先日長崎帰省のとき、滞在中必ず1,2度は寄って乾物やらを買い込む吉田海産店で「エタリイワシの塩辛」というのを発見。
エタリイワシはアンチョビやしょっつる(魚醤)の元でもある、カタクチイワシの地方名。
それをまるごと(うろこや内臓も)塩漬けにして熟成させたもの。
稲藁を乗せて発酵させるんだって。
聞けばこの長崎南部の郷土食。
今まで何度も通っている店なのに目につかなかったのは、期間限定の商品だかららしい。
アンチョビよりも強烈な風味です。
だけど、酒を呼ぶうまみ。
大根と一緒にオーブン焼きしてみました。
にんにくと唐辛子とオリーブオイルをふって、塩っ気はもちろんエタリ君から提供されるから、いらない。
大根は薄切りにして少し焦げるくらいがいい。
ひと口つまめば、「酒だ、酒をくれ~」と禁断症状がにわかに現れる、おとな味。
アンチョビというよりも、
カンボジアの魚丸ごと発酵「プロホック」を髣髴とさせる風味の強さだけど、まだ日本人好みの味だと思う。
長崎南部では、昔からこのエタリイワシの塩漬けをふかしたさつまいもと一緒に食べていたんですって。
まだチャンスがなくて試してないけど、今度勇気をふるってみようっと。
最近、イタリアのスローフード協会の「味の箱舟(アルカ)」計画にリストアップ
されたり、
「エタリの塩辛愛好会」という団体が普及に努めたり、発酵の権威、小泉武夫さんも注目、とエタリの巷は少し騒がしいようです。
私の行きつけの吉田海産さんでは、このブームとは無関係に、昔からのサイズと価格でつくり続けているそうです。
にんにく風味もありました。