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中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

大映宣伝部・番外編の番外 (59) 瑳峨三智子さん

2015年04月13日 | 日記

     

  

  

     瑳峨三智子さんは大映の女優さんではないのですが、大映作品によく出ていて
     お馴染みなので今回取り上げました。
     彼女は京都の出身で、昭和27年(1952)にまず東映に入社し、昭和31年(1956)に
     は松竹に移籍しました。デビュー時の芸名は嵯峨美智子でしたが、途中で瑳峨
     三智子に改名しています。

     彼女はご存知のように山田五十鈴と月田一郎の間に生まれた一人娘で、生まれ
     て暫くして両親が離婚したことなどから数奇な生い立ちを経ています。
     東映に入ってから山田五十鈴さんと母娘対面をしたものの、2人の間柄はしっく
     り行かず、母親を「山田さん」と呼んだり、いさかいを繰り返しては「あの鬼ばば」
     と言ったりしたことは有名な話しです。

     そんな瑳峨三智子でしたが、交渉事が上手く行って東映時代にも松竹になって
     も大映映画によく出ています。亡くなるまでの彼女の映画出演は143本ですが、
     その内23本が大映です。その内訳は雷蔵との共演が13本、勝との共演は6本で、
     後は長谷川一夫先生、北原義郎、林成年、若尾文子との共演が各一本の計23
     本という訳です。
     雷ちゃんとの共演が特に多いのですが、彼女の持ち味が雷ちゃんのそれとよく
     合うというのがその理由でしょうが、もっと本格的に二人の共演物を作ると良か
     ったのにと思います。

     彼女は町娘からお姫様まで、加えて明るいものから影のある役柄までと幅が広
     いし、何をやらせても上手いお芝居をするし、またあの独特のお色気はお母さん
     譲りだとみんな囁いていました。

     昭和37年(1962)に岡田真澄と婚約するも2年後には婚約を解消しているし、それ
     からトラブル続きで失踪騒ぎも度々起こしています。俳優・森美樹とのロマンスも
     ありましたが、それも森美樹がガス中毒死したことで悲劇に終わっています。

     素晴らしい女優資質を持ちながら、それを充分に生かせず仕舞いのまま、平成
     4年(1992)8月に旅行先のバンコクでくも膜下出血のため急死しました。享年57
     歳でしたが、存命していたら今年で80歳です。

         

  

            







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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
中島様 (タム親父)
2015-04-13 17:40:04
こんにちは。

嵯峨さんは雷蔵さんの映画でよくお見かけするので、てっきり大映の所属と思っていました。お母様もよく大映の作品に出演されていましたね。「ぼんち」と「釈迦」が印象に残っています。母子での共演作というのはあったのでしょうか。
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Unknown (中島けん)
2015-04-13 22:34:38
タム親父さん

ユニークないい女優さんですが、彼女をコントロールするのは大変だったようです。
それと意外なことに作品にあまり恵まれていなかった感じもします。
本人はあまり乗り気ではなかったようですが、お母さんとの共演作品は14~15本
くらいありますよ。大映ではありませんが・・・。
返信する
息ピッタリのコンビでした。 (年々歳々)
2015-04-15 23:16:26
 嬉しい写真と共にコメントもまた嬉しく懐かしく読ませ
ていただきました。

以前、友人が貸してくれた瀬戸内寂聴さんが記した本を読んだことがあります。

主要な登場人物の方々をモデルは○さんかな、∞さん
かしら、□さんかな? と勝手にイメージしながら読み進んだ覚えがあります。ヒロインは絶対彼女と思い込んでいた自分です。

 雷蔵さんとの共演はどの作品も大好きです。けんさんのおっしゃるように、本格的な作品をもっともっと見てみたかったです。
  

 


  
返信する
おはようございます。 (中島けん)
2015-04-16 09:58:19
年々歳々さん

最後までいがみあっていた二人ですが、血は争えないとつくづく思わせる母娘でした。
瀬戸内寂聴さんの「女優」のモデルは間違いなく瑳峨三智子です。
返信する
中島様ご無沙汰しております。 (TAKANOBU)
2015-05-05 06:36:06

瑳峨三智子さんの事は
何と無く聴いておりましたが

感情の起伏が………どうとか。

常に母、山田五十鈴と比較もされ
何かとプレッシャーが
多かったでしょうね(≧∇≦)

個人的にはお直し前の
お顔の方が日本的で好きでした(~_~;)
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おはようございます。 (中島けん)
2015-05-05 10:01:09
TAKANOBUさん

男に尽くした人生を送った母親を、どうしても許せなかった娘でしたが、
同じ血が流れていたとは・・・男性のことも、優れたお芝居も、やはり血は
正直なのですね。
返信する
松竹作品ですが (さすらい日乗)
2016-08-03 09:16:09
成沢昌茂脚本、監督の『裸体』が非常に面白く、彼女にぴったりの映画だと思いました。
男性遍歴映画では、やはり松竹の『こつまなんきん』も良かったと思います。
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こんばんわ。 (中島けん)
2016-08-03 21:47:05
さすらい日乗さん
本当に不思議な母娘でしたね。でも
二人とも得難い素敵な女優さんだったと思います。

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