じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

フェア&シェア

2018-02-28 09:32:26 | Weblog
☆ 京都新聞・文化のページ、「脱・成長主義!」と題した、佐伯啓思さん(経済学者)と釈撤宗さん(僧侶・宗教学者)の対談を読んだ。

☆ 仏教ブームと言われるけれど、宗教を消費財のように考える危うさ、宗教には「毒」があり修行には道筋がある、それは民主主義というシステムも同じ、資本主義は貧富の差で成り立っている殺生なシステム、対処する方法はフェア(公正)&シェア(分かち合い)である。

☆ 示唆に富んでいる。対談はまだ続きそうなので楽しみに待ちたい。


☆ 蛇足ながら、佐伯啓思さんのお父様は佐伯正一さんだと知った。どこかで聞いた名前だと思ったが、私の母校・京都教育大学の先生だった。私が入学した頃はもう退官され、教育方法学は加藤義和先生が引き継がれていたが、昔の研究棟を思い出しながら、何となく懐かしく感じた。


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「コンテイジョン」

2018-02-28 02:05:45 | Weblog
☆ 映画「コンテイジョン」(2011年)を観た。

☆ コンテイジョンとは「感染」という意味。未知のウィルスの感染が爆発的に広がる。マット・デイモン、ケイト・ウィンスレットなど著名俳優が配されているが、結構地味な映画に仕上がっている。

☆ 「アンドロメダの病原体」のようなドキドキ感はないし、「アウトブレイク」のような空中戦もない。「感染列島」に近いだろうか。

☆ 地味であるだけ、リアルでもあった。パンデミックによって利潤を得る人々がいる。裏に政財の癒着も垣間見える。

☆ ウィルスそのものも恐ろしいが、病気に対する恐怖心がパニックを起こし、暴徒と化す人々も恐ろしい。
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「巫女の視点」

2018-02-27 05:13:40 | Weblog
☆ 深夜の読書、難解な文章は眠りを誘うか脳活になるかいずれかだ。

☆ 大澤真幸「巫女の視点」(「ちくま評論選」所収)を読んだ。

☆ 柳田国男の「遠野物語拾遺」から、馬頭観音の話を引いている。登場するのは、馬頭観音、馬頭観音を(不敬にも)蹴ったりソリにしたりして遊んでいる子どもたち、それを叱る別当、そして巫女である。

☆ 別当が子どもたちを叱ったのはもっともなことだと思うのだが、その夜から別当が病に倒れる。巫女に病の訳を尋ねたところが、馬頭観音は子どもたちと楽しく遊んでいたのにそれを邪魔されたので気に障ったのだという。

☆ 大澤氏はこの説話に「原初の社会学」を見る。巫女の視点に社会学の視点を見ているようだ。

☆ 論は、「見ること」と「見ないこと」、「身体の水準」と「言語の水準」、そしてマルクスの「人はそのことを意識しない、だが、それをおこなうのである」という言葉に至る。

☆ 正直言って、深夜の頭には難解すぎる。午前中に再読したいと思うが、社会学がどういうスタンスで臨むべきかが書かれているように感じた。「遠野物語」も読むことにした。
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マルケス「最近のある日」

2018-02-26 00:00:26 | Weblog
☆ G・ガルシア=マルケス「最近のある日」(桑名一博訳)を読んだ。

☆ 歯痛に苦しみながらも歯科医を敬遠する村長。意を決して歯科医を訪れる。歯科医の方もどうやらもぐりの医者で、村長とは何か因縁がありそうだ。

☆ 拳銃をしのばせるほど緊張関係にある二人だが、治療の段となると、村長はおとなしく口を開け、歯科医はその職に徹する。

☆ 麻酔なしで親知らずを抜かれるところは想像して余りある。そんな苦痛も、ここ数日の激痛に比べれば、とるにたらないものか。抜かれた歯は、苦痛のタネであったことなど全く知らん顔のようだ。

☆ その歯はまるで、村長と歯科医の確執のようだと思った。
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「予定説」に思う

2018-02-25 23:16:30 | Weblog
☆ 禁欲を旨とするプロテスタント、とりわけカルヴァン派の人々が資本主義の動因となったとするマックス・ウェーバーの学説は興味深い。

☆ 中でも興味を引かれるのはカルヴァン派の予定説だ。神による救済はあらかじめ決まっていて、人が善行を積もうが、何ら努力しようがそんなことは神にとってみれば全く知ったことじゃない。神の御心のままにある者は救われ、ある者は地獄に堕ちる。

☆ 神の裁きは人間ごときには全く知る由もない。ただ神が各人に与えた職業(天職)に励み、富を得ることによって、人は自らの救済を確信するという。善行(因)があって、救済(果)があるのではなく、救済を確信するために勤勉と倹約に励むという。

☆ 実に都合の良い解釈だと思うし、私のような無神論者にとってみれば神の救済など全くどうでもよいことだが、当時の敬虔な信者にとっては説得力のある教えだったのだろう。

☆ まだ資本家や労働者階級が形成されず、自営業中心の時代であったことも背景にあるのかも知れない。

☆ のちに資本主義が発展し、マルクスによって剰余価値が解明され搾取が暴露されるようになると、「神」が実は「資本」であるようにも思えるのだが、これは今だから言えることか。

