じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

伊岡瞬「痣」

2022-02-27 17:09:51 | Weblog
★ 1956年ハンガリー動乱、1968年プラハの春、1979年アフガン侵攻、1991年ソ連崩壊。その後も、チェチェン紛争(第1次1994年ー96年 第2次1999年ー2009年)、クリミヤ危機(2014年)とソ連・ロシアは紛争が多いなぁ。アメリカはどうかと言えば、こちらも人の事は言えないが。

★ ウクライナ紛争が激化する中で、石油価格が急騰している。先日、BS1のニュースでニューヨークの現状がレポートされていた。コロナ、ウクライナ、それ以上にインフレが人々の暮らしを直撃しているという。2022年の日本もインフレの流れに飲み込まれそうだ。

★ さて、高校受験は塾生19名中13名の進路が決まり、あと6人だ。中学1・2年生は今週、学年末テストが行われ、昨日今日とその対策に追われている。

★ 合間を縫って、伊岡瞬さんの「痣」(徳間文庫)を読んだ。テレビのサスペンス劇場を見るような感じで、すいすい物語が進んで、面白かった。

★ 新婚1年の刑事・真壁、彼の妻が殺される。犯人は不明。憔悴した彼は警察を辞めようと決意するが、そんな折、連続女性殺人事件が起こる。全裸で遺棄され、冷凍された痕跡もあった。警視庁は捜査1課をあげて事件解決にあたり、真壁と相棒の宮下も参加することに。事件を追うごとに、真壁の妻の事件の影が見え隠れする。そのカギとなるのが彼女の「痣」だった。

★ 伊岡さんの他の作品も読んでみたいと思った。
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半藤一利「昭和史」より

2022-02-25 15:42:54 | Weblog
★ ウクライナ情勢は日々悪化し、西側諸国にとってプーチンは乱心の宰相だ。何が彼をキレさせたのだろうか。

★ 帝国主義、大国主義は今に始まったことではない。ロシアに限らず列強諸国はどこも経験した道筋だ。その行き着いた先が2度に渡る世界大戦で、核兵器が飛び交う第3次世界大戦が勃発すれば、もはや勝者も敗者もなく、映画「マッドマックス」やアニメ「北斗の拳」のような荒廃した無秩序な世界になる。その恐怖が東西の緊張が高まる中でも、全面戦争を回避し冷戦に止めてきた(ドイツ、ベトナム、朝鮮半島などの諸地域では代理戦争の様相だったが)。

★ トランプ前アメリカ大統領がプーチン氏の巧妙な手口を賞賛したというが、虐げられた人々を支援する、平和を維持するという大義名分を掲げて軍隊を動かし、国家の主権をチーズのようにジワジワと削り取り、勢力圏を広げるあたりは、まさに帝国主義の手本のような手口だ。

★ そんなことを考えながら、半藤一利さんの「昭和史」(平凡社ライブラリー)から「はじめの章」を読んだ。これは昭和史を語る上での前史を概観している。攘夷・開国の対立からはじまった討幕運動。結局、朝廷も攘夷派もやがては開国を決し、近代国家建設を急いだ。徳川にしてみれば狐にばかされたような感じだろうか。

★ いずれにせよ、半藤さんによれば、明治維新から40年を経て、日本は近代国家となり、日清、日露戦争の結果、世界の列強と肩を並べるまでになった。ところがその成功に自惚れてしまったのか、次の40年は破滅へと向かう。1945年の敗戦をその終点とみなす。そして、何とか独立して経済での発展を目指し、およそ40年かかって世界の経済大国にまで昇りつめた。しかしまた驕ってしまったのか、バブルがはじけて、崩壊の40年を迎えているという。面白い見方だと思う。

★ 日本本土を守るために朝鮮を防波堤とする。朝鮮を守るために満州を「生命線」とする。ロシアの南下政策への対抗策とはいえ、国土を蹂躙された朝鮮や中国の人から見れば面白くないはずだ。

★ 1国の歴史は世界史の大きなうねりの中にある。明治維新も世界大戦も経済復興もそしてバブルの崩壊も、更には大国の興亡も人類史の大きな流れの中の出来事だ。そう考えるとき、なぜ今ロシアが、プーチン大統領が戦争という選択肢を選んだのか、時間がたてば見えてくるのかも知れない。

★ アメリカやNATO軍は今のところ静観しているようだ。彼らの堪忍袋の緒が切れるのはどの一線を越えたときだろうか。
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森村誠一「単位の情熱」

2022-02-24 15:47:00 | Weblog
★ 京都府公立高校の前期試験の結果が発表された。合格した人はおめでとう! 残念だった人は中期試験で頑張ろう。

★ そもそもこの制度(前期・中期・後期)、優秀な生徒を試験日の早い私学にとられないようにする公立の防衛策だ。だから、普通科の場合、志願者の30%しか合格しない。残る70%は中期でほぼ全員合格する。私学に圧され劣勢の公立の苦肉の策と言える。

★ ロシアのウクライナ侵攻はコロナ禍の世界に新たな禍をもたらしそうだ。それぞれに言い分はあるだろうが、力まかせに国境線を変えるというのはいかがなものか。ロシア帝国主義の復活か。またもや冷戦か。中国の動きも気になる。

