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「スプートニクの恋人」

 村上春樹「スプートニクの恋人」を読んだ。
 読み始めてしばらくは、軽い文章だな、ちょっと軽過ぎないか?と思っていたのだが、読み進めるうちにいつの間にか読むのがちょっと面倒な文章になっていき、これってひょっとしたら観念小説??と適当なことを思ってしまうほど、様変わりしたのには驚いた。筋立てもわざわざギリシアを舞台にしなくてもいいんじゃないかとか、村上小説ではよくあるあちら側の世界とこちら側の世界で引き裂かれた個人という現実と夢想との境目のわからぬところで物語が進んでいく、謂わば「村上ワールド」全開で、このところ村上春樹ばかり読んできた私には、こんな場面がどこかにあったぞ、という既視感に溢れてしまい、なんだかなあ・・と思っているうちに読み終わってしまった。
 えっ?何?これで終わり?何にも解決しないの?と思うのは多分村上春樹を読む態度としては邪道なのかもしれないけれど、やっぱりすとんと腑に落ちる終わりして欲しかったと思った。あまりに宙ぶらりんで気持ちが悪い。結局、私にとってこの小説は面白くなかったということになるんだろう、残念ながら。
 こんな感想しか持てないということは、村上春樹にちょっと食傷気味なのかもしれないけど、随分前に「ノルウェイの森」と「ダンス・ダンス・ダンス」をメルカリで買っておいたから、この2冊はちゃんと読み終わろうと思う。
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