じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

森見登美彦「熱帯」

2024-05-28 21:40:42 | Weblog

★ 午前10時ごろ大雨警報が発令され、小中学校では生徒たちが授業を切り上げ帰宅。

★ 小学生の中には、家に家族がいない場合も多く、その場合は学校での待機となる。学校待機の児童は午後5時までに保護者が迎えに来ることになっているが、このあたりの確認等が煩雑で、学校は大忙しのようだ。

★ 私の地域では、想定よりも雨が少なく、まずは一安心。塾も平常通りだ。

★ このシーズンは修学旅行も多く、このことも気をもむ。近隣の中学校では日曜日から今日までが日程で、今日は行事を切り上げての帰宅だったという。

★ うちの近くには2つの小学校があるが、1校は今週末、もう1校は来週末が日程になっている。仕方ないとはいえ、天候が気がかりだ。

★ さて、森見登美彦さんの「熱帯」(文春文庫)を駆け足で読んだ。ある人々たちが断片の記憶しかもっていない「熱帯」という本。彼らが協力してその本を再現しようとする。前半は比較的読みやすいが、中盤以降、幻想的な内容になり、ついていくのが苦痛だった。

★ 森見さんと言えば「夜は短し歩けよ乙女」がとても面白かったんのだが。

★ ともかく「熱帯」から解放されてほっと一息。

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大江健三郎「生きることの習慣」

2024-05-26 16:16:33 | Weblog

★ 定額減税が始まるらしいが、電気代の40%以上(関西電力)も上がるから、結局は相殺かあるいは持ち出しだ。政府与党としては次期総選挙の目玉と位置付けていたようだが、焼け石に水だね。

★ 以前から古物買取(ほとんど押し買い)の電話はたびたびかかってきたが、今日は「総務省」を名乗る不審な電話がかかってきた。「あと数時間であらゆる通信機器が使えなくなるとか」。どう考えても詐欺なので、早々に切断。そもそも奇妙な電話番号からかかってきたから怪しかった。

★ 高齢者を狙った詐欺が頻発しているとかで、先日近隣の交番から注意を喚起する電話があった。しかし、こんな電話も善し悪しだ。今の世の中「警察官」を名乗っても鵜呑みにしてはいけない。詐欺の手口も巧妙になり、まさか自分がという被害も後を絶たないようだ。

★ さて読書は、長編ばかり読んでいるのでなかなか読み終わらない。早くから読んでいる髙村薫「李歐」(講談社文庫)、森見登美彦「熱帯」(文春文庫)は遅々として、堂場瞬一「検証捜査」(集英社文庫)、川村元気「百花」(文春文庫)、垣根涼介「室町無頼」(新潮文庫)の方が先に読み終わりそうだ。

★ 本棚を整理して、大江健三郎さんの「自選短篇」(岩波文庫)から「生きることの習慣ーあとがきとして」を読んだ。短篇集の「あとがき」なので小説ではない。それでいて、大江さんが小説を書き始めた経緯や彼ら挑んだ「時代の精神」を垣間見ることができた。

★ 大江さんの「時代の精神」は「不戦と民主主義の憲法に基づく、『戦後の精神』」という。

★ 彼は戦時中に少年期を過ごした。10歳の時に戦争が終わり、12歳の時に「日本国憲法」が施行されたという。戦後の混乱期、とはいえ、それは「生き生きとした感覚」があったという。

★ 司馬遼太郎さんが「坂の上の雲」で語った初期の「明治」のような楽観主義があったのかも知れない。

★ 戦後80年を目前に、この国にはどんよりとした閉塞感がある。ある意味、物質的な豊かさに慣れてしまって、一定の欲望の充足感とそれでも満たされない欲求不満とがないまぜになっているのかも知れない。

★ ただ日々接する子どもたちのあり余るエネルギー、抱腹絶倒する姿に、この先も何とかなるんじゃないかなとぼんやりとした安心感を覚える。

★ 蛇足ながら、「チュピチュピ チャパチャパ」「ブリン バンバン」に続き「カンカンダンス」が面白い。TikTokの伝播力は凄いね。それを受け入れる若者の感性も凄い。

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安東能明「内通者」

2024-05-19 20:20:27 | Weblog

★ 今日は天気が悪かったので、家で映画を観る。「エンド・オブ・キングダム」と「エンド・オブ・ステイツ」。どちらも不死身(?)のシークレット・サービスがテロ集団相手に活躍するヒーローもの。

★ 「エンド・オブ・キングダム」の方が面白かった。イギリスの首相が就寝中に急死。その国葬にアメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本など主要国の首脳が参列する。その時、インフラや警察を乗っ取ったテロ集団(ほぼ軍隊組織)が首脳たちを襲撃する。アメリカ大統領を除く首脳はこぞって死亡。ロンドンの街はあちこちが爆破される。

