★ 指揮者を取り巻く人間模様は、しばしば映画やドラマで取り上げられる。
★ 篠田節子さんの「秋の花火」(文春文庫)から表題作を読んだ。著名な指揮者。彼が指揮棒を振ると演奏家一人一人の個性が光り、それが合わさりあって美しいハーモニーを奏でる。彼は天才的な指揮者であり、音楽の神は彼に微笑んだに違いない。
★ しかし、そんな彼も指揮台をおりると、酒癖、女癖の悪さが周囲の者を困らせた。指揮台のキリっとした姿とは全く対照的なだらしなさ。そんな彼が病に倒れた。
★ 彼は家族を離れ愛人と暮らしていた。その愛人に先立たれた後は酒浸りの日々。当然のように病が襲ったのだ。
★ 病んだと言って今さら彼の妻子は30年の空白を埋められない。本宅の傍で彼は一人暮らすことになった。そして、彼の教え子たちが母屋の顔色をうかがいながら彼の世話をしていた。しかし、老いてなお、彼の女癖は直らなかった。
★ 本作は老いた指揮者と彼の教え子の物語であると同時に、教え子として同じ時間を過ごし、今や壮年期に入った男女の心の揺れを描いている。
★ とにかく、篠田さんの文章に酔う。
まさやさまのネクストシーズンが早くも始まってしまいましたね!(うちの家族も年度末で燃え尽き症候群になってます・・)
篠田節子さん、『失われた岬』を読んでその運筆の巧みなことにびっくりいたしましたが、それはミステリーで男女のキビとかに重点が置かれた作品ではなかったので、今度こっち方面も読んでみたいです🐻💛
この1年は本当に「あっ」という間でした。
バタバタとした年度末を何とか乗り切り、新年度も一層頑張りたいと思っています。
篠田節子さんの「失われた岬」も読んでみようと思います。
気候不順の折から、お体を大切に。