じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

山本文緒「偏屈」

2023-12-31 15:25:32 | Weblog

★ 冬期講座は6日を終え、今日から3日間は開店休業。受験生が自習にやってくるだけ。

★ 頼んでいたおせちを受け取りに行き、近所のスーパーが3日まで開かないのでちょっと買い物をして、教室に掃除機をかける。1年が無事に終わる。

★ ふと本棚にある山本文緒さんの「ファースト・プライオリティ」(角川文庫)が目についた。31歳の主人公が描かれた掌篇小説集だ。最初の作品「偏屈」を読んだ。

★ 流れのままに大学に進学し、流れのままに就職が決まり、仕事にも慣れた31歳の女性。仕事や勉強は楽しいが、人と調子を合わせたり、群れるのが大の苦手。

★ 付き合いが悪いので、最早誘いの声もかからないが、会社で生きていくには最低限のつきあいは必要になってくる。彼女にとってそれは苦痛以外の何物でもない。

★ 彼女は社会からの隔絶を望んでいるのか。孤高を求めているのか。それもと単なる自己チュウなのか。遂に会社に辞表を提出。

★ 彼女は自分にとっての「ファースト・プライオリティ(最優先事項)」を見つけたのだろうか。

☆ 私も群れるのが嫌いなので、主人公に共感した。

☆ 今年もお世話になりました。来年もよろしくお願い致します。皆様にとって良い年になりますように。

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冬期講座4日目

2023-12-28 09:59:46 | Weblog

★ 年の瀬も迫ってきたが、この時期忙しいのが塾業界。あっという間にクリスマスが去り、あっという間に正月も過ぎていく。今年も31日まで授業があり、元旦から受験生がやって来る。塾経営、創業から46年目に突入します。すっかりライフワークになりました。

★ 合間を縫っての読書。遅々として進まないが、今読んでいる本は、

  司馬遼太郎「梟の城」(新潮文庫) 秀吉の命を狙う伊賀忍者の話。

  佐藤賢一「日蓮」(新潮文庫) 日蓮の生涯はいろいろと描かれているが、佐藤版はどのように描くか。

  東野圭吾「流星の絆」(講談社文庫) 何者かに両親を殺害された兄弟妹の話。面白いが、長い。

  松岡佳祐「高校事変」(角川文庫) 総理大臣が訪れた高校をテロ集団が襲う。面白い。

  高野和明「ジェノサイド 下」(角川文庫) 世界規模のハラハラ感。

  石田衣良「美丘」(角川文庫) ちょっと風変わりだが魅力的な女性「美丘」をめぐる物語。

  大沢在昌「無間人形」(光文社文庫) 若者の間で広がる薬物。それを追う刑事の話。

  堂場瞬一「蒼の悔恨」(PHP文庫) 神奈川県警の刑事の話。

  角田光代訳「源氏物語」(河出文庫) 角田さんが「源氏物語」に迫る。

★ 他にも読みたい本は山積み。

  浅田次郎「壬生義士伝」(文春文庫)

  逢坂剛「カディスの赤い星」(講談社文庫)

  今村夏子「こちらあみ子」(ちくま文庫)

  奥田英朗「オリンピックの身代金」(角川文庫)

  重松清「流星ワゴン」(講談社文庫)

  島田荘司「占星術殺人事件」(講談社文庫)

  高村薫「リヴィエラを撃て」(新潮文庫)

  立松和平「卵洗い」(講談社文芸文庫)

  天童荒太「悼む人」(文春文庫)

  中島京子「夢見る帝国図書館」(文春文庫)

  乃南アサ「地のはてから」(講談社文庫)

  坂東眞砂子「山妣」(新潮文庫)

  町屋良平「しき」(河出文庫)

  松本清張「砂の器」(新潮文庫)

  宮部みゆき「蒲生邸事件」(文春文庫) 

★ こうやって並べてみると、出版社(文庫)の特徴のようなものを感じる。さて、どれだけ読めますやら。

 