☆ いずれにせよ、社会の発展(変化)とともに、人間の精神も変化するというのは面白いことだと思った。
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「奇妙な発酵」

2018-02-25 22:38:50 | Weblog
☆ 小泉武夫氏の「『発酵』から読める二つの美しさ」(青土社「現代思想」2017年3月臨時増刊号「知のトップランナー50人の美しいセオリー」」所収)を読む。

☆ 小泉氏と言えば発酵学の権威だが、この文章では「二つの奇妙な発酵」のことが紹介されていた。

☆ 一つは人間の小便を材料に黒色火薬をつくる発酵。もう一つは、猛毒のフグの卵巣を解毒するというものである。

☆ 今でこそ元素記号を使ってそのメカニズムを説明できるが、昔の人はどこからこのアイデアを掘り起こし、実行に移したのだろうか。小泉氏は「神懸かり的発想」と評価する。

☆ 黒色火薬の生産と言い、フグの卵巣の解毒と言い、長期の時間と工夫を要する。

☆ 小便であろうが猛毒であろうが自らの生存の糧とする微生物の「生命の摂理」、それを利用しようとする人間の「探究心や執念、意地」そして「ものにしていまった征服感としての美意識」

☆ 小泉氏はここに「美しさ」を見るという。

☆ 私は「生きる」ことのすさまじさを見る。
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「キングダム/見えざる敵」

2018-02-25 22:28:37 | Weblog
☆ 映画「キングダム/見えざる敵」(2007年)を観た。

☆ まず冒頭でサウジアラビア王国がどのように成立し、どのように歩んできたかが綴られている。そして、外国人居住区でのテロ事件。巻き添えになったFBI捜査官の敵を討つべく、新たに捜査官が派遣される。

☆ アメリカ側から見れば大義名分はテロ撲滅なのだろうが、テロリストにもそれなりの言い分がありそうだ。

☆ 日本の幕末、攘夷運動もこんなものだったのだろうか。

☆ 復讐は復讐を呼ぶ。作品はその絶えることのない連鎖を糾弾しているようにも思えた。
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1年で一番忙しい週末

2018-02-25 12:41:16 | Weblog
☆ 京都の公立高校の中期試験は3月7日、それにうちの校区の中学校では、1日、2日の2日間が1・2年生の学年末試験になります。

☆ 塾業界にとって1年で一番忙しい週末を過ごしています。

☆ あと10日で、今年度の活動はほぼ終了。塾にとっては「お正月」といったところでしょうか、束の間の休息です。

☆ 16日には公立高校の合格発表。生徒たちのうれしい声を聞き、またひと踏ん張り。

☆ そして、すぐに新年度の募集。3月20日過ぎからは春期講座が始まります。新しい闘いの日々が始まります。
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マックス・ヴェーバーのテーゼ

2018-02-23 21:07:03 | Weblog
☆ 大澤真幸「社会学史上最も美しい理論」(「現代思想」2017年3月臨時増刊号「知のトップランナー50人の美しいセオリー」所収」を読んだ。

☆ 大澤氏は「社会学史上最も美しい理論」として、マックス・ヴェーバーのテーゼ「<プロテスタンティズムのエートス>が、<資本主義の精神>をもたらす規定的な要因となった」を挙げる。

☆ なぜプロテスタンティズムが優位にある国で資本主義が先行したのか。禁欲を旨とするプロテスタンティズムと際限ない貪欲を旨とする資本主義がどのような関係にあるのか、そのつながりを説明したのがヴェーバーだという。

☆ プロテスタンティズム、中でも予定説を唱えるカルヴァン派が資本主義を推進していったこと。すべてが神によってあらかじめ定められているとする予定説。そうであるなら人間の努力は全く無意味になるはずだ。にもかかわらず、「予定説は、どういうわけか信者を徹底的に行動的・能動的にし」「意図せざる結果として資本主義が生み出された」という。

☆ 予定説から資本主義への転換、読者はその点を最も知りたいのだが、著者はいじわるにもすぐには教えてくれない。この転換を説明する代わりに「ニューカムのパラドクス」を紹介するにとどめている。

☆ 結局、本棚から「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(上)(下)」(岩波文庫)を取り出して読むことになってしまった。うまく誘われてしまった。(笑)
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「ピッチ・パーフェクト2」

2018-02-23 06:05:38 | Weblog
☆ 映画「ピッチ・パーフェクト2」(2015年)を観た。

☆ アカペラ全国大会で優勝して3年。バーデン・ベラーズはオバマ大統領の誕生日を祝うセレモニーに出演。そこで「あることを」やらかしてしまった。窮地に陥ったベラーズ。復活を目指して世界大会に臨む。立ちはだかるのは、強敵ドイツチーム。彼女たちは優勝を手にすることができるのか、というストーリーだった。

☆ コメディ満載なのに、最後のショーではジーンと胸が熱くなった。

☆ ベラーズメンバーは前作よりも更に華やかになり、ファット(太っちょ)エイミー(レベル・ウィルソン)は今回もいい味を出している。
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