CLASS3103 三十三組

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【読書】白が5なら黒は3

2021-07-31 20:56:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
白が5なら黒は3  作:ジョン・ヴァーチャー

タイトルから考えていた物語と違った
昨今問題となっている、BLMを扱った内容といったらいいのか、
アメリカの現実みたいなのが書かれているのかもと
思いながら読む小説でありました

刑務所帰りの白人青年が、壊れてしまった

そんな話がきっかけになりつつ、人種問題が入り組んだ、
いや、物語としては至極単純な、出自を隠していたり、知らなかったりする
そういう話とごたまぜになる話なんだけども、
結局のところ、黒人か、そうでないかということが
ここまで様々な問題を引き寄せて、そういうループに入ってしまうのかと
暗澹たる気分になる物語でありました
おまけに、出てくる白人のほうも貧困なので、
まさに今のアメリカにおける問題の根源ともいえる部分の話でありました
どうしようもないじゃないか、
そして、ここに関わらない人間は、関わることを避けるうえに隠すんだろうな
見えない、見ないようにしているんだろうなと
思うだけでまた、暗い気持ちになる
なんとも悲しい物語でありました

最終的に誰も救われないと、久しぶりにこんな残念な気分になる小説を読んでしまったのだけども
誰がどうしていたらよかったかというレベルではない、
だけど、どうしようもなかったとも思えない
不幸の連鎖というか、積み重ねというか、誰がどうしたということもない、
ただ、少しアウトローに触れてしまっただけで、
もう二度とは戻れないようになっている仕組みのようなものが
不気味で仕方ないともいえるものでありました

人種差別という思想の問題とかだけではなく、
そういう社会と仕組みと、ともかく、すべてがそうなるべくしてなってしまう
どうしようもない世界というか、日常というか、
ともかく、そうなっている、なんて思うばかりの内容に
ただただげんなりしたのでありました

漫画オタクであることと、うっすらとゲイであることもあったりして
マイノリティの複雑さも書いていたように思うが、
やっぱり、そういうことも含めて、何か手札が揃ったら
急に悪いほうの役がついてしまう、そういう世界が
おかしいような、でも、そうなんだよなという感じが
まぁ、なかなか、アメリカなんて絶対行きたくないと思わされる内容でありました

おかしいな、昔は憧れの国のように思っていたんだがなぁ


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