CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】かがみの孤城

2018-10-22 21:21:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
かがみの孤城  作:辻村深月

SF小説なんだけど、もっとファンタジー寄りのお話でした
なかなか面白くて、あっという間に読みきってしまった

童話のような舞台設定なんだけども、実際は、現実問題を取り扱い
不登校というそれを子供たちがどう乗り越えるかと
まぁ、そんなお話に読めなくもないといった
面白い物語なのであります

途中で、多分こういうレトリックだなと気付くんだが、
それが最終的に、そうか、そういうところまでかと
推測が進むよりも、物語の続きが気になるほうに気をとられて
あれよあれよと読み進めてしまった
感情移入するには、あまりにも登場人物たちが若いというか
幼いので、そういう気分にはならなかったのだけども
出てくる悩みの共有や、葛藤みたいなのは
覚えがあるような、ないような、
もしかしたら、こういう状態になっていたかもなぁと
歳食った身分ながらも思い知ったりするところであります
子供の世界というには、やや進んでいるんだが
中学生とか、それくらいの時分は大変ややこしいなと
思わされたのでありました
あの時代を、各人がそれぞれ生きているのは確かで
それはまた、少しばかりの奇跡だとも思える

さておいて、謎解きが最初に課題としてあげられるのだけど、
それにはほとんど取り組まずというか、
そういう物語ではなく、その不思議な世界とのいったりきたりで
子供たちがどう考えていたかが焦点となっていて、
忘れていた頃に唐突な形で謎解きが行われるかのようで
ラストの駆け足感は、途中で出てきたゲームのようでもあり
非常にエンタメを楽しめたと思うのでありました

分厚いけども、さくさくと読めて
非常に面白かったと感じる一冊でありました
著者は、本当にこういった問題を取り扱うのがうまいなぁと
思わされて、メモを置いておくのでありました