じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

銀行が破綻する日

2019-04-30 21:00:22 | Weblog
★ 地方銀行の60%が10年後には本業で赤字転落するというショッキングな数字が日銀から出てきた。主な原因は人口の減少だという。

★ 10年というのはそれほど遠い将来ではない。銀行間の統合が進むのであろうが、中には破綻するところがあるかも。一つの金融機関について1000万円までの預金とその利息は補償されるというが、連鎖倒産なども危惧される。また経営が厳しくなると、融資の打ち切りや回収が厳しくなるのではなかろうか。銀行だけの問題ではなく、企業への影響、更には社会不安にまで発展するかも知れない。

★ タイミングを間違えれば、取りつけ騒ぎにも発展しかねない。

★ 教育の分野でも人口減少は大学の経営を圧迫し破綻直前の法人も多そうだ。小売店もここ数年で多くが撤退したり、業態の変更を余儀なくされている。

★ 今日は改元ムード一色だが、2020年代は波乱の日々になりそうだ。
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田口ランディ「コンセント」

2019-04-30 19:40:40 | Weblog
★ 田口ランディさんの「コンセント」(幻冬舎文庫)を読んだ。

★ 兄が餓死した。その腐敗臭を嗅いでから「私」は死臭を感じるようになった。臭いだけではない。亡くなった兄の姿もはっきりと見えるようになってきた。

★ 「コンセント」とは何か。これを探求していくうちに「私」は自分の中のある能力に目覚めた。「コンセント」を差すことによって、宇宙に充満するエネルギーと一体化すること。生命エネルギーを吸収すること。


★ ユングは意識の深層に無意識、更には集合意識を説明した。大乗仏教では唯識が説かれ、五感(五識)、六識(意識)の上層に末那識、阿頼耶識を構想する。

★ 境智冥合といった概念は、主観と客観が一体化した状態、つまりコンセントがつながった状態を指すのだろう。

★ 修業によって、ドラッグに頼らずに三昧の境地に入り込めるという。好奇心のそそられる話だが、果たして現実世界に戻ってこらっるのか、再び自己同一性が保たれるのか、恐ろしくもある。


★ 作品を読んで「生」と「性」についても考えさせられた。おまけに映画「コンセント」(2002年)も観た。市川実和子さんの豊かなボディが魅力的だった。  
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藤野千夜「夏の約束」

2019-04-30 10:22:32 | Weblog
★ 藤野千夜さんの「夏の約束」(講談社文庫)を読んだ。

★ LGBTという言葉が使われるようになったのは最近のことのように思う。それ以前も同性愛者や性的少数者を表現する言葉はあったが、蔑視したり、気味悪がったり、面白がったりする感情が込められていた。

★ この作品には何人もLGBTが登場する。最初はその異文化に馴染めなかったが、作品の後半あたりから面白くなってきた。

★ 「違うのは違うと言えばよい。ただ、違っても別にいいんだ」このセリフは核心をついていると思う。

★ マルチーズの「アポロン」が登場するが、犬の方が偏見がない。自分に愛情を注いでくれる人を愛するのみ。

★ ところで題名の「夏の約束」とは彼ら・彼女らがキャンプに行く計画のこと。なかなか実現しないキャンプ、登場人物たちの不安定な状態を暗示しているのかも知れない。そして、来年こそは、実現しそうな雰囲気を残して作品は終わっている。

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映画「フライボーイズ」

2019-04-29 22:53:58 | Weblog
★ 映画「フライボーイズ」(2006年)を観た。

★ ライト兄弟がエンジン付きの飛行機で初飛行してからわずか20年、第一次世界大戦で飛行機は主要な戦力になっていた。とはいってもまだプロペラ機の時代、飛行性能はパイロットの腕次第だった。

★ アメリカは参戦を躊躇していたが、フランスの航空隊に外国人部隊として志願したアメリカ人たちがいた。この映画はその史実に基づきつくられている。といっても必ずしも史実通りではなく、演出を加え、娯楽作品に仕上がっている。

★ 見ものは空中戦だ。どこまでが実写でどこからがCGなのか、私のような素人にはわからない。とにかくクラシックプレインが入り乱れて息詰まる空中戦を展開している。

★ 「レッドバロン」がドイツ側から見た作品なら、こちらは連合国側から見た作品だ。腕の良い勇気ある若者が殺しあって死んでいくのはなんとももったいない話だが、そもそも戦争とはそんなものだ。

★ 作品では政治的な話には立ち入らず、兵士の友情、パイロットの腕比べ、それにお決まりの恋愛をちょっと入れて味付けをしている。

★ あれこれ考えず、空中戦を楽しむには良い映画だと思う。
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外国のドラマ

2019-04-28 01:55:28 | Weblog
★ 連日「NCIS~ネイビー犯罪捜査班」を楽しんでいる。今シーズン2の途中まで見た。この機会に過去に見た外国のドラマ(主にアメリカ発)をまとめる。

