じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

なぜみんな「没落」するのか

2017-07-10 23:22:44 | Weblog
☆ プラトンの洞窟の比喩(「国家」第7巻)。洞窟から連れ出された囚人は「本当のこと」を知り、それを洞窟で鎖につながれている友人に伝えようと再び洞窟に戻る。

☆ それは慈悲心からであったが、間違ったことを信じ込まされている友人たちは、彼のことを拒否する。


☆ 釈迦は菩提樹の下で悟りを開いた。それは理解しがたく信じがたいものであったから、最初、人に伝えることをためらった。しかし梵天の勧めで、結局、旧友たちに説くことにした。釈迦が難行から離脱し、堕落したと思っていた旧友たちは、最初彼を受け入れることをためらったが、悟りを開いたその姿に感じ入り、耳を傾けたという。

☆ ツァラトゥストラは10年間山での思索を楽しみ、ある朝、山を下りることを決意する。あふれんばかりの自らの知恵を人に分け与えたくなったのだという。(ニーチェ「ツァラトゥストラはかく語りき」より)


☆ なぜ、みんな「没落」するのだろうか。慈悲心だけかな。自分を認めてほしくなったのかな。お釈迦さんなどは、もはやそんな執着などないはずだけれど。

☆ プラトンの囚人がそのまま地上で太陽の光を楽しみ、釈迦が自らの悟りに満足し、ツァラトゥストラがずっと山で精神的な遊びに浸っていては、物語が始まらないからか。
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御用新聞

2017-07-10 22:23:08 | Weblog
☆ 建前であれ「公器」と言われる大新聞が、「御用新聞」と呼ばれることは、どういう感じなのだろうか。

☆ 「怒り心頭」なのか、「忸怩たる思い」なのか。

☆ 国会での閉会中審査のニュースを見て、そんなことを感じた。


☆ 週刊「金曜日」で、佐高信さんの「腐食の元凶、渡邉恒雄をホメ殺す」を読んだ。面白かった。

☆ 佐高さんは渡邉さんを手厳しく批判しているが、それは批判する価値のある人物だからだと思う。


☆ ずっと昔、知人に同新聞の大阪本社に連れて行ってもらったことがある。気骨あるの記者たちが夜遅くまで仕事をしていたように思う。

☆ 選挙の後だったか、近くの飲み屋では、整理記者らしき人々が、酔いながらも紙面について語り合っていた。自分の仕事にプライドのある人達だと思った。知人の話によると、数日家に帰っていないのだという。

☆ そうした人々はもはや職場を去り、何かが変わってしまったのだろうか。


☆ 「軍閥」という映画を見たことがある。そこでは加山雄三さんが演じる記者が描かれていた。

☆ 真実を書かない新聞。まさに軍部(=政府)の御用新聞だった。

☆ 加山さん演じる記者は、ちょっと本当のことを書いたから、東条の逆鱗に触れ、前線へと派遣されてしまう。


☆ 私は「御用新聞」も、あってよいと思う。新聞もまた商品と割り切るなら、売れるということも大切だ。多彩な意見があってこその民主主義だ。表現の自由だ。

☆ ただ、「御用新聞」だと批判できる自由がなくならないように、ジャーナリストが事実から目をそらさないように、願いたいものだ。 
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