天皇の「お言葉」と安倍首相の演説に共通するフレーズ…「寄り添いながら」

今年10月4日、安倍首相は施政方針演説を行った。その中で沖縄の問題について次のように述べた。

沖縄の基地負担軽減に引き続き取り組みます。普天間飛行場の全面返還に向けて、辺野古への移設を進めます。昨年度の牧港補給地区に続き、今年度末に予定されるキャンプ瑞慶覧の一部返還に向けて準備を進めます。沖縄の皆さんの心に寄り添いながら、一つひとつ、確実に結果を出してまいります。

先日22日、即位正殿の儀での天皇の「お言葉」に次のフレーズがある。

国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。

最近この「寄り添いながら」という言葉を見たり聞いたりする機会が増えたように思うのだがどうだろう。

これを聞くと、「安倍首相も私たちの気持ちを無視することなくくみ取ってくれるのだろう」という印象をもつのではないだろうか。
沖縄県民の心に寄り添うというのだから、当然だろう。しかし当の安倍首相が寄り添ってきたのは県民の中の一部の人たちの心だけだ。

天皇がお言葉で上のように語るのは全く違和感がない。それは政治権限をもっていない天皇の心の発露ということを知っているからだ。

少なくとも政治的な立場を明確にしている人は政治的なことを具体的に話すべきではないだろうか。何か抽象的観念的のフレーズでごまかそうとしているように思えてならない。

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