CLASS3103 三十三組

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【読書】しんがり 山一證券 最後の12人

2014-06-02 20:42:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
しんがり 山一證券 最後の12人  作:清武 英利

かつて、バブル崩壊という言葉が躍った、
そのさなかの一つに数えられる事件でありましょう
山一證券消滅、その時何があったのか、
会社が消滅するということは、
どんな仕事が待ち受けることとなり、
誰がその役目を果たすのか
そういったドキュメンタリめいた小説でありました
寡聞にして、その実名がどれなのかなど
さっぱりわかりませんでしたが、
なんといったらいいか、結局、リーマンブラザーズのときもそうだけど、
経営陣と呼ばれた人々には、さして、何も至らないのか、
いや、経営陣と呼ばれている人々も、
その本当のところにどれだけ関わりがあるのか
そういう調査が行われずに終わる
そんな印象を受けたのでありました

内容は、その崩壊していく山一で、
その闇、あるいは破綻の理由を探るため、
会社清算のしんがり戦を戦った人たちのことを描いておりました
まぁ、しんがり戦というか、そこでの人のやりとりというか、
解き明かされていく虚しい事実が、
なんともやるせない気持ちになる
恐ろしいそれこれでありました

あえてなんでしょうが、顧客がほとんど出てこないので、
本当の意味というか、その頃を中身から伝えるというか、
これを読んで、その当時の衝撃っぷりが伝わるといった
そんな具合ではありませんでして、
ただただ、大きな会社が死ぬときに
それを見取るということがどんなことか、
そうなっていくにつれ、人間はどう散っていくのか
淡々と描かれておりました

小説としては、もっとこう、
怒りみたいな感じたかったような、
そういう印象を持った次第、
淡々としすぎているというか、本当に、そんな気分なのかも
そう思わなくもないけども、あまりにも、
虚しいとか、虚無とかというか、
よりどころがない、こういった事件では怒りが、
そういう感情が一番わかりやすいというか、
読みやすくなるのにななんて、
思ったりしながら読んでしまって、
ドキュメンタリのよさを
まったく理解していなかった次第なのでありますが
盛り上がりに欠けるといってしまうか、
読み物としては、そんなに面白いとは
思わないのでありました