じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

昭和の宰相

2017-07-12 20:31:46 | Weblog
☆ Youtubeで「昭和宰相列伝」という映像集を見た。貴重な映像で綴る一つの昭和史だ。

☆ 昭和の総理大臣。

 若槻礼次郎 → 田中義一 → 濱口雄幸 → 若槻礼次郎 → 犬養毅 → 齋藤実 → 岡田啓介 → 廣田弘毅 → 林銑十郎 → 近衛文麿 → 平沼騏一郎 → 阿部信行 → 米内光政 → 近衛文麿 → 東條英機 → 小磯國昭 → 鈴木貫太郎

 東久邇宮稔彦 → 幣原喜重郎 → 吉田茂 → 片山哲 → 芦田均 → 吉田茂 → 鳩山一郎 → 石橋湛山 → 岸信介 → 池田勇人 → 佐藤栄作 → 田中角栄 → 三木武夫 → 福田赳夫 → 大平正芳 → 鈴木善幸 → 中曽根康弘 → 竹下登 

☆ 大学受験の時、日本史で覚えたけれど、多いなぁ。

☆ 在職最長は、佐藤栄作で2798日(1964年から1972年までの7年半)、これは長い。ジャイアンツがV9を達成したのが、1965年~1973年だから、ちょうどかぶる。高度経済成長が順調に進み、安定した良い時代だったんだろう。私にとっては小学校から中学校時代。冷戦を背景とした対立はあったけれど、希望が持てる時代だった。

☆ 次が吉田茂。2616日。何といっても日本の独立を回復したのだから立派だ。吉田学校という官僚を中心とした新しい政治家を育てたのも大きな貢献だ。なんせ、党人派と呼ばれる人々は声は大きいが、ちょっと過激だからね。吉田氏が亡くなったときは国葬となり、学校が休校になったんじゃなかったかな。

☆ これに、中曽根1806日、池田勇人1575日と続く。中曽根さんの時代は、アメリカ、レーガン大統領、イギリス、サッチャー首相と保守色の強い人々が世界を仕切っていた。戦後社会の大きな転換期だったのだろう。日本では臨調とか臨教審とか、受益者負担、民営化、規制緩和といった新しい流れが始まった。

☆ 池田さんは病気に侵されなければもっと政権を担えたかもしれないが、オリンピックの成功がいい花道だったともいえる。東京オリンピックは所得倍増、高度成長の象徴だった。私は幼稚園児だったが、母に連れられて聖火が通過するのを見に行ったのを覚えている。一瞬、前を通り過ぎただけだったけれど、大勢の人々が道端から応援していた。幼稚園からバスに乗って、新幹線を見に京都駅にも行った。夢の超特急「ひかり」号。東京ー大阪間が3時間10分というのは、画期的なことだった。

☆ ちなみに、平成で最長は小泉純一郎で1980日。小泉ブームはすごかったなぁ。アンチ自民の私もポスターが欲しくなったぐらいだ。「自民党をぶっつぶす!」、格好良かった。

☆ それに迫るのが安倍晋三。1800日を超えて、あと半年政権がもてば、平成最後にして最長の総理大臣になる。そのあたりが花道かな。


☆ ところで、在職期間が最短なのは、東久邇宮稔彦王の54日。戦後の混乱の収拾にあたるもGHQとうまくいかなかったらしい。次は、羽田孜64日。田中派七奉行の中ではソフトでクリーンな感じがして期待したけれど、少数内閣では仕方がない。第3位は石橋湛山65日。病気は仕方がないか。せっかくつかんだ総理の椅子なのに残念だね。第4位は宇野宗佑69日。退陣は選挙の敗北が理由だったと思うが、女性スキャンダルは痛かったなぁ。大臣時代は明快な答弁で好感がもてたのに、やはり総理の器ではなかったのか。


☆ ところで初めて濱口雄幸首相の肉声を聞いたけれど、亡き俳優、志村喬さんの声に似てると思った。
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「すさまじきもの」

2017-07-12 13:09:19 | Weblog
☆ 清少納言の感性はすばらしい。

☆ 原文は古文なので読みづらいが、現代語訳を見ると、現代にも通じる心の機微が描かれている。


☆ 「すさまじきもの」。現代語ではよく「興ざめするもの」と訳される。

☆ でも「興ざめ」ってあまり使わない言葉なので、「ナニっ?」て感じ。

☆ 辞書的には、興味がさめる、それまで感じていた面白みなどがなくなってしまうことだそうだ。「枕草子」のこの段(23段)では、その場(時期)に似つかわしくない、期待はずれで残念だ、わずらわしい、シラケるとかいう意味だろうか。

☆ 最初は、夜吠えるべきなのに昼に吠える犬とか、冬のものである網代(小魚をとる網の代用品)が春まで残っているとか、2月までの服を3月、4月になっても着てるとか、なんかTPOをはずしているものを「すさまじい」を評している。

☆ 次に、火をおこさない火鉢やいろり。本来の役目を果たさないから「すさまじい」という。

☆ 男の子にしか世襲できない博士(学者兼役人というところか)の家に続けて女の子が生まれたとか、方違えでよその家に行ったのに、ごちそうしてくれなかったとか、田舎からもらった手紙にお土産がついていなかったとか、こうした残念な状況を「すさまじい」と言っている。

☆ 手紙を人に託して返事を楽しみにしていたのに、「渡せませんでした」と言って帰ってきたとき、特にせっかくきれいに書いた手紙が、くしゃくしゃになって返ってきたときは「すさまじい」上に「わびしい」(なさけない)と言っている。これは作者の実体験でしょうね。泣きたくなるような気持ちが伝わってくる。時間をかけて書いたブログが何らかの手違いで消えてしまった時の気分でしょうね。

☆ 続いて、待ち人来たらずの話。好きな人を待つ気持ちはいつの時代も同じようだ。期待が大きければ大きいほど残念な気持ちも大きい。「やっと来た」と思って出迎えたら、全然関係ない人だったとか。よくあること。残念が不安になり、「よその女のところへ行ってるのか」と妄想が膨らみ始めると、あとは嫉妬が怨念にまでなるかも。昔はyoutubeとかなかったからまだよかったか。(今だと何でも暴露されて大変だ)

☆ 修験者の話。神通力の効果がなかった修験者が疲れて寝てしまうのだが、狸寝入りかも知れないね。恥ずかしくて。

☆ ひどくねむいときに無理やり起こされて、聞きたくもない話を聞かされる話。お疲れさまというところだ。

☆ 地方官任命式に官職につけなかった人の話は面白い。本人はもとより周りの人の期待。飲んだり食ったりの、どんちゃん騒ぎ。でも結局官職につけなかった時のシラッとした感じ。官邸から大臣就任の「呼び込み」を待っている代議士に似てるなぁ。モーニングスーツまで用意したのに、呼び出しがなかった情景だね。

☆ 期待して集まった人々が一人二人と帰っていく様子。落選候補の選挙事務所のようだ。来年国司の代わる国を指折り数えているあたり、情景がリアルに伝わってくる。


  
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