uhbスーパーニュース担当係様

昨日のuhbスーパーニュースは「不登校」をとりあげた。主役は「不登校支援センター」のカウンセラーだった。わが学園も1秒間くらい映像が流れた。「方向性の違う立場がある」として。このニュースに私たちは親の会役員と協議して、両者連名で同番組に意見を送った。次のとおりである。

                       札幌自由が丘学園スタッフ一同
             フリースクール等で子どもを育てる親の会

 昨日(25日)のスーパーニュース「不登校」(録画版)を私たちの学園スタッフ全員で見ました。ここに私たちの番組への意見を記しますので、今後の番組づくりの参考にしてください。

1.まず私たちは1993年11月から札幌の地で、不登校の子どもたちのために「学校に行かない、行けない」のであればこれに代わる居場所と学びの場を準備するのが大人の責任ではないか、という立場でフリースクールを進めてきたことをご理解ください。学校に戻る生徒もいますし、小中学校はフリースクールで過ごして高校にはきちんと行くことができた生徒もたくさんいます。

2.「不登校なら高校に行けない」趣旨の番組内の説明は現実に不登校の子どもたちへのサポートを20年近く取り組んできた私たちからすれば間違っていると言えます。必要以上にいわゆるランクを考えないのであれば高校進学は十分可能です。

3.そして小中学校時代に「不登校」を体験した子どももその時期暖かい人間関係の場(例えばフリ ースクールなど)で一定期間過ごすことができた子どもは大人になってからはむしろ引きこもりなどにはならないということも知りました。番組で「不登校の子ども」は人生の落後者というような印象を与える説明がありましたが、根本的に間違っています。あの不登校センターのカウンセラーがいうことを一般化することは恐ろしいです。「ムリして登校」という子どもがどれだけ多いか、皆さんは分かっているでしょう。毎年札幌でも学校生活に起因する子どもの自殺があることをどう思うのですか。あのカウンセラーの発言は、ものごとの一面は語っているにしても、これを一般化して「不登校の解決=学校復帰」の理解が正当であるとすれば恐ろしい事態になることを想像できませんか。

4.不登校は、現在の学校が子どもの今の気分・感情・性格・学力の現状をストレートに受けいれることが難しいことが要因です。だから子どもたちのある面での教育と学校への正当な抗議であり告発です。画一的な教育システムではなく多様な子どもに合った多様なシステムを作り出してもらいたい、というアピールです。そう受けとめるのが心ある大人の理解ではないかと思います。不登校という落後者であることからの脱出を、といった受け止め方は前述したように一面的であり子どもを苦しめ親を苦しめることになると思いませんか。
4.私たちはフリースクールに通う生徒たちの声から、あのカウンセラーのような偏った「不登校対応」が子どもたちを苦しめてきたかを知っています。番組内のカウンセラーの尤もらしい言動には大いに違和感をもちます。

5.ただ前述したように、不登校の理解も受け止め方もいろいろあることを私たちは知っています。だから不登校支援センターのような見解もあります。しかし、これが正しい方向だよ、というような内容の報道には反対です。だいたい、不登校は減っていないではありませんか。札幌などでは増えているのです。不登校支援センターと反対の立場の人の取り組みも正当にとりあげるのが報道機関の責任ではないかと思いますがどうでしょうか。

7.札幌市は、長年私たちが取り組んできた「フリースクールへの公的支援を」という要求に応えるシステムを今年度つくりました。これも、上記のようにフリースクールの役割、すなわち不登校児童生徒へのサポートの在り方が多様であって当然ということを明確に物語っている証左です。                                (文責:亀貝一義)

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