★ 私が小学生から中学生時代によく見ていたのは、「奥様は魔女」(1964年ー1972年)、「かわいい魔女ジニー」(1965年ー1970年)、「宇宙大作戦」(1966年ー1969年)、「スパイ大作戦」(1966年ー1973年)、「鬼警部アイアンサイド」(1967年ー1975年)、「刑事コロンボ」(1968年ー2003年)

★ 「かわいい魔女ジニー」は、ジニーのセクシーな衣装が素敵だった。「宇宙大作戦」にははまった。人間的な(感情的な)カーク船長、理論的なミスターースポック、それにドクターなどが絡んで面白かった。通信機はとても便利そうだったが、今では「ケイタイ」を超えて「スマートフォン」として具現化している。転送装置やレプリケーターはまだ実現していないが、「スタートレック エンタープライズ」の中で船長が使っていた読書装置などは「タブレット」として実現している。「新スタートレック」や「ボイジャー」のシリーズも面白かった。「スパイ大作戦」はあの名セリフでミッションが与えられる。「鬼警部アイアンサイド」はまさに「ボーンコレクター」だ。「刑事コロンボ」はコロンボと共に推理を楽しめた。

★ 1970年代に入ると、「謎の円盤UFO」(1970年ー1971年)、「刑事コジャック」(1973年ー1978年)、「バイオミック・ジェニー」(1976年ー1978年)、「チャーリーズ・エンジェル」(1976年ー1981年)が印象に残っている。

★ 「謎の円盤UFO」はとにかくファッションが奇抜だった。ユニフォームやメイクが未来的だった。「シャドー」のような国際的な秘密組織は本当にあるのかも。「刑事コジャック」は「鬼警部アイアンサイド」の後番組だったような。コジャックの個性と吹き替えの声(森山周一郎さん)がぴったりだった。「バイオミック・ジェニー」「チャーリーズエンジェル」は女性が活躍する作品だった。ファラ・フォーセットの髪型が印象に残っている。

★ 1980年代はあまり思い出に残る作品はない。「マイアミバイス」(1984年ー1989年)、「L.A.ロー 七人の弁護士」(1986年ー1994年)ぐらいかな。1990年代になると、まずは「ツインピークス」(1990年ー1991年)、「Xファイル」(1993年ー2002年)、「ER」(1994年ー2009年)、「ホミサイド」(1993年ー2000年)、「ネイビーファイル」(1995年ー2005年)そして、「ホワイトハウス」(1999年ー2006年)

★ 「ツインピークス」はいったんハマると止まらなくなった。謎の多いドラマだった。「Xファイル」は超常現象が描かれていた。さすがにシーズンを重ねると飽きてきたが。「ER]は面白かった。私の中ではグリーン先生の死と共に終わってしまったけれど。カーター先生は立派になってよかった。「ホミサイド」は男臭い刑事モノだった。「ネイビーファイル」は美男美女の競演。「ホワイトハウス」は、マーティン・シーンが演じる大統領が心に残っている。彼が他の作品に出ても大統領に思えてしまう。

★ 2000年代に入ると、まずは「24 twenty-four」(2001年ー2010年)だ。JBと言えば、ジェームズ・ボンド、ジェイソン・ボーンと並んでジャック・バウワーだ。途中でやめられないて寝不足になったものだ。

★ 「コールドケース」(2003年ー2010年)は迷宮入りの事件を再捜査して真相を解明するというもの。好きな作品だが、再放送が少なくなかなか見られない。「DR.ハウス」(2004年ー2012年)は個性的な診断医の話。医学の勉強になった。「NCIS」も2003年の放映開始だから長寿番組だ。「クリミナルマインド」(2005年ー )も面白い。今もシリーズを重ねている。「BONES」(2005年ー2017年)は最初の方のシーズンをよく見た。「メンタリスト」(2008年ー2015年)は、パトリック・ジェーンを中心に個性豊かな刑事たちが活躍した。「ハワイ FIVE-o」は2010年からリメイクされている。おなじみのテーマソングだ。

★ アメリカドラマ以外では「チャングムの誓い」(2003年ー2004年)にはまった。宮廷内の陰謀、その中で力強く成長していくチャングムに感動したものだ。

★ こうして振り返ると、いろいろ見てきたなぁ。
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芥川龍之介「戯作三昧」

2019-04-27 18:17:36 | Weblog
★ 芥川龍之介「戯作三昧・一塊の土」(新潮文庫)から「戯作三昧」を読んだ。

★ 滝沢馬琴を主人公に、舞台を天保年間の江戸にしているが、馬琴には芥川自身が投影されており、彼の小説論、芸術論としても読める。

★ 江戸の風呂屋から物語が始まる。馬琴は自らの作品を批判する声を聞き、迷いが生じる。執筆中の「八犬伝」を読み直し、悶々としていたところに出かけていた孫が帰ってきて、子どもならではの天真爛漫で、観音様のお告げ(勉強しろ。癇癪を起すな。そうしてもっと辛抱しろ)を語る。それを聞いた馬琴、迷いが晴れたのか、「八犬伝」と討ち死にする覚悟で、創作三昧の境地に入った。

