CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

石水博物館 千歳山主・川喜田半泥子 前期展

2021-10-07 21:39:16 | 陶磁器を探す旅と名物
コロナ自粛が若干緩和されたおかげで、
延期していた本展が華々しく開幕というわけで
喜び勇んでみてきたのでありました

ここ数年、個人的にすっかりご執心の川喜田半泥子の作品を数多く持つ
石水博物館の10周年特別展であります
タイトルの通り、千歳山主である半泥子の作品をこれでもかと展示していて、
まだ前期展ながら、大変面白く見られたのでありました

博物館もあれこれと催しを考えているようで、
ワークショップなんかも開催されるようだけども、
今回はその日に当たらなかったので、
推し半泥子作品のアンケートだけ参加してきたんだが、
前期展にて、個人的大名物の慾袋、粉引茶碗雪の曙、呼継茶碗ねこなんちゅなど、
豪華絢爛な様相に大興奮でありました
通常展示では、半泥子作品数点と、ゆかりの品、あるいは
半泥子好みの品といった展示なんだが、
今回はおしげもなく、半泥子作品ばっかりだったので、
正直、前述のもの以外も、あれやこれやと、見て楽しいそれこればかりで
すごいよかったのでありました

今回、個人的に初めて見たと思う「ぐいのみ」数点が
ものすごくよくて、
ずっとオークションで探しているんだが、本物と思しきものが出たと思ったら
すぐに取り下げになったりとか、なかなかひどい目にあってきたわけでありまして、
とうとう本物が見られたという感激は
筆舌に尽くしがたい感動があった
このコレクションでは、茶碗のミニチュア版といった様相のものばっかりで、
井戸風をはじめ、三島手風、刷毛目風のものなんかが
まさにミニチュアといわぬばかりのそれで、
かわいらしいわ、すごく使ってみたいと思わせる色合いだわと
大興奮だったのでありました
いいなあ、一個ほしいなぁ
解説を読んでいたら、半泥子自体はあんまり酒を嗜まなかったようで、
それでもぐいのみは作っていたというあたりに、
なんとか乱造していて、その一個でもわが手元に来てほしいと
願うばかりなのでありました
後期展でも展示続くらしいので、もう一回見てきたい
今回、一番感激した品物でありました

そのほか、新収蔵品のお披露目もかなりあったそうで、
書画のほうはあまりわからないので、ぼんやり見ていたんだけども、
今回新規展示となったらしい、トシコちゃん図3点セットがなかなかいい感じだった
近所だか、知り合いだかの家で、ふすまか屏風かに
いたずらに書いたものなんだそうだが、
実に味があって、また、その家庭というか、その人のために書いたという感じが
すごく自然で、てらいがなく、とてもいい品物だなと
これまた感動したのでありました
下手とか、上手いとかを寄せ付けない良さというものがあって
ほっこりみられるよいものだったと、珍しく絵画にも反応したのである
自分の中で何かが変わってきたということなんだろうかね

また、変わったところでは、印章あれこれの展示もあって、
これもまた、すごくよかったのでありました
落款などに利用して、気に入っていたものだけの展示らしいんだが、
説明によると、使われていない印章が相当数あるんだそうで、
それはそれで魅力的だなと感心したのでありました
洒落がきいているというか、
泥佛堂はともかく「ばかやろう」とか、肩の力が抜けたひとしきりバカにした感じのものが
さらっと展示されていて、これを気に入っていたというのもいいなぁと
あったこともないのに、その人柄のようなものに惹かれたのでありました

久しぶりにとっくり美術品を見られて大満足だったんだが
もう一度見たいので、後期展をまた狙うのでありました