★ テロの原因は、かつてアメリカが行った作戦で身内を殺害された武器商人の復讐。

★ アメリカの大統領だけが助かるというのは、アメリカ映画だからか。しかも、この大統領は勇敢で、シークレット・サービスと共に武器を持って戦う。

★ お決まりの筋だが、カーチェイスや爆破シーンなど迫力があった。

★ 読書は短い作品。安東能明さんの「撃てない警官」(新潮文庫)から「内通者」を読んだ。

★ ノンキャリアの警察官僚がキャリア官僚にわいろを贈り、人事に手心を加えてもらおうとする話。その賄賂の原資がどうやら裏金らしいということで、ある警察官が追及していくという話。

★ 昨今は政治家の裏金が話題だが、官僚の世界でも横行しているのだろうか。歪んでいるなぁ。

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吉村昭「尾行」

2024-05-15 15:25:11 | Weblog

★ 近隣の中学校では1学期の中間テストがない。塾としては対策講座を開かなくてよいので助かるが、しわ寄せが期末テストにきて、やたらテスト範囲が広くなって困る。

★ それはそうと教員不足が深刻だ。地元の学校での何とか数合わせをしているが、不足分は常勤講師に頼っている。採用1年目で中学2年生を担任する場合もある。

★ 常勤講師は新学期早々生徒からの反発にあい、「授業が分からない」と騒ぐ生徒で学級崩壊寸前のようだ。新任の教員は何とか頑張っているようだが、こちらも「だんだん授業がわからなくなってきた」というのが生徒の談。管理職が手薄なのも心細い。

★ 教育ニーズが多様化、個々への対応が煩雑になるなかで、教員の仕事はますます過酷になっている。教員の権威が低下し、父母や生徒からの直接的な(時には理不尽な)批判にさらされるのも気の毒だ。

★ 理想と現実のギャップを知り離職したり、心を病む教員も後を絶たない。「やめられるものならやめたいが、今さら他の仕事で今の収入は得られないし」という中堅教員の声を聞いたことがある。大変だね。

★ 数合わせも大事だが、果たして教員の質、教育の質が保たれているのか心配だ。

★ さて長編ばかり読んでいるので、たまに短篇。吉村昭さんの「遠い幻影」(文春文庫)から「尾行」を読んだ。大学卒業を前にして興信所のアルバイトである主婦の浮気調査をする男の話。

★ いわゆる「探偵」の仕事はほとんどがムダな時間で、随分と忍耐力がいる仕事だなと思った。そんな興信所に依頼が絶えないというから、どんなものか。

★ ともかく、主人公と共に対象を尾行している気分を味わった。

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村上龍「半島を出よ」上巻

2024-05-11 21:17:30 | Weblog

★ 韓国映画「8番目の男」(2019年)を観た。有名なアメリカ映画「12人の怒れる男」を現代の韓国に翻案したものだ。日本で裁判員裁判が始まったのは2009年だったか。韓国でも2008年から「国民参与裁判」が導入されている。

★ 設定は、国民参与裁判第1号となる事件。本人の自白がある上、犯行の目撃者もいる。もはや有罪は確定で、刑期だけが陪審員に委ねられるはずであった。ところが第8番目の男(「12人の怒れる男」でも8番目の男。韓国では陪審員自体が8人で構成されている)が、疑問を提示し、判決は意外な方向に。

★ 映画としては、密室での陪審員にやりとりに焦点を当てた「12人の怒れる男」の方が面白かった。しかし、これは司法制度の違いによるものか。「8番目の男」では裁判官や司法制度自体に的が当てられていた。

★ さて読書の方は、村上龍さんの「半島を出よ」上巻(幻冬舎文庫)を読み終えた。

★ 近未来、財政破綻した日本が舞台。北朝鮮の反乱軍と名乗る一団が福岡ドームを占拠。続いてやってきた部隊が福岡を支配下に置いた。東京への「進軍」を恐れた政府は九州封鎖の決定をする。

★ 実にリアルだ。リアルがゆえ(詳細ゆえ)に読みにくさもある。同時に起こっている出来事を作品として仕上げるのは難しかろう。

★ こんな近未来が来ないように政府は事前に手を打ってほしいものだが、今の政治、官僚機構では無理か。下巻に続く。

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万城目学「鹿男あをによし」

2024-05-08 16:20:10 | Weblog

★ ゴールデンウィークが終わって、日常が戻ってきた。休み中に部屋の片づけをしようと思ったが、結局できなかった。

★ さて今日は、万城目学さんの「鹿男あをによし」(幻冬舎文庫)を読み終えた。関東の大学の研究室で働く主人公(28歳)は最近周りから「神経衰弱」と呼ばれている。教授からは奈良の高校の教師をやらないかと誘われ、体よく研究室を追い出される。

