じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「ストロベリーナイト」

2020-09-28 16:02:23 | Weblog
★ 2回目になるだろうか、映画「ストロベリーナイト」(2013年)を観た。

★ 連続殺人事件。組織暴力対策課はヤクザ組織の跡目争いでケリをつけようとした。一方、捜査一課、姫川玲子班はある人物を追い始めた。しかし、その人物に触れてはならないと、上からの圧力がかかる。どうやら、警察の隠蔽捜査があったようだ。

★ ストロベリーナイトの魅力は何と言っても竹内結子さん演じる姫川刑事だ。

★ それだけに、彼女の死は残念だ。
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ドラマ「盤上のアルファ」

2020-09-27 19:40:10 | Weblog
★ 将棋つながりで、NHKドラマ「盤上のアルファ」(2019年)を観た。原作は塩田武士さんだ。

★ チームワークを乱すと上司から疎まれ、社会部から文化部それも将棋担当へと配置換えになった秋葉隼介、恋人からも「距離を置く」と告げられ、やけを起こして居酒屋で飲んでいると、そこで元奨励会3段だったという真田信繁と出会う。彼は、もはや33歳。しかし将棋をあきらめきれず、プロを目指し3段編入試験に挑戦するという。

★ どうもとってつけたようなシチュエーションだが、白熱した将棋と記者役の玉木宏さん、プロを目指す棋士役の上地雄輔さんの熱いぶつかり合いにひきつけられる。記者の恋人役、比嘉愛未さんの美しさも魅力だ。

★ 「盤上の向日葵」のような殺人や刑事同士の葛藤はないが、ヒューマンドラマとしてひきつけるのは脚本のうまさだろうか。
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片岡義男「甘く優しい短篇小説」

2020-09-26 18:15:11 | Weblog
★ 反りの合わない2人の女性が同じ部屋で一夜を過ごしたら大変なことになった。片岡義男さんの「甘く優しい短篇小説」(新潮文庫)から表題作を読んだ。

★ ある作家、写真家の女性編集者から紀行文を依頼される。連載の予行演習ということで小旅行を計画。同じとき、この作家にかねてから長編小説を依頼していた別の女性編集者から、構想を話し合いたいと連絡がある。ちょうど良い機会なのでと、作家は二人の女性と旅先で食事をすることに。

★ 初体面。食事中は和やかに鶏鍋をつついていたが、一夜が明けて、同じ部屋に宿泊した2人の女性編集者はお互いに罵り合いを始める。

★ 短い作品ながら、全体は4部構成。最後の第4部が面白い。いやぁ、女性は恐ろしい。この顛末、件の作家は、甘く優しい恋愛小説にまとめることができるのやら・・・。
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ドラマ「盤上の向日葵」

2020-09-26 02:18:50 | Weblog
★ 柚木裕子さんの「盤上の向日葵」(中公文庫)が文庫になったので買った。上下2巻。さっそく読もうかと思ったが、待ちきれず、昨年,NHKで放映されたドラマ(4回シリーズ)を観た。

★ 彗星のごとく現れたプロ棋士。東大卒、IT企業の社長という華々しい肩書を捨て、奨励会を経ず、特例でプロ入りが認められた。まずは彼の生い立ちと、名工の手による将棋の駒を抱いた白骨死体の捜査という、二つのストーリーが並行して進む。

★ 白骨死体は誰なのか。なぜ将棋の駒を抱いていたのか。棋士との関係は。

★ 大友康平さんが演じるベテラン刑事と蓮佛美沙子さんが演じるかつてプロ棋士を目指した地域課の新米刑事が真相に迫る。

★ ベテラン刑事と新米刑事とのペアというのは男女の差こそあれ「孤狼の血」のパターンだ。最初新米刑事(それも女警察官)と組むのを煩わしく思っていたベテラン刑事が、事件を追う中でお互いを認め合うというパターンは、乃南アサさんの「凍える牙」のようだ。