★ そんなご時世の中、森村誠一さんの「単位の情熱」(徳間文庫)から表題作を読んだ。先日、テレビで「刑事の証明6」が再放送されており、その原作というので読んでみた。原作とはいいながら、内容は全く異なるもので、共通するのは登場する人物の苗字ぐらいだろうか。

★ 「単位の情熱」はホテルが舞台。創業者の孫娘が宿泊中に高価な指輪をなくしたというので、客室係の女性が疑われる。孫娘は「潔白なら指を切れ」と理不尽な要求。1か月後、客室係の女性が指のない遺体でみつかり、物語が進む。

★ 「単位」とは、資本主義社会の中で脱個性が要請され、1単位としか見なされない労働者のこと。彼らは名前ではなく数でしか存在価値がない。物語の背景としてそうした人間疎外が描かれている。

★ 「FBI 指名手配特捜班」の第1シーズンを観終えたので、次は「シカゴ ファイア」(2012年)を観始めた。カメラワークが良い感じだ。

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野沢尚「破線のマリス」

2022-02-23 21:16:53 | Weblog
★ うちの塾はほぼ年中無休だが、祝日の出席者はさすがにまばらだ。空き時間を利用して、野沢尚さんの「破線のマリス」(講談社文庫)を読み切った。

★ 先日読んだ福井晴敏さんの「川の深さは」と1997年の第43回江戸川乱歩賞を争った作品。僅差で「破線のマリス」が受賞したという。

★ 「マリス」とは悪意と言う意味らしい。舞台はテレビ業界。人々の暮らしを一変したテレビ。1990年代になるとBS、CSといった衛星放送も登場し多チャンネル時代が到来した。地上波も変革期を迎えようとしていた。

★ キー局の人気報道番組、その人気コーナーが「事件検証」だ。人々が関心を持ったニュースを新たな視点と大胆な仮説で洗い直すことで高い視聴率を得ていた。その映像編集を担当する遠藤瑤子が主人公。映像編集は裏方の技術屋といったイメージだが、画を重んじるテレビ界ではなくてはならない存在。遠藤の大胆な編集は業界でも評価されていた。

★ そんな彼女の自宅に、郵政省の職員を名乗る男から電話がかかってくる、内部告発したいことがあるので、極秘で会いたいという。躊躇しつつも彼女は男と会うことにした。そして事件に巻き込まれることに。

★ テレビ業界のこと、業界と役所(当時は郵政省)との関係がよくわかった。

★ この作品は2000年に、黒木瞳さん主演で映画化されている。映画を観て、作品のこの部分がこういう風に映像化されるのかと参考になった。遠藤瑤子役、今なら米倉涼子さんが良い感じだろうなぁ。

★ 作品が発表されて20年。ネットが広がり、テレビ界も今や斜陽化の様相だ。
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有栖川有栖「アポロンのナイフ」

2022-02-21 18:42:28 | Weblog
★ 日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 ギルティー」(講談社文庫)から有栖川有栖さんの「アポロンのナイフ」を読んだ。日本の(あるいは関西)のシャーロックホームズとワトソン君、火村准教授と作家名と同じ有栖川有栖が事件を解明する物語。この二人のやり取りが面白い。

★ 「アポロンのナイフ」は東京で起こった連続高校生刺殺事件で幕が開く。幸せそうな人を狙っての無差別殺人だったようだ。容疑者も高校生ということで、氏名も風貌も不詳で指名手配となる。情報が公開されないゆえにネット上では憶測が炎上する。いつしか容疑者は美男子ということで、「アポロン」と呼ばれるようになる。(共通テストでの事件もあったから現実味がある)

★ 時を経ずして、大阪でも2人の高校生の刺殺遺体が見つかる(こちらは最近、大阪府高槻市で事件があったなぁ)。東京の事件との関連はあるのか。これも「アポロン」の犯行か、ということで火村准教授の推理が始まる。

★ 物語では容疑者が未成年であるだけにマスメディアに氏名等が伏せられた。作品はその是非も問いかけている。

★ ちなみに、少年法が改正され、18,19歳の少年は今後実名報道される可能性が出てきたという。
 

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辻村深月「芹葉大学の夢と殺人」

2022-02-20 19:52:49 | Weblog
★ ドラマ「FBI 指名手配特捜班」第1シーズン第9話は「FBI 特別捜査班」とのクロスオーバー。見ごたえのあるエピソードだった。分断されるアメリカ、移民国家アメリカの病巣が描かれていた。

★ 京都新聞のコラム「天眼」。浜矩子さんの「日銀の二枚舌願掛けに天罰が下る時」が面白かった。日本銀行が先日実施した「指し値オペ」。私は経済に詳しくないので、どういうことなのか、またそれを実行することにどういう意味がわからなかったが、浜さんの記事で少しわかった気がした。国債への金利上昇圧力を回避しようということか。そもそも日銀が9年前に掲げたインフレターゲットには日銀の「ある意図」があったのかと学んだ。「天罰が下る」とは手厳しいが、誰が得をし誰が損をするのか。