★ 期限付きとはいいながら、初めての教壇。それも女子高ときている。生徒たちとの接し方に悩みつつ、更に重大局面にぶち当たる。ある日、鹿から話しかけられたのだ。人間の言葉で。折しも日本は自然災害が頻発し、それを鎮めるキーマンとして主人公が選ばれたという。まったく晴天の霹靂。最初は神経衰弱の為せる業と思えたのだが・・・。

★ 前半は漱石の「坊ちゃん」を思わせる。読むにしたがってファンタジー。万城目ワールドに引き込まれていく。

★ テレビドラマ(2008年)では主人公を玉木宏さん。謎のカギを握る女子高生役を多部未華子さんが演じていた。

★ 私は大学が京都教育大学で、大学院が奈良教育大学だったので、近鉄奈良や若草山の風景、伏見稲荷の風景などがリアルに感じられた。奈良教育大学ではキャンパス内を普通に鹿が歩いている。あまり見慣れていると気にもならなくなり、近所のノラ猫同様の扱いになる(笑)。

★ 「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」とくれば、次は「プリンセストヨトミ」だね。そのあとは「偉大なる、しゅららぼん」か。これで、京都、奈良、大阪、滋賀を制覇だ。

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垣根亮介「室町無頼」

2024-05-05 15:26:31 | Weblog

★ 好天が続く。外は人出が多いので、家にこもって読書三昧。

★ 垣根亮介さんの「室町無頼 上巻」(新潮文庫)を読んだ。時代は乱世に向かいつつある。出生に恵まれなかった一人の少年が棒を1本担いで身を立てる。まずは棒振りの行商。次いで棒術の腕を買われて用心棒となる。

★ ある仕事の最中、盗人たちの襲撃され、当時京を仕切っていた豪傑と出会う。当時の今日は武家、公家がそれぞれ形ばかりの権勢を振りかざしていたが、もはや民を治める実力はなく、無頼の徒に治安を守られせていた。

★ 京を東西に仕切る二人の豪傑に見込まれ少年は成長していく。彼は棒術を極めるため、ある師匠の下で命懸けの修業をすることになる。上巻はここまで。

★ 修行の風景は、中島敦の「名人伝」や映画「ベスト・キッド」の修行風景を見るようだ。さて、下巻を読み進めよう。

☆ 現在読書中の本。村上龍「半島を出よ」(幻冬舎文庫)、髙村薫「李歐」(講談社文庫)、万城目学「鹿男あをによし」(幻冬舎文庫)、森見登美彦「熱帯」(文春文庫)、北杜夫「夜と霧の隅で」(新潮文庫)、川村元気「百花」(文春文庫)、堂場瞬一「検証捜査」(集英社文庫)、宮部みゆき(荒神」(新潮文庫)、角田光代「方舟を燃やす」(新潮社)

☆ 角田さんの本は話題作で、興味深い。

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映画「金環蝕」

2024-05-04 17:07:02 | Weblog

★ 塾生に勧められて「ツムツム」を始める。時間の無駄遣い以外の何物でもないが、ハマってしまう。老眼の視力は益々衰えるし、肩も凝る。その上、ミッションが達成できずに血圧は上がりそう。塾生の中には1億点を超える人もいる。ゲームに使う時間を勉強に使えばよいものを・・・。

★ とはいえ、私もゲームに使う時間を読書に使えばよいのだが・・・。

★ 映画「金環蝕」(1975年)を観た。大型ダム工事をめぐる政財官の癒着。それに付け込む闇のフィクサーと業界紙。アンタッチャブルの領域に踏み込んだ不都合な下っ端は次々と消されていく。

★ 原作は石川達三さん。時代は昭和39年当時の政界がモデル。池田内閣とその後継の佐藤内閣の時代がリアルに描かれている。大平さんの役を演じた役者さんのセリフには笑った。

★ 「カネは政治の潤滑油」というセリフ。映画の時代から60年ぐらい経過するが、「あの政党」のカネをめぐるふしだらさは変わらない。ロッキードあり、リクルートあり、そして裏金あり。本当に懲りない人々だ。政治家の懐を行き来するカネの元手は税金だ思うと納税意識が削がれる。

★ 池田派の流れを継いでいるのが、今の岸田派だね。

★ 映画「十二人の怒れる男」(1954年)も観た。スラムで暮らす少年が父親を刺殺したのではという事件。その裁判をめぐる陪審員たちの議論の様子が描かれていた。

★ 舞台はほぼ審議室だけ。十二人の陪審員のセルフとカメラワークで飽きさせずに見せる。

★ 今の時代から見れば、陪審員が全員男性で全員が白人というのが変な感じだ。

★ そんなこんなのゴールデンウィーク。

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