じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

江國香織「影」

2024-08-16 14:52:58 | Weblog

★ 夏期講座第4週目が終わる。あと1週間。あっという間の夏休み。今年はいろんな意味で一つの節目になりそうだ。

★ 連日の猛暑。今年は暑すぎるのか、例年の蝉しぐれも聞こえない。地球全体が転換期にあるのか。夏が終わるとアメリカは大統領選が過熱。日本もリーダーが変わるが、どう転んでも刷新感がない。どこかの国のルーレットで決めても大差ないかも。

★ そんな愚痴はさておき、今日は江國香織さんの「すいかの匂い」(新潮文庫)から「影」を読んだ。装丁や題名からもわかるように、夏の日常生活にそっと潜むちょっとしたホラー短篇集。

★ 「影」の舞台はある喫茶店。主人公の女性は小学校の同級生「M」とアイスコーヒーを飲んでいる。同級生とはいえ、そんな親しい間柄ではない。何年かに一度電話がかかってくる程度。ただそのタイミングが絶妙だ。

★ 今日、女性は「離婚をした」と「M」に話し、「M」はそっけなくそれを受け止める。

★ 話は現在と過去を何度か行き来する。女性が困ったとき、どうしたわけが「M」がそっと現れ、窮地を救ってくれる。タイトルの「影」はそんなことに由来するのであろうが、「M」の正体は結局明かされない。

★ 女性に内在するもう一つの人格かも知れないし、あるいは本当にこんなにタイミング良い守護神がいるのかも知れない。

★ 普段私たちは気づかないが、身近に「影」は存在するのかも知れない。

★ 関東地方は台風で大荒れの様子だが、京都では今夜、五山の送り火だ。お盆に帰ってきたご先祖の精霊が再び冥府に帰る行事だという。ご先祖の精霊と言っても目に見える実体はないが、来年、また元気に働いている姿を見てもらえたら良いなぁと思った。

コメント    この記事についてブログを書く
« 取材商法 | トップ | ドラマ「バビロン・ベルリン」 »

コメントを投稿