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映画「大停電の夜に」

2023-12-23 23:54:45 | Weblog

★ 高校2年生の塾生に彼女ができたという。メリークリスマス。私はといえば今年も仕事三昧のクリスマス。働けるだけありがたい。

★ 映画「大停電の夜に」(2005年)を観た。あるクリスマスイブの夜、東京が大停電になり、そこで起こる奇跡の数々。

★ 主演は豊川悦司さん。かつてはレコードも出すベーシスト。恋に破れて今は裏通りでバーを営んでいる。彼にあこがれるロウソク屋さんの女性を田畑智子さんが演じている。

★ 見ず知らずの人々が、大停電の夜につながっていく。ロウソクの揺らめく光が心に残る作品だった。

★ 部屋を暗くして観ると良い感じだ。

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角田光代訳「桐壺」

2023-12-22 15:24:46 | Weblog

★ クリスマスを前にして大寒波が襲来している。小中学生は今日が終業式で、大きな荷物を持って歩く子も。心なしか楽しげだ。

★ 来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」。紫式部と藤原道長が恋仲だったというストーリーのようだ。真偽はともかく、この機会に源氏物語を読むことにした。

★ 世界最古の恋愛小説ともいわれる大作。とはいえこの時代では、古文が難解なのと当時の(とりわけ宮中)しきたりがわからないので、原文で全部を読むのは難しい。

★ 高校の古文の授業で「桐壺」や「葵」の一部は学習し、マンガ「あさきゆめにし」やもうちょっと大人向けのエロチックなマンガを垣間見たが、とにかく人物が多彩でこんがらがってくる。

★ 今までも与謝野晶子、谷崎潤一郎、瀬戸内寂聴、田辺聖子などの訳がでているが、角田光代さんの訳が読みやすそうなので、角田版で読むことにした。

★ まずは「桐壺」。原文では「いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひ給ひける中に・・・」で始まる。

★ 帝の寵愛を受けながらも、身分が低いこともあって他の女房達から妬まれた女性、桐壺。玉のような男子を産んだが、彼が幼いうちに病で亡くなる。その男性が物語の主人公、光源氏。

★ 桐壺を失って嘆き悲しむ帝だったが、他からの勧めもあって藤壺という女性と再婚する。光源氏はわずか5歳しか年の離れていない義母に母の面影を認め、恋焦がれてゆく。

★ 光源氏、波乱万丈の物語の幕開けだ。ところで、美男子の誉れ高い光源氏だが、実際はどのようなイケメンだったのか、興味がそそられる。

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吉村昭「ジングルベル」

2023-12-20 18:22:57 | Weblog

★ あと10日間で今年も終わる。学校が短縮授業になったので、小学生が昼過ぎから入れ替わりやって来る。子どもたちにとっては楽しいクリスマスにお正月だ。

★ さて今日は、吉村昭さんの「遠い幻影」(文春文庫)から「ジングルベル」を読んだ。

★ 極北の刑務所に勤める刑務官の話。その日は、軽微な罪で服役中の人々を指揮して、河川敷で砂利を回収していた。

★ そのとき、ある服役囚がスコップを交換したいといった。確かに壊れかけていたので、近くの工務店の倉庫まで行くことを許可した。

★ しかしそれから20分、男は帰ってこない。「まさか逃走」と慌てた刑務官たちは男の捜索に向かう。

★ しばらくして、男は見つかった。彼が逃走を試みた理由とは・・・。

★ 最近はスーパーを歩いていても一時ほどの「ジングルベル」は聞こえない。

★ 「ジングルベル」をBGMに、ツリーを立てた部屋で、ケーキを食べるといったステレオタイプはすっかり多様化した。「昭和は遠くなりにけり」ということか。

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映画「グレムリン」

2023-12-17 20:54:12 | Weblog


★ 物置のそうじをしてたら20年以上前のファービー人形が出てきた。

★ 街がまだ活気にあふれ、確かサティというスーパーがあった時代。開店前から並んで買ったものだ。

★ 珍しかったので、言葉を覚えさせたりしたが、すぐに飽きて、物置にしまったものだ。

★ 電池を゙入れるとしゃべりだしたか、眠いと言ってすぐに寝てしまった。

★ ふと思い立って、映画「グレムリン」を゙観た。最後は「ET」同様ジンと来る。
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山田詠美「サヴァラン夫人」

2023-12-16 23:32:03 | Weblog

★ 来年の大河ドラマは紫式部が主人公。「宇治十帖」など縁の深い宇治市民としては、少なくとも最終章ぐらいは読んでおかなくては、と「あさきゆめみし」を探すが、いつか塾生に貸したらしく見つからない。ネットで原文と対訳を読む。

★ 主人公の「薫」とライバル「匂宮」というネーミングが面白い。薫はクールな美男子の上にいい香り(体臭)がしたという。平安時代の人は風呂に入っていたのだろうか。ボディシャンプーなどはなかろうし。ぬか袋では良い香りは程遠い。