★ 棋士役の千葉雄大さんも良かった。柄本明さんはさすがだ。そして竹中直人さんの鬼気迫る演技。すごいねぇ。面白いドラマだった。
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綿矢りさ「憤死」

2020-09-25 15:51:08 | Weblog
★ 近隣の中学校では、中間テストが終わった。彼らと共に束の間の解放感を味わう。

★ 今日は、綿矢りささんの「憤死」(河出文庫)を読んだ。かわいい表紙。おじさんが手を出すにはちょっと抵抗を感じる。内容も若い女性向きかな。

★ 幼なじみ(佳穂という名前)が自殺未遂をしたと聞き、病院へと見舞いに来た主人公。「興味本位で見舞いに行くことにした」というから、あまり心配はしていない様子。小学生時代の幼なじみとは言うが、二人の関係は複雑だ。クラスの女子たちからはみ出た二人が組んだって感じ。佳穂は金持ちのお姫様で主人公はそのおこぼれにあずかる取り巻きって感じかな。

★ 佳穂はキレやすい子らしく、その片鱗は小学生時代のウサギ小屋のエピソードで紹介されている。年を経て、恋人に裏切られたのが今回の顛末の原因らしい。「ただひたすら純度の高いわがままと、神々しいほどの激しい怒りが巻き起こす死が、憤死だ」と主人公は語る。

★ 微妙な会話から感じられる何とも不安定な二人の関係。結局「だから何」って感じだが、答えを求めてしまうのがおじさんの悪いところかも。たまにはこういう文体もいいかな。

☆ ところで、近隣の中学校では来月、コロナ禍で延期になっていた修学旅行(研修旅行という)に行くという。塾生の話を傍聞きしていると、どうも女子生徒の関係が良くないらしく、部屋割りでひと悶着あったらしい。結局、同じ部屋のメンバーが嫌なので「旅行に行かない」と言っている人がいるらしい。

☆ 少子化の影響か、彼女たち、彼らは人づきあいが下手だ。スクールカーストや「派閥」も露骨だ。それに親が絡んでくると先生方は大変だなあと思う。身体的なコンプレックスや大浴場の経験不足から、入浴も大変そうだね。そのための「研修」だとも言えるけれど。
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映画「三蔵法師 玄奘の旅路」

2020-09-23 12:02:19 | Weblog
★ 中間テスト対策の4日間。自分で計画したこととはいえ、1日12時間×4日間はさすがに厳しかった。何とか乗り越えたので、映画「三蔵法師 玄奘の旅路」(2016年)を観た。孫悟空の物語で有名な三蔵法師の伝記映画だった。

★ 中国は唐代。1人の僧が経典を求めて天竺へ旅立った。当時、天竺への渡航は禁止されており、国禁を犯しての旅路だった。

★ 三蔵法師、玄奘の物語ではあるが中国西域や仏教の遺跡を巡る美しい描写は、まるで観光ガイドのようだった。

★ もしかしたら、玄奘のような僧は他にもいたかも知れない。困難な旅路に、ある者は命を失い、ある者は志半ばで挫折したのであろう。今の時代からは想像できないほど、それほど困難な旅路であったろう。

★ エンディングの「般若心経」が身に沁みる。

★ それにしても、イデオロギー的には共産主義の中国で、なぜ「三蔵法師」を描いたのだろうか。裏事情にも興味を持った。
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北方謙三「一日だけの狼」

2020-09-22 21:06:45 | Weblog
★ 北方謙三さんの「一日だけの狼」(角川文庫)から表題作を読んだ。面白かった。

★ 望月はカメラマン。彼が運転するアウディの前に男たちが飛び出してきた。3人が1人を殴り倒している。殴られたままの男は、暴行に堪えてはいるが、反撃の様子はない。望月は事の成り行きを見守っていたが、どういうわけかクラクションを鳴らしてしまった。

