この映画は、1997年に英国で一大ブームを巻き起こした60歳の新人作家
ポール・トーディの小説「イエメンで鮭釣り」を、「スラムドッグ$ミリオネア」
のサイモン・ビューフォイ脚本、「HACHI/約束の犬」のラッセ・ハルストレム
監督で映画化したものです。
まことに奇想天外なストーリーなので私なりに期待して見ました。
英国の水産学者ジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)のもとに、イエメンの大
富豪(アマール・ワケド)から、砂漠で鮭釣りがしたいのでイエメンの砂漠に鮭
を泳がせてほしいという依頼が、代理人ハリエット(エミリー・ブラント)から持
ち込まれます。
そんなことは不可能と一蹴したジョーンズでしたが、中東との緊張緩和のた
めにと外務省が支援を決め、英国首相まで巻き込んだ荒唐無稽な国家プロ
ジェクトに展開してしまうのでした。
この無謀とも言える国家プロジェクトに巻き込まれた主人公の学者が奔走す
る姿や、プロジェクトにかかわる人間たちの恋や友情はいかなる結果が・・・と
まあ、ざーっとこんな映画です。
お話自体が面白いし、政治風刺も配していたりで、しっかりした脚本と監督
がやれば絶対に面白い映画が出来る筈でした。
しかし脚本・演出ともにゆるいし、ご都合主義的な展開が多く、折角の面白
さが半減していて非常に残念です。
主演のユアン・マクレガーとエミリー・ブランドが、ともに好演だったので余計
に惜しいと思いました。