この作品で監督・脚本・主演をしているマチュー・アマルリックは、「潜水服
は蝶の夢を見る」「007/慰めの報酬」などに出ていて、一般的にはフランス
の俳優として知られていますが、本作は長編として4作目の監督作品だそ
うです。
更にこの作品でカンヌ国際映画祭の最優秀監督賞を受賞しているロードム
ービーなので、注目していましたが・・・。
アメリカの女性ダンサーたちで編成した「キャバレー・ニュー・バーレスク」は、
元テレビプロデュサーのジョアキム(マチュー・アマルリック)が率いてフラン
スの港町を転々としながら公演を続けています。
なんとかバリでの公演をしたいジョアキムは、かっての仕事仲間に会いに行
きますが、トラブルを起こしてテレビ業界を干された彼は相手にされません。
彼はパリから二人の息子をつれて合流して地方の公演を続けるのでした・・・。
この手のダンスは、通常は若くて美しくてスタイルのいい女性が踊るものと思
うのですが、ここに出てくるニュー・バーレスクのダンサーは熟年で、スタイルも
超豊満。それを堂々と表現して欧米では人気があるのだそうです。
私は予備知識があまり無かったので、「バーレスク」のフランス版くらいに思っ
ていたのですが大違いでした。
描かれた内容は一体何をメインに描きたかったのかの焦点がボケています。
いつも言うように見た感想は十人十色ですから、この作品がいいって言う人は
必ず居られるでしょうが、私は一寸も面白く見ることが出来ませんでした。
そしてどこがカンヌで監督賞を獲ったのかも、よく判らず仕舞いでしたが、そん
な私でもラスト近くで息子たちをパリに送り返し、離島にある休業中のホテル
で彼とダンサーの一人が愛し合う前後の演出は光って見えました。
特にお薦めはしませんが、"お暇なら来~てよね" の程度です。