「井戸」のこと

ある時代小説を読んでいたら、「井戸」のことが出てきた。その物語で、特別の意味をもつ事項ではなかったが、私は非常に懐かしい事柄に出会った気がした。
子どものころ、大学に入って札幌に来るまで、わがやの水は井戸水だったことを思い出したのだ。実際には、2,3年前に水道が引かれていたかも知れないが。

3、40メートル離れたところの井戸から水をくみ上げてウチに運ぶ仕事は女性たちの仕事だった。これが冬は大変だった。井戸の表面が凍ってこれを長い棒で上からつついて穴を開けて綱つきのバケツでくみ上げて運んだ。風呂などを沸かすときには、当然だがこれもつるべでくみ上げて風呂小屋に運ぶ。そんなことを思い出した。
だから、水道が引かれたときのうれしさは大きかったのではないだろうか。

「朝顔につるべとられてもらい水」という俳句にある「もらい水」(よそのウチに水をもらいに行った)の体験はないが、いろいろ文明の歴史の一コマを思い出した話。


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