★ 辻村深月さんの「芹葉大学の夢と殺人」(日本ミステリー作家協会編「ミステリー傑作選 ギルティー」講談社文庫所収)を読んだ。冒頭の新聞記事。大学教授の殺人とその容疑者。そして一人の女性の転落死が報じられている。事実だけを捉えればこの通りだが、事件の背景が転落死した女性の視点で綴られていた。

★ 何といっても文章のうまさだ。天下国家が揺るがす事件でもなく、煎じ詰めれば怨恨の果てだが、夢を追い続け疲弊していく男と彼に寄り添い、ある時は姉のように接していた女性が、いつしか彼から離れられなくなり、その呪縛の心地よさから解放されるためにか、終焉に至る過程が描かれていた。

★ 他人から見れば、男性の幼児性とそんな男に振り回される女性が愚かに見えるが、恋愛とはそんなものなのかも知れない。他人がどうであれ、自分の幻想の中で生きることが恋なのかも知れない。

★ 小説は数あれど、辻村さんの作品は一味違う。
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福井晴敏「川の深さは」

2022-02-19 15:45:10 | Weblog
★ 高校入試は公立前期試験が終わり、その結果発表を待つのみ。24日の発表を経て、3月8日の最終戦(公立中期試験)に挑む。ゴールまであと少しだ。

★ 福井晴敏さんの「川の深さは」(講談社文庫)を読んだ。面白い作品だった。元マル暴の刑事・桃山剛。わけあって今はビルの警備員をしている。家庭も崩壊し、これといった生きがいもなく無為の日々を送っていたが、二人の男女との出会って彼の運命が変わる。

★ ストーリーはページを追うごとにスケールアップしていく。「神仙教」という新興教団による地下鉄爆破事件。その背後にある「北」の日本侵攻計画。カギを握る「北」の親子と彼らを警護する青年(彼は自衛隊で特殊な訓練を受けていた)。上の方針転換で追われる身となり、「北」の娘・葵を守ることだけが彼の使命となった。内閣調査室、公安調査庁、自衛隊のあるセクション、CIAそれに彼らの手先となって動く暴力団。

★ 桃山は追われる二人を匿い、予期せぬ戦闘に巻き込まれていく。

★ 文章のテンポが心地よい。福井さんのデビュー作だというが完成度が高い。権力と対峙する青年の姿は後の作品にも通じるものがあるようだ。300ページあたりのコンピューター用語や軍事関連の事柄はさすがに素人には難しかったが、雰囲気は伝わってくる。

★ 大活劇へと発展し、一言では語れないが、エンディングはジーンとくる。「神仙教」はもちろんあの事件を基にしている。
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ドラマ「FBI 指名手配特捜班」

2022-02-17 18:15:13 | Weblog
★ ドラマ「FBI 特別捜査班」は絶好調だが、そのスピンオフ「FBI 指名手配特捜班」(2020年)も面白い。指名手配となった凶悪犯をラクロイ捜査官のチームが追いつめるというもの。「特別捜査班」とのコラボも面白い。

★ さて、昨日は同志社大学、今日は立命館大学の合格発表。塾生は見後に合格し、次は国立大学に挑む。

★ 公立高校前期は、自己採点をして明暗が分かれている。普通科の場合、前期に決まるのは全体の30%。結局はほとんどの生徒が中期受験で合格するのだが、そこは早く決めたいのが人情。

★ 今年の国語科、古文は「十訓抄」から「一の四」、「召伯の政のやはらかなりし・・・」が出題された。情け深いことの大切さ。「仇は恩で報いよ」という教訓。なかなか良い話だった。
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長岡弘樹「オンブタイ」

2022-02-15 17:01:16 | Weblog
★ 昨日は京都の私立高校のほとんどが合格発表。うちの塾生たちは全員合格。明日は公立高校の前期試験に挑む。新型コロナもピークアウトの様相(潜在化していなければ良いのだが)。最近はあまりに身近になり過ぎて警戒感も緩み気味。

★ さて、今日は日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 ジャンクション」(講談社文庫)から、長岡弘樹さんの「オンブタイ」を読んだ。ちょっとふざけたばかりに自動車事故を引き起こし、巻き添えの死傷者を出した男。自らも視力を失った。

★ 不自由な身となったが、何とかマンションで一人暮らしをしている。そこに市役所からとヘルパーを名のる女性がやってくる。中年女性にしては少々背が高い。自立のために援助をしてくれるのだが・・・。「オンブタイ」という言葉に謎が。

★ さて、今年度の受験戦線。明日の公立前期、3月8日の公立中期で終わり。みんな、がんばれ。明日は同志社大学、立命館大学の発表もあるなぁ。国公立大の二次試験ももう少しだ。春がそこまでやってきている。
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「有事の金」

2022-02-14 11:31:42 | Weblog
★ 金相場が跳ね上がっている。株価が暴落している。緊迫するウクライナで、どうも動きがありそうだ。

★ 抜いた刀をどう鞘に収めるか。大国の首脳たちはそこまで考えているのだろうか。
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