かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

The Dick Cavett Show

2006年12月18日 | The Beatles

アメリカで、結婚直前の黒人の若者を白人の警官達が虐待、殺害したということで、大抗議になっている。残念ながら、アメリカ人の心の底には、人種差別がまだある。普段は、心の中に閉まってあるから、外から見るともう平等になったのだと勘違いしてしまう。

JLとYOKOの1971年のトークショーが、DVD化され発売された。こんな映像が、残っているとは知らなかったし、とっても面白い。訳のわからない前衛芸術の数々、まだ、日本がそんなに知られていなかった当時の、まだあまり情報もなく、ミステリアスな人を思われていたYOKOさんへの、(頓珍漢なものも含む)諸質問。JLとYOKOさんが、一生懸命、真剣に答えている。前衛芸術には、ハエ(FLY)をずっと撮影したり、同じ建物をずっと撮り続けて、そこにYOKOさんの、”ANTA YOTTEKANAI ?"などと、意味深な日本語の”語り”が入ったりする。JLが、日本人の会話の物まねをしたり、日本語では、”RINGO”は”APPLE”なんだとか説明している。とにかく、面白いし、とがっている。それを一緒に見ている観客の反応も面白い。

一番は、"WOMAN IS THE NIGGER OF THE WORLD"(邦題は、”女は世界の奴隷か!”) の演奏だ。日本にいて、情報量も少なかった我々は、”IMAGINE”という世紀の名曲の後に、放送禁止になるような歌をなぜ出すんだと思ったものだが、このトークショーを見ると、コマーシャリズムや、売名ではなく、純粋に”LOVE &PEACE”を訴えていたことがわかる。FBIにより不当に国外退去させられそうになっていた頃だ(今は、FBIの記録が公開され明らかになっているが、当時は、不当に国外退去させられる寸前で、いくら彼らが不当だと訴えても、世間は、冷淡だった。ニクソン共和党政権は、JLを本当に危険人物だと信じていたのだ)。 このショーでは、Dick Cavettが、この歌には、不適切な言葉が含まれているというコメントを流すことによって、特別に放送が許可されたという。そういえば、この番組内で、YOKOさんは、娘のKYOKOさんの捜索願(写真は、モザイク)をしていたが、結局今はどうなったんだろう? 彼らが、アメリカ、NYを愛していたことは、知っていたが、KYOKOさん探しのためにアメリカ滞在が必要であったとは知らなかった。

この”NIGGER”という言葉は、すさまじくネガティブな響きを持っているが、このトークショーから、35年経った今も、まだ、人種差別は根絶されていない。

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