CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】プライベートバンカー

2016-12-09 18:12:22 | 読書感想文とか読み物レビウー
プライベートバンカー  作:清武 英利

副題に「カネ守りと新富裕層」と銘打っていまして、
金融資産が1億円以上の人々を相手に、
その資産を運用する仕事を担う人々、プライベートバンカーについて
業態と生態を描いた小説でありました
ノンフィクションの側面が非常に強いようで、
一部実名が出てくるなどして、
興味深い、金融の世界について
その仕事なんかを読める小説でありました

主人公が、そもそも実在しかつ、実名なんだそうで、
野村證券から、いくつかの転職を重ねて、
シンガポールで一旗あげようと目論む男でありまして
彼を通じて、この世界を描いていくのであります
どんな顧客がいるのか、
どういう組織で働いているのか、
組織にはどんな人がいるのか
そんなことを描きながら、節税スキームを解説したり
お金の運用と、プライベートバンクという業態の恐ろしさというべきか
コネクションによる独裁めいたやりとりなんかを
生々しく堪能できるわけでありまして
まぁ、正直なところ、ちょっと想像がつかない感じなんだが
とんでもないノルマを課せられながら、
自分の資質、資産とも呼べるもの
信頼や信用というものを、どこまで誰に託すことができるかと
しのぎを削りながら、何億というお金を動かし
フィーとして、何千マンも年間に貰うという
まぁ、大変な業界であり、酷い有様だと
思わされたりするのでありました

どうやら、実在の事件も扱っている内容なんだそうですが
正直さっぱり知らないことなので、ピンとこなかったのですけども
お金が集まるとろくなことが起こらないんだなと
改めて思わされたというか、
お金がある人の強欲は、留まるところがないのであろうと
それでいて、お金を守るというために
様々な悲哀というべきか、犠牲があるんだなと
思い知らされるようでありました
相続税のために5年間は海外に居る必要があるという
約束されたわけでもない制度の穴をつくために
好きでもない外国で暇をもてあます富裕層というのも
なんとも、嫌な生き方だなと思ったりしたんだが

お金ってなんだろうかしらねと
改めて思い知らされたのでありました
運用されているので死蔵しているわけじゃないんだろうけども
なんだろうか、やっぱりしっくりこないわけで、
それがたくさんになってきたので
世の中の不均衡というのが生じるのだろうとも
難しいことを考えるのである


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