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「あちらにいる鬼」井上荒野さんを読んでの感想

「あちらにいる鬼」井上荒野さんを読んでの感想です。瀬戸内寂聴さんのつながりで読みました。
読みやすい文章。交互の話が興味深い。
みはると笙子それぞれが同じ状況同じ場面をそれぞれが違う視点で見ている。それを小説にしているのがおもしろく感じました。
みはると白木篤郎がどろどろして来る。それを白木の妻笙子が見ている。おもしろい。
そしてその白木と笙子の娘海里がこの小説を書いている。「言葉に出来ないものを言葉にしようと奮闘している」
僕はおもしろいな僕も小説を書いてみようかなと思いました。
「どうして私は小説を書くのだろ」寂聴さんの言葉。これを海里さんが書きたかったのかなと僕は思いました。
最終章がすごくいい。
「私はもう、何もしなくていい」僕のお母さんがホスピスに来た最初の日。ごはんを食べさせてくれるものとして手伝ってもらえず食事がそのままベッドの上のテーブルに置いてあったのを思い出しました。その後僕は毎日お母さんの昼ごはんに付き合ったなと思い出しました。
僕が死ぬ時もこういう気持ちに成るのかなと思いました。
この小説の最後もよかったです。鮮やかでした。
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