カンフー映画の金字塔ともいえる「少林寺」は、ジェット・リーを一躍スター
ダムに押し上げた作品でしたが、あれから約30年を経て製作された今作
は、人間ドラマを重点に少林寺の新しい物語として作られています。
ご贔屓のジャッキー・チェンも出演しているので、公開初日に見ました。
物語の舞台は、1912年の中国です。
辛亥革命によって清王朝が倒れたものの、中国全土では覇権をめぐって
戦いが絶えず混沌としています。
傲慢な将軍・候杰(こうけつ、アンディ・ラウ)は、権力拡大の野望を抱くも
部下・曹蛮(そうばん、ニコラス・ツェー)に裏切られ、妻は拉致され一人娘
を失い、彼自身も賞金付きのお尋ね者に・・・。
少林寺の僧侶たちは、修行に励みながらも難民や負傷した兵士を助ける
活動を行なっています。
以前無慈悲な将軍時代に土足で踏み込んで来たことがあった候杰ですが、
今度は全てを失い寺に逃れて来たのです。
候杰は少林寺の料理係(ジャッキー・チェン)の家で髪を切り、出家する決意
をするのですが・・・。
監督は「コネクテッド」のベニー・チャン。アンディ・ラウ、ニコラス・ツェー、
そしてジャッキー・チェンといった中華圏のトップスターを揃え、アクション
+ヒューマンドラマが狙いだったのでしょうが、極悪人の再生ドラマであま
り新味が感じられない仕上がりです。
しかも131分の長尺で、同じような話がダラダラ続いて食傷します。
ジャッキー・チェンもお付き合い程度の出演で、少しばかりアクションを披露
するものの、この作品や近作を見ていて、アクションスターとしての彼の終焉
が近づいていることを感じます。
スケール感はある程度出ているのですが中身が薄く、残念作としか言いよう
がありません。18日初日昼の部、観客18人でした。