★ お上による検閲を批判する箇所も見られる。

★ 「何等の映像をも与えない叙景」「何等感激をも含まない詠嘆」「何等の理路を辿らない論弁」、そうしたものが稚拙な文章として挙げられている。
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神西清「少年」

2019-04-27 09:03:08 | Weblog
★ ある問題集に神西清「少年」の一節が載せられていたので、青空文庫で全文を読んだ。

★ 少年は父の赴任に伴い当時日本領だった台湾に渡る。そこでの生活が書かれていた。問題文で採用されていたのは祖母が亡くなるところ。本文のちょうど真ん中あたり。「死」の現実、「死」をめぐる大人たちの様子が少年の目を通して書かれていた。

★ 祖母が亡くなる日、縁側に手を突き遠吠えをする黒犬が印象的だった。

★ 少年の複雑な思いがよく伝わってくる作品だった。
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三浦哲郎「鳥寄せ」

2019-04-27 07:44:18 | Weblog
★ 三浦哲郎さんの「木馬の騎手」(新潮文庫)から「鳥寄せ」を読んだ。本が絶版なのか手に入らないのでKindleで購入した。

★ この作品、かつて共通一次テストに出題され、受験者の中には感動して涙した人もいたという。

★ 「鳥寄せ」とは鳥を寄せる笛のこと。私が想像するにパンフルートのような感じだろうか。舞台は田舎の寂れた農村。12歳の子どもの語りで話が進む。

★ 祖父と両親、それに弟の5人家族。貧しいながらも普通の農家だったが、何があったのか(そこは具体的には語られていない)、悲劇がこの家族を襲う。

★ まず飼育していた3匹の豚が売りに出された。次に牛も売られた。経済的な困窮が感じられる。父親は他の村人と共に町に働きに行くが、慣れない仕事でへまを繰り返し、途中で村に帰ったという。しかし村には帰ってこなかった。後に村の近くの裏山で遺体が見つかる。カバンの中には家族への土産が。家まで目と鼻の先まで来て、どうして父親は命を絶たねばならなかったのだろうか。

★ 母親は身重だったが死産する。その頃から母は精神的に不安定になり、鳥寄せの笛を吹いては夫が帰ってきたとニコニコしている。その母親もある日家を出て深い森に入り行方不明となる。祖父は口をきかなくなる。「炉端の石地蔵」と表現されている。

★ 今では「おら」が鳥寄せの笛を吹いている。「おらは、母ちゃんのように気が触れているわけではありゃせん。こんなことをしても無駄だとわかっているのですが、日が落ちると、とてもこんな鳥寄せの笛でもならさないではいられないのです」と語る。

★ 鳥寄せの笛の音が心に沁みる。
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石川啄木「ココアのひと匙」

2019-04-23 20:28:00 | Weblog
★ ある現代文の問題集で、俵万智さんの「あこがれ、石川啄木詩集」が取り上げられていた。

★ 問題文は俵万智さんが石川啄木の「呼子と口笛」から「ココアのひと匙」と「書斎の午後」を取り上げている部分。

★ 「ココアのひと匙」は「テロリストのかなしき心」を冷めたココアのうすにがい舌触りと表現している。表面的にはテロリストに同情的に読める。具体的に誰をさすのかは、「大逆事件説」「安重根説」があるという。

★ 評論文では内容はともかくその文学的な面白さを評している。

★ 「われはこの国の女を好まず」からはじまる「書斎の午後」は「この国の女」を舶来の本に浸みてゆかない葡萄酒にたとえている。ここでいう啄木の「かなしみ」とは何だったのだろうか。

★ 「ココアのひと匙」にせよ「書斎の午後」にせよ、啄木は何かを悲しんでいる。
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江國香織「犬小屋」

2019-04-22 20:24:46 | Weblog
★ 江國香織さんの「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」(集英社文庫)から「犬小屋」を読んだ。

★ 仲の良い夫婦。夫は妻の言うことを何でも聞いていた。しかしそんな生活も数年続くと、どうも冷え冷えしてくる。夫は犬を飼いたいと言い出した。そして犬小屋をつくり出した。

★ やがて小屋は完成するが、夫はその小屋で寝るようになってしまった。

★ 「犬小屋」と言えば、向田邦子さんの作品(「思い出のトランプ」新潮文庫所収)を思い出す。

★ 男というのは狭い空間に逃避する習性があるようだ。子宮回帰ということか。どちらの作品でも、大きな男の身体が犬小屋におさまるはずもなく、小屋から突き出た足が印象的だ。
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