CLASS3103 三十三組

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【読書】共感障害 :「話が通じない」の正体

2019-07-29 21:28:55 | 読書感想文とか読み物レビウー
共感障害 :「話が通じない」の正体  著:黒川 伊保子

誰にでも大なり小なり存在しそうな問題なんだが、
ここで取り上げているのは、完全に障害のレベルで、
そういう概念がない、認識フレームが異なるという表現で表されていて
凄く腑に落ちたのでありました
この考え方は、とても汎用性が高いし、納得感もある

男女間でも存在する、認識フレームの違いというものが、
人間同士の付き合いで、相手に対していらいらしてしまうというか、
なんか、しっくりこないという話の根幹すべてを担っているんじゃないかと
そう思われるような内容で、いたく感服したのでありました

取り扱われているのは、実際にそういう認識ができない、
そうとらえる方法がわからないという人がいる、
そして、そういう人は決して能力が劣るわけではなく、
所作や、文化の違いのようなもので苦戦しているという
現状を表しているようで、なかなかためになったのでありました

もっとも、社会とはそういう共通意識で保たれているところもあるから、
それを認識できないというのは、致命的に行きづらいだろうし、
大変なことだろうなと、それをまた、他人に遠慮せよと求めるのも
難しいというか、社会、集団というもののよさが失われそうだし
なんか考えさせられるなーと素直に思ったのでありました
そういうものを多様性として受け入れることも大切だが、
そういうものを排除するというか、その感覚を持つ集団として育まれてきたのだから、
それが失われることで、何か、それまでよりどころにしていた
特性めいたものが、その集団から失われていくんじゃないかしらとも
思ったり感じたりしたのでありましたとさ
ちょっと、飛躍しすぎだが、グローバル化なるもののおかげで、
国らしさというのがなくなってきたとは、
こういうことでもあるんじゃないか、
子供たちの認識フレームが、確実に親世代と異なってきてんじゃないかと
思ったのでありました

と、まぁ、それはそれとして、
さらっと触れていた、スマホなんかをながら見するという文化が根付きだして、
それによって、子供の面倒をみているときに、
ちゃんと子供の目を見て、また、余計なことに気を使わず
一対一で愛情を注いでいないという状況が常態化してきて
共感力が獲得できなくなっているというのは、
本当だとしたら、大変な恐怖でないかとも感じたのでありました
これからそういう子が増えてくるとすれば、
我々、少なからずそれらを持つものとしては
恐怖しか残らないではないかとも思ったりしたんだが
人類が革新すると、共感力が高まりすぎて
テレパシーで会話できると思ってたら、
言葉が通じなくなっていくのかというのが
なんとも、絶望的なSFだと感じたのでありますけども
この本とあまり関係ない話である

しかし、面白い示唆にとんだ本でありました


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