとはまた違うというか、これが本家といっていいのか
名物のこれはまた、絶品でありました
思ったよりも、糸瓜の味がありまして、
あっさりさっぱり食べられる一品、
ちなみに、お店のシステムでつけ汁とショウガは
セルフサービスで小皿に載せて持ってくる方式でした
最初わからなくて、優しく店員さんに教えてもらって
なんというか、恥ずかしかったといいますか
ともあれ、食べられたのでよいのであります

夕食としては、至極満足というか
もう台湾を半分くらい楽しんだといっても
過言でないくらい堪能できたのでありますが、
この間、わずか30分、台湾の人は食うスピードが速いと聞いてましたが、
それに煽られるようにしまして、
18:45入店、19:10お勘定といった具合で
大混雑というか、大賑わいのお店をあとにしたのでありました
さらにここから歩いて、若者の街「永康街」へ向かうのであります

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