☆ ラジオでパーソナリティが西行を語っている。
☆ 「願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ」
☆ その想い通り、西行は2月16日(如月の望月のころ)にこの世を去ったという。
☆ ふと「西行」が読みたくなって、小林秀雄の「無常という事」(角川文庫)を開けた。
☆ 碩学の筆は次のように西行を評する。(西行の歌を指して)「これらはけっして世に追い詰められたり、世をはかなんだりした人の歌ではない。出家とか厭世とかいうあいまいな概念に惑わされなければ、いっさいがはっきりしているのである。みずから進んで世に反いた二十三歳の異常な青年武士の、世俗に対する嘲笑と内に湧き上がる希望の飾り気のない鮮やかな表現だ。彼の眼は新しい未来に向かって開かれ、来るべきものに挑んでいるのであって、歌のすがたなぞにかまっている余裕はないのである。確かに彼は生得の歌人であった」(昭和54年版73頁)
☆ これ以上の言葉は不要かと思われる。
☆ 西行は何を求めて歩き続けたのだろう。捨てようとして捨てきれない「わが心」。捨てようと思えば思うほどそれは際立ったに違いない。死期に際し、如月の望月を観て、西行は何を思っただろう。月と一体になることができたのだろうか。花と一体になることができたのだろうか。
☆ 「願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ」
☆ その想い通り、西行は2月16日(如月の望月のころ)にこの世を去ったという。
☆ ふと「西行」が読みたくなって、小林秀雄の「無常という事」(角川文庫)を開けた。
☆ 碩学の筆は次のように西行を評する。(西行の歌を指して)「これらはけっして世に追い詰められたり、世をはかなんだりした人の歌ではない。出家とか厭世とかいうあいまいな概念に惑わされなければ、いっさいがはっきりしているのである。みずから進んで世に反いた二十三歳の異常な青年武士の、世俗に対する嘲笑と内に湧き上がる希望の飾り気のない鮮やかな表現だ。彼の眼は新しい未来に向かって開かれ、来るべきものに挑んでいるのであって、歌のすがたなぞにかまっている余裕はないのである。確かに彼は生得の歌人であった」(昭和54年版73頁)
☆ これ以上の言葉は不要かと思われる。
☆ 西行は何を求めて歩き続けたのだろう。捨てようとして捨てきれない「わが心」。捨てようと思えば思うほどそれは際立ったに違いない。死期に際し、如月の望月を観て、西行は何を思っただろう。月と一体になることができたのだろうか。花と一体になることができたのだろうか。