CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】泣きたくなるような青空

2018-06-18 21:20:55 | 読書感想文とか読み物レビウー
泣きたくなるような青空  著:吉田 修一

エッセー集でした
以前に読んだ「空の冒険」の続編にあたるようで、
旅エッセーめいた内容がつらつらしたためられていたのであります
相変わらず、読みやすく、それでいて、短い文章ですっと
感動する読書体験があると、どの言葉がとかではなくて
読み終わって、全編から、ふわっとそういう気持ちになれる
読み心地すばらしい一冊でありました

故郷長崎での思い出話や、そこを起点とした、
様々な土地での、ふとした感動なんかが
とても丁寧に、押し付けがましくもなく、清清しく書かれているので
読んでいて、いいなぁとぼんやり眺められるようでステキなのである

今回は台湾に関する内容も多くて、
「路」を書いたときの話なんかが非常に興味深くて、
現地でのサイン会は、それはそれは楽しかったんだろうなと
物凄く羨ましいというか、その楽しさが伝わってくるかのような
素晴らしくみずみずしい感動があってステキなのである
また、本人が、水というものが好きだという
結構抽象的な話だったけども、
なんか理解できるような不思議な感覚もあって、
外国で川に流される遊びをした話なんかも、
以前に読んだ短編の下地となった経験が、
かくも楽しげなのかと、別視線というか、もう一度追体験できたようで
楽しいのでありました

長崎の派手な精霊流しの様とか、
青春時代の思い出語りなんかが、世代として近いとは思うけど
まったく別物のようでいて、でも、共感できてしまう
この切ないような感動が、いいエッセーだなと
感激を呼ぶようであったと思うのでありました

若さへの羨ましがり方の見本みたいなのを読んだ
そうともとれる、若いということをどう捉えるか
それを指南してくれたようでもある一冊でありました
人は老いるが、若い頃は誰にでもあったんだと
そういう感覚の持ち方を教えてくれるようである


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