昨日のNHKの10時からの特番は面白かった。日本の古代史がどんどん書き換えられていく。
古代史でも、最も有名な出土品のひとつに、博多の志賀島で見つかった”漢委奴國王”の金印がある。
後漢の時代に日本に送られたという伝説の印が、1600年後の江戸時代になって、偶然堀り出されたというのだから、元々、奇跡的な話(この本によれば、その確率700兆分の1)。ただ、中学か、高校の時に読んだ本で、この金印は、本物であることが証明されたと書いてあったので、そのまま40年近くも、それが頭にインプットされたまま生きて来た。今上野でやっている中国国家博物館名品展で展示されている”テン王之印”は、1956年に発掘されたものだが、この金印と、極めて似ているということで、金印の信憑性も高まったと理解していた。
つまり、この金印の信憑性は、揺るぎのないものと思っていたというわけだ。
ところが、どっこい、この本を読むと、その根拠は、かなり危ういものであることがわかる。
この金印が本物であることを証明した人は、福岡の甘棠館という、当時修猷館と張り合っていた藩校の初代館長である亀井南冥氏が最初であるが(甘棠館はすぐに廃校になっている、修猷館は今でも有名校)、その出土経緯についての言い伝え、亀井氏を取り巻く人間関係、その後の亀井氏の末路を見ると、亀井氏の見立てを100%信じるということは無理のようだ。
また、この金印を造れるだけの、技術、知識(寸法、デザイン、字体、彫り方等)は、当時の学者の中には十分あり、特に、古印を集めるということは、ブームですらあったらしい(偽物も多く出回っていた)。
要するに、この金印は、偽物ではありえないとは、絶対に言えないということだ(つまり、本物であるという絶対的な証拠はない)。
この金印は、本物であるとも、偽物であるとも証明されていない状態なのだ。
今展示されているテン王之印との成分等の科学的比較、製法の比較、字体の比較等が待たれるところだが、それですら、テン王之印の製作年度は、この金印よりも160年も古いもので、確定的な証明ができるかはクエスチョン。これ自体も偽物かもしれないし(段々、何を信用していいかわからなくなるインテリジェンスの世界のようだ)。
”漢委奴國王”の金印がもし偽物だったとしたら、その製作者とその取り巻きは、200年以上たった今も、そして将来も解けないかもしれないミステリーを、この世に残したことになる。
あっぱれ!!
考えてみたら、出土経緯のはっきりしないものは、かなりの確率で偽物(贋作)が混ざっているのかも。数年前、インチキ考古学者も出たし。
明日から、留守にするので、しばらく休みます。
移動中カキコできるか、やってはみるけど。
古代史でも、最も有名な出土品のひとつに、博多の志賀島で見つかった”漢委奴國王”の金印がある。
後漢の時代に日本に送られたという伝説の印が、1600年後の江戸時代になって、偶然堀り出されたというのだから、元々、奇跡的な話(この本によれば、その確率700兆分の1)。ただ、中学か、高校の時に読んだ本で、この金印は、本物であることが証明されたと書いてあったので、そのまま40年近くも、それが頭にインプットされたまま生きて来た。今上野でやっている中国国家博物館名品展で展示されている”テン王之印”は、1956年に発掘されたものだが、この金印と、極めて似ているということで、金印の信憑性も高まったと理解していた。
つまり、この金印の信憑性は、揺るぎのないものと思っていたというわけだ。
ところが、どっこい、この本を読むと、その根拠は、かなり危ういものであることがわかる。
この金印が本物であることを証明した人は、福岡の甘棠館という、当時修猷館と張り合っていた藩校の初代館長である亀井南冥氏が最初であるが(甘棠館はすぐに廃校になっている、修猷館は今でも有名校)、その出土経緯についての言い伝え、亀井氏を取り巻く人間関係、その後の亀井氏の末路を見ると、亀井氏の見立てを100%信じるということは無理のようだ。
また、この金印を造れるだけの、技術、知識(寸法、デザイン、字体、彫り方等)は、当時の学者の中には十分あり、特に、古印を集めるということは、ブームですらあったらしい(偽物も多く出回っていた)。
要するに、この金印は、偽物ではありえないとは、絶対に言えないということだ(つまり、本物であるという絶対的な証拠はない)。
この金印は、本物であるとも、偽物であるとも証明されていない状態なのだ。
今展示されているテン王之印との成分等の科学的比較、製法の比較、字体の比較等が待たれるところだが、それですら、テン王之印の製作年度は、この金印よりも160年も古いもので、確定的な証明ができるかはクエスチョン。これ自体も偽物かもしれないし(段々、何を信用していいかわからなくなるインテリジェンスの世界のようだ)。
”漢委奴國王”の金印がもし偽物だったとしたら、その製作者とその取り巻きは、200年以上たった今も、そして将来も解けないかもしれないミステリーを、この世に残したことになる。
あっぱれ!!
考えてみたら、出土経緯のはっきりしないものは、かなりの確率で偽物(贋作)が混ざっているのかも。数年前、インチキ考古学者も出たし。
明日から、留守にするので、しばらく休みます。
移動中カキコできるか、やってはみるけど。