かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

The Last Emperor

2006年12月27日 | China



今年は、ラストエンペラーこと溥儀生誕100周年だった。ラストエンペラーの映画で、その数奇な生涯が、改めて認識されたが、これほど、鮮やかに、世の流れに翻弄された人も少ないだろう。
清国の皇帝になりながら、辛亥革命で、帝位を追われる。一瞬の帝政復活で、帝位に再度着くがすぐ、12日でまたその位を失う。そして、満州国の傀儡皇帝となり、日本との皇室とも交流を持つが、敗戦し、ソビエトの捕虜。そして、中国の共産党による人間改造により、生まれ変わり?平民として、一生を終えた。
映画では、平民となった溥儀が、観光客と一緒に紫禁城を訪れ、玉座に、清国の皇帝になった幼い頃を懐かしむように、座るシーンがあるが、いいラストシーンだった。でも、現実は、そんなロマンチックなものではなかったろう。

岩波新書より、今年、「溥儀」という本が出た。彼の人生を、主体的に人生を切り開く「波乱万丈」型に対し、時代の激流に翻弄された「数奇な運命」型であるという。毛沢東は、溥儀の性格を、「小心、権力に媚びる、死ぬことを怖がる」と評した。世に伝えられている物語は、本人によるもの(「我が前半生」→実はゴーストライターによるものだったという)も含めて、恣意的なものが多いという。東京裁判での証言も、保身のため、歪められているという。新事実もたくさん盛り込まれている。まだまだ研究の余地が多いのだろう。

人間の本質を考える上で、(極端なケースだが)溥儀の生き様の研究というのは、すごい題材だ。

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