もう、数カ月前から頼まれていた録音がありました。
自宅で出来る、ピアノの録音でした。
「どんなのでもいいから、好きに弾いてくれればいいので」
というものでしたが、そうはいっても、請け負って弾くからには、
それなりに考えなくては、準備をしなくては、と思っておりました。
確かに、先月(・・・その前の月からも含めて)は忙しかったのですよね。
玉置さんのブルーノート公演があり、KORGさん主催のイベントがあり、ORIENTAL BOUNDSさんのライブもあり、
毎週のN工学院、S足音大、そして月に一度とはいえ、T京音大で、それぞれ講義、授業があり、
その他の日には、これもとってもとっても大切な緑ちゃん倶楽部のレッスン。
とはいえ……、
「いくらなんでも、さすがに、その位の時間は全然取れると思うよ。大丈夫。」
と請け負ったものの、現実、なかなかその時間が取れず。
「明日はできるかも」と思いながらも、いざその日の夜になると、もう身体がいうことを聞かない日もありました。
(ピアノを弾くというのも、指先一つのこととはいえ、実は相当に体力のいるものなのです。時間さえあればできる、というものではないのですよね(笑))。
そして、
……いよいよ先週くらいから
「まずいな、どうにか時間を作らないと」
と思っておりました。
これは、“仕事”ではない依頼でした。
でも、
どうしてもやりたい、
というか、
僕にとって、やらなきゃいけない事でした。
そして、タイムリミットは今日でした。
一昨日、そして昨夜と、どうにか時間を作って、弾きました。
で、どうにか録音を終えて、
……自分でプレイバックを聴きながら、
スピーカーの前で、眠っちゃってたりね(笑)。
実は、
絵を描いている僕の母が、初の、
個展を開くのです。
その画廊で、僕の弾くピアノを、流したい。
ピアノを、弾いてくれないか。
という依頼だったのです。
昨夜、といっても、もう今日の明け方でしたが、
どうにか録音したものをデータにして、送りました。
弟が、その曲たちを、iPodに入れてくれたようです。
ふう。
ここ数か月、もう、春からでしょうか、ずーっとずっと、他のどんな仕事をしていても、絶えず心にあったこの録音が終わり、
なんだか、
ようやく、肩の荷が、下りたような気がしています。
絵を志す人にとって、大きな夢であり、晴れ舞台だという、個展。
僕は、ただただ、祈るばかりです。
母にとって、とびきり楽しい、嬉しい時間で、あってくれることを。
そして僕は、こてん、と寝ることにします。
……うっ(笑)。
ではー。