CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】介護入門

2021-06-28 20:46:30 | 読書感想文とか読み物レビウー
介護入門  作:モブ・ノリオ

2004年芥川賞作品でした
これは新しいドキュメンタリだなと、読んで感じたところ
ラップ調といえるのかどうか、ともかく、独り言めいた
ある種の歌詞ともいえる怨嗟や憤りが
とめどなく続くという、実に不思議な文章
そしてときおり挟み込まれる「介護入門」の心得がとてもよい

文中に何度も出てくるし、実際にやってんのかわからんが
大麻を決めている感じをわざとらしく見せつつ、
だからこそのこのノリなんだよと、押し通している感じ
でも、韻がよいというわけでもないのに
文章のすわりが比較的よくて、変に駄洒落合戦みたいな雰囲気というか、
テンポのために、文章を陳腐化したようなところがないのがステキでありました
特に怒りについての語り口調が、冗長なようで、
文章としては凄くすっきりしていて、くどさがないというのが
とても大変なことじゃないかと思ったりしたのでありました

介護に関することについて、
その本質というか、その真っ只中にいたからこそ
傲岸にも、不遜にもなれるということを
ありあり描いているのがよくて、
それらに触れていない人間が読むと、その迫力というか弁舌に
なんか気圧されてしまうようだった
介護ということについて語っているのだけども、
一方的なメッセージで、ともかく一方通行、
反論をさしはさむ隙というか、暇を与えない感じで
飽きることなく続いていく文章といった具合でした

連綿と続くのに、リズムよい言葉運びなのか、
その思考なのか、特別よいことを言っているわけでもないのに
なんだか、連なったそれらが押し寄せてくるうちに
とても尊いようにも思わされてしまう
なんとも不思議な文章を読んだと思うのでありました

言葉選びが伝染りそうだと思ったけど、
そんなに語彙がないからできないわ


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