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「国境の南、太陽の西」

 村上春樹「国境の南、太陽の西」を読んだ。
途中めちゃめちゃ面白くて、妻に「俺が読み終わったら読んでみるといいよ。面白いから」と勧めたが、しばらくしたら妻が読んだら大ブーメランが私に返ってくると気付いて、「ダメダメ、きっと腹が立って仕方ないと思うから読まないほうがいいよ」と訂正した。

 それくらいこの小説は男目線で書かれていると思う。12才まで心通わせてい女性と引っ越しを境に音信不通となり、その間も思いを募らせていたのが、37才になって再会した途端、思いが燃え上がり、不自由なく暮らしていた妻と子供との生活を全て投げ打ってでもその女性と共に暮らすことを切望し悶々とする男、そんな物語を私が読み興じていたと知ったら、雷どころか天地を揺るがすほどの罵声を私に浴びせることは必定だから、読まないでくれたほうが私と妻の間に不要な波風を立たせなくていいに決まっている。

 それと、読み進めるうちに、主人公の妻と私自身の娘とがかぶってしまい、彼の仕打ちがとても許せるものではないという思いばかりが募ってきて、村上春樹がどういう結末に結びつけるのかばかりが気になった。結果としては、何か超自然的な話でお茶を濁した感はあるものの、まあ、これなら親の立場からはギリギリ許せるかなというまとめ方だったから少しばかりホッとした。でも、やっぱり独善的なひどい男だなあ。

 次は「スプートニックの恋人」を読むつもりだけど、ちょっと村上春樹に疲れてきたかなと思わないでもないから、躊躇う気持ちがないではない。
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