★ 体臭は食べたものが影響するともいう。肉食主体の欧米人は結構体臭がきつい。年をとると酸っぱい感じの加齢臭が気になるが。

★ 山田詠美さんの「珠玉の短編」(講談社文庫)から「サヴァラン夫人」を読んだ。主人公のマリが憧れる夏子さんという女性は、精神科医を辞めて占い師になったという。

★ この稼業、自分探しの女性たちに口コミで広がり、繁盛している様子。この夏子さんはクライアントにまず「どんなものを食べていらっしゃるの」と尋ねる。会話の糸口かも知れないが、この質問への回答で、おおよその人物像がわかるという。

★ カウンセラーにせよ、占い師にせよ、クライアントはすでに答えを持っている。

★ 作品中に「ゲスの極み乙女」が出てきて懐かしく感じた。

★ ところで「源氏物語」、最後は何とも言えない尻切れトンボで終わっている。あとは読者にお任せということか。これはこれで、後味の悪さが余韻にもなっている。

★ そもそもが印刷技術が発達していなかった時代、書写を重ねるうちに、誰かが創作意欲を燃やし手を加えたのかも知れない。

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宮部みゆき「鬼子母火」

2023-12-15 20:37:58 | Weblog

★ 首相の「火の玉」発言。朝日新聞は早速「火だるま」と言い換える。与党税制改革大綱については「減税ずらり 増税だんまり」と、政局がらみになると見出しにも気合が入ってくる様子。

★ さて今日は、先日に続き時代物。宮部みゆきさんの「幻色江戸ごよみ」(新潮文庫)から「鬼子母火」を読んだ。

★ ある酒屋から小火が出た。神棚のしめ縄が火元のようだ。焼け残ったしめ縄を調べてみると、そこに髪の毛がよりこまれていた。どうやら若い使用人の仕業だ。

★ 彼女に話を聞いてみると、その髪は亡くなった母親のものだという。流行り病で火葬され(彼女の住む所では土葬が行われていた)、貧しさから十分な供養ができなかったから、しめ縄に髪をしのばせ、供養をしてもらおうとしたという。

★ 女中頭の説得で、燃え残った髪の毛は丁重に葬られたが、それから不思議な出来事が起こるようになった。

★ 江戸時代を舞台としたちょっとしたホラー小説。母親の気持ちが切ない。

 

☆ 今年もあと15日になりましたね。

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藤沢周平「約束」

2023-12-13 21:02:05 | Weblog

★ 大学の公募制推薦の結果が一段落。塾生9名中、7名の進路が決まった。

★ さて今日は時代小説。藤沢周平さんの「橋ものがたり」(新潮文庫)から「約束」を読んだ。

★ 幼なじみの少年少女。おぼろげに将来を誓いながら、少年は修業を兼ねて5年間の奉公に、少女も傾いた家業を支えるために料理屋の奉公へ。5年後、小名木川の萬年橋の上で会うと約束を交わして二人は別れる。

★ それから月日は流れ、いよいよ約束の日。少年は立派な男に成長し、少女は女になった。待ち焦がれた日なのに、二人の心には暗い影が差す。

★ もはや二人は無垢な少年少女ではない。果たして二人はお互いの過去を乗り越えていけるのだろうか。

★ 江戸の人情噺。藤沢さんの筆が読者を物語に引き込む。

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相場英雄「あたり」

2023-12-12 21:07:14 | Weblog

★ 自民党・安倍派の裏金問題、東京地検はどこまで追及できるのか。この問題、安倍派だけに留まるのか。

★ 田中金脈問題の時は三木内閣が、リクルート事件で有力者がこぞって失脚したときは海部内閣が成立した。もはやクリーンなイメージの三木派(河本派、高村派)はないし、どうなりますやら。

★ さて今日は、相場英雄さんの「ナンバー」(双葉文庫)から「あたり」を読んだ。

★ 贈収賄を扱う警視庁捜査第2課の捜査官が主人公。都庁の幹部が収賄してるとふと耳にした情報から強制捜査に踏み切ろうとした矢先、その人物が自ら命を絶った。捜査チームとしては大失点。

★ 新たなネタを仕入れ、リベンジを図ろうとするのだが。

★ 後輩を釣りに誘い、さりげなくアドバイスを与える退職捜査官が良い感じだ。

 

☆ 恒例の「今年の漢字」は「税」だという。「増税メガネ」のニックネームももはや懐かしい。バラマキともとられている減税の頃には新しい政権かも。

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