53年ぶりの投手出身監督として佐々岡監督が就任して覇権奪回の期待が高まったシーズンでしたが、誤算だらけで52勝56敗12分けの5位に終わってしまいました。
初めに新型コロナウイルスの感染拡大により開幕が約3カ月遅れ、シーズンも120試合に短縮されるも6連戦が続く過密日程の上、開幕から約1か月は無観客開催と例年とは異なる異例のシーズンでした。
チームとしては、開幕直後から新守護神スコットが救援失敗を繰り返し、その後は菊池保、一岡を起用するも決まらず勝ちパターンの継投が固定できなくて躓くと、先発ではローテの軸として期待していたK.ジョンソンが不振に陥り、エース大瀬良は2度のコンディション不良による離脱後、手術を受け今季絶望となり、春季キャンプ中の故障により開幕1軍入りから漏れた野村も、シーズン後半には再び故障して手術と主戦投手が機能しませんでした。
リリーフでは3連覇を支えた中崎、今村、一岡が本来の投球が戻らずシーズン序盤で2軍降格となり、中崎はその後手術を受けることとなりました。
野手では開幕から田中広と菊池涼の打撃状態が上がらず打順を固定できず、8月には西川がコンディション不良により離脱、會澤も打球を顔面に受けるなどコンディション不良により本来の力を発揮できませんでした。
これだけ主力の離脱が相次げば、苦戦するのは仕方なく、佐々岡監督も苦しいシーズンだったと思いますが、一方で来季に繋がる嬉しいことも多くありました。
堂林が開幕から打撃好調をキープすると、途中からは懸案だった三塁のレギュラーとして好不調がありながらもシーズン最後までポジションを守り切りました。投手陣では九里がシーズン終盤から安定感のある投球を続け、規定投球回数をクリアしてローテの軸となり、遠藤も1年間ローテを守り切り、終盤では白星を重ねました。
また新戦力としては新人森下が10勝3敗、防御率1.91で新人王を獲得する活躍でエース級の活躍を見せると、シーズン終盤には中村祐が復活して3勝を挙げて復活し、中継ぎでは塹江がセットアッパーとして奮闘して崩壊した中継ぎ陣を救うと、シーズン終盤にはケムナ、島内が勝ちパターンの継投として奮闘しました。さらにドラフトでは社会人No.1投手の栗林らの即戦力投手を3人獲得するなど弱点を補うことができました。
野手では會澤のコンディション不良もあり坂倉が47試合でスタメンマスクを被るなど2番手捕手として台頭すると、2年目の大盛が1軍に定着して一時は1番として打線を牽引するなど攻守で存在感を見せると、その後も羽月が衝撃の1軍デビューを果たし、宇草、林、正随、桒原と次々に新戦力が1軍初出場を果たして経験を積みました。
今季終盤はカープの目指す守り勝つ野球ができ始めて、10月は月間勝ち越しを決めて来季に繋がる良い終わり方ができたと思います。更に来季は河田コーチがヘッドコーチとして復帰することで機動力野球も復活するはずであり、會澤、田中広、菊池涼、鈴木誠らの主力にブレイクした堂林、今季台頭した大盛や宇草らの若手、新外国人クロンらが上手く融合すると3連覇したときを凌ぐ強力打線になるはずです。
課題の投手陣も今季活躍した森下、塹江、ケムナらに大瀬良、野村らの故障者、今村、一岡らの不調者が復帰し、新戦力の栗林、ネバラスカスらが加われば、強力な投手陣が形成できるはずです。
来季は佐々岡監督も2年目となります。緒方前監督も2年目でリーグ制覇を果たしているので、必ずやリーグ制覇を成し遂げてくれることでしょう。そして悲願の日本一を掴み取ることを願いたいですね。
本年も1年間お付き合いいただきましてありがとうございました。皆様も良いお年をお迎えください。