★ 望月が学生時代の内ゲバ、白井という老いたヤクザ。殴られていた拓二という青年と殴っていた前田だという男。拓二が思いを寄せるリカという女の子。白井とシマを争う、岩下という男。それぞれが生き生きと描かれていた。

★ 望月と前田の決闘シーンには息をのむ。

★ 善悪とか、難しい理屈はいらない。ただ男たちがかっこよく、面白かった。もちろん、フィクションの世界だが。
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連城三紀彦「背中合わせ」

2020-09-22 16:09:54 | Weblog
★ 連城三紀彦さんの「背中合わせ」(新潮文庫)から表題作を読んだ。

★ 結婚6年目、夫が浮気をした。魔がさしたと言わんばかりの夫とそれが許せない妻。喫茶店が冷たい修羅場と化していた。

★ その時、妻は背中合わせの席に覚えのある声を聞く。元カレ。今は妻子もいるようだ。その男が若い女性と対面している。どうやら、女性から告白されたものの、不倫には踏み切れず、といった場面。

★ かつてあれほど女遊びをしていた男なのにと、自分の離婚騒動はそっちのけで聞き耳を立てる妻。

★ 他人にとっては全くどうでもいいような風景だが、このシチュエーションがとてもスリリングだ。男女の心の機微を描けば、さすがに連城作品だ。

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城山三郎「逃亡者」

2020-09-21 20:31:19 | Weblog
★ 城山三郎さんの「逃亡者」(新潮文庫)から表題作を読んだ。

★ ある大工場に刑事がやってきた。戦前、その工場が軍の燃料廠であった時、徴用工として働いていた朝鮮人の男を探しているという。その男は、戦時中、窃盗と国家総動員法違反で逮捕、拘留中であったが、空襲に紛れて脱走したという。

★ 戦後、その工場は払い下げられ、所有者が転々。かつての時代を知る者は、もはやいなかった。隻腕の守衛の男を除いては。

★ 刑事、守衛の男、彼らの教師だった男と三者の話を通して、彼らにとっての戦争、そしてその状況下でのそれぞれの立場が話される。

★ 「戦争というのは、男も女も血まみれになって、空へ吹き飛ぶことなんだよ。人間が生きながら燃えるということだよ。残った人間も、ぼろぼろになってしまうということなんだ。そして、中将だけが、馬に乗って颯爽と女の家へ通い、軍人恩給でぬくぬくと余生を送ることなんだ」(162-163頁)

★ 印象に残る文章だ。戦争の実相が描かれている気がした。

★ さて、「逃亡者」はどうなったか。もはや彼を裁く意味がなくなったらしい。守衛の複雑な思いも印象的だった。
 
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菊池寛「形」

2020-09-21 15:23:28 | Weblog
★ 中学3年生の国語、中間テストのテスト範囲に菊池寛の「形」が入っていたので読んだ。

★ 時は戦国時代、覇権を争う畿内。摂津の国の侍大将、中村新兵衛は「槍中村」と誉れが高く、その猩々緋(しょうじょうひ)の羽織と唐冠のかぶとを見ただけで、敵兵は震えあがったという。

★ ある日、初陣を飾る若侍が、新兵衛の装束を借りて手柄を立てたいと懇願し、新兵衛は笑って許した。「槍中村」の姿に敵兵はかき乱され、若侍は手柄をあげた。一方の新兵衛は、黒革縅(おどし)の鎧に、南蛮鉄のかぶとという地味な姿。一武将と化したその姿に敵兵はひるむことなく、遂に敵の槍に射抜かれたという。

★ 敵兵は新兵衛の実体ではなく、その姿、「形」を恐れていたのだ。それに気づかなかったことが新兵衛の悲劇だと言える。新兵衛老いたり。過去の栄光に自己を見失ったか。

★ 「形」と言えば、敵機を恐れさせた「レッドバロン」を思い起こす。人は案外、見かけに弱い。この作品が教えるものは、見かけにだまされるなということ、そして、「形」を驕って、自分自身を見失うなということ。

★ 文豪にも駄作はあるということか。

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