CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

レッドゾーン

2009-08-04 00:15:23 | 読書感想文とか読み物レビウー
レッドゾーン  作:真山仁

ハゲタカ、バイアウトの続編になります
ゴールデンイーグル鷲津が、ファンドビジネスを繰り広げる
経済活劇小説の最新作でありました
既に見てきてしまった、あの
ハゲタカの映画版の原作ということで
予備知識入れてからの読書で飽きないかと心配してたんだが
いやびっくり

映画と話が全く違う

これを原作と言うのはあまりにも酷い、とまではいわないが
ちょっとどうなんだろうかと思うほどの違いでありました
いや、映画と別ジャンルというか、別の話なんだが
すげー面白かったのは間違いないのであります
よくよく思い返してみると、ハゲタカの小説も
ドラマ版とはさっぱり違ってたなと
今更のこと、なかなか読み応えがあるお話でありました

紅いハゲタカとの闘いというのが焦点かと思いましたが
実際そうなんだろうけども、なんだか
政治的思惑が強くて、無教養なわたしでは
どこからがファンタジー要素なのかさっぱりわからなかったんだが
なかなか派手な立ち回りというか、あれこれがあって
ステキな小説でありました

資金繰りがどうのこうのというのは無いんだが
どこから、誰が繋がっていて、どういう情報網によって
決着がついていくのか、そういうきな臭い連中と
それとは別に、真面目に(というのも失礼だが)、
地道に地に足を着けて、必死に歩んでいく企業の話と
考えてみると、前作、ハゲタカ、バイアウトの時と一緒で
その二つの構図を描いておるのでありました

ただ、残念なことにというか
少し消化不良だと思われたのが、その
地道に進んでいるのであろう、芝野シーンが尻切れな印象で
また、話題の中心となっているアカマのお家騒動と
その本当の部分というか、物作り部分が希薄な感じで
ちょっと残念でありました
前半というか、上巻はそちらに力が注がれていただけに
なんか、腑に落ちない具合になってしまいます
それでも、政治に絡めつつ、色々な大物が
次々と出てくるのは心躍る具合で
ちょっと大物過ぎるのはいかがなものかと思いつつも
にやにやと読み進めたのでありました

終盤で、全容のネタバレが行われるんだが
正直そのあたりは、ちょっとついていけないという具合になって
残念しごくでありましたけども
色々な伏線も回収されていて、何よりも
オチが気の利いた感じなので、好感であります

続編はさすがにないだろうと思うものの
面白いシリーズだと、感激して読み終えたのでありました