CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】EPITAPH東京

2018-10-06 21:03:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
EPITAPH東京  作:恩田 陸

いまいちよくわからん小説だった
戯曲的というのかわからんが、どことなく古臭いというか、
主人公の独白と、台詞、思索で進み、
何か暗示しているようでもあるが、どうということもなく
淡々と日々が過ぎていくみたいな感じで
つかみどころがなかったように思うのでありました

SFめいた内容でもあり、現代に吸血鬼だと名乗る男が出てきて、
その男と話をする主人公は作家でありまして、
エピタフ東京という演劇台本を作ろうとあれこれ考えている、
その考えている様と、吸血鬼とのやりとりなんかが、
ごたまぜになりながら、途中で実際の脚本も見せつつ、
それらが、大きな統一した何かになるのではなく、
なんだろうか、何を読んだんだろう、何を見たんだろうかと
考えながら終わったのでありました

主題などは度外視して、その進み方というか
小説の形が、夏目漱石の草枕を髣髴とさせると
今ようやっと気付いたのだけども
残念ながらヒロインが出てこないので、もうひとつ
ぐっと吸い込まれるようなことはなかったのでありました

吸血鬼が永遠の命をつなぐという方法が、
誰かに転生しつづけていくということだそうで、
そういう永続性は果たして、どういうものを見てきて
どう思うのであろうかというのも
なかなか考えさせられるというか、面白い想像の糧だと思えて
東京に墓標を立てる、あるいはたてられたものを辿るというのが
どういう大きな意味があったか、
そこはよくわからんかったけど、まずまず、
するり読めて面白かったように思うのでありました

ちょっと前に読んだ、オープンシティもつまりは
こういう物語だったんだろうか、
ともかく、不思議というか、読んで何がといえない小説は
どうも苦手だと自分自身を認識した読書でもありました