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「龍と苺」(2)

 「龍と苺」第2巻を読んだ。 



 第1巻を読んだ感想は9月10日に書いたが、2巻も同じ印象を受けた。荒唐無稽なストーリーであり、絵もお世辞にもうまいとは言えない漫画だが、なぜか心を惹き付ける。それは、将棋を覚えてから1ヶ月しか経っていない中学生の女の子がアマチュアでもプロと戦える竜王戦を勝ち抜こうとする新たな展開にワクワクするからかもしれない。また、天賦の才を持った若者が、どれだけ苦難にも負けずに逞しくなっていくかを見守る保護者めいた気持ちが働いているのかもしれない。
 細かい突っ込みは多々入れられそうだが、そんなものを蹴散らすほどの力がこの漫画、就中主人公の苺にはある。この先どんな展開が待っているのか、ますます楽しみになってきた。
 これは、週刊サンデーに連載中の漫画だから、毎週サンデーを買っちゃおうかな、と思わないでもないが、単行本が出るのをジリジリしながら、一気に読んだ方が楽しみが倍加するんじゃないか、と第3巻が出るのを首を長くして待とうと思っている。
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「信長を殺した男」(2)

 「信長を殺した男」の8巻(最終巻)を読んだ。
 7巻までは日本史好きの高校生から借りて読んだ。読み終わって返す際に「8巻が出たら俺が買ってプレゼントするから」と約束したのだが、先日コンビニで最新刊が出ているのを見つけたからすぐに買って読んでみた。(先に読むよと高校生には断りを入れて)
 


 どうしてだろう、7巻までは何か読みにくくて時間がかかった覚えがあるのにこの8巻はさっと読めた。まあ、本能寺の変が終わってから山崎の戦いで光秀が敗れて農民に殺されるまでを描いてあるから、淀みなく大団円に進んだせいなのかもしれないし、取り立てて驚く展開にもならなかったからかもしれない。かといって詰まらなくもなく、最終巻としては上手くまとまっていたな、という印象を受けた。

 ただ、光秀の死に際して、
「明智光秀は、天下泰平を願い・・
民の安寧の為に戦い・・
民によって殺された」
という言葉は、ちょっと美化し過ぎかも、と思った。戦国時代に「民のために」と思っていた武将がいたなんて現代人の勝手な思い入れのような気がして・・。
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「信長を殺した男」

 高校生から「信長を殺した男」を借りた。今のところ7巻まで出版されているようだが、まとめて全部読んだ。
 題名からも分かるように、明智光秀が主人公。なぜ彼が織田信長を本能寺で討つようになったかが克明に描かれている。巷間知られている光秀像とはかなり違った描き方であり、もちろん「麒麟がくる」とも全く違う光秀が描かれていて、少々戸惑う点もいくつかあったが、歴史上の真実など誰にも分からないことだから、この本なりの解釈を楽しめばいいやと思って、読み進んだ。



 しかし、この本、マンガにしてはなかなか読むのが大変だった。まず私には字が小さすぎる。歴史的背景などの説明が縷々述べられているが、それを読み落とさないようにしようと最初は思っていたので、一巻読むのにかなりの時間がかかったし、目が疲れた。それに少しばかり仰々しい表現が多く、大して面白くないなあ、というのが率直な感想だった。しかし、二巻、三巻と進んでいく内に本能寺の変が次第に近づいてきて、目が離せない展開となり、後半はかなりのハイペースで読むことができた。
 でも、豊臣秀吉があまりに悪し様に描かれているのは、戦国の三英傑の中では秀吉が一番好きな私にとって、なかなか肯んずることが難しかった。もちろん主人公たる光秀に対抗するヒールの存在として徹底的に悪く描く必要はあるだろうが、少しくらい秀吉の良い面も描いてくれよ、と言いたいほど、秀吉は糞味噌に描かれている・・。
 このマンガはまだまだ続いていて、まだ出ていない8巻から本能寺の変以降が本格的に描かれるようだ。私はこの本を貸してくれた高校生に対して、「8巻は貸してくれたお礼にプレゼントするよ」と約束してある。彼は歴史好きの少年であるから、次巻を待ち侘びているだろうから、出版後すぐに注文せねばならない。見落とさないようにせねば。
 
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「おしゃべり階段」

 妻が毎月買っている月刊誌「YOU」に、昔懐かしいくらもちふさこの「おしゃべり階段」①が付録についていた。えっ??どうして?と思ったものの、懐かしさにつられて読んでみた。



 Wikipedia によれば、
『おしゃべり階段』はくらもちふさこによる日本の漫画作品。少女漫画雑誌『別冊マーガレット』(集英社)にて連載。単行本全2巻、文庫版全1巻。番外編として「眉をつけたピカデリー」がある。
 【あらすじ】
天然パーマがコンプレックスの森本加南。中学時代には単なる友達だった中山手線にある日特別な感情を持ち始める。しかし、高校ではそれぞれ違う所へ。大学は線と同じ所へ行きたいと思った加南は、色々な出来事を体験して成長しつつ、大学受験へと向かっていく。

 なんだろう、一巻を読みながら感じた不思議な感覚は。確か、大学生だった頃に連載されていたのを読んだと思うが、まったく色褪せていない。いいおっさんが少女漫画を読んで胸ときめかすというのも気持ちの悪い話だが、事実胸キュンとなってしまったのだから仕方がない。読み終えて、早く二巻が来ないかと、「YOU」が発売されるのを心待ちにした。

 

 先週やっと2巻目を読んだんだけど、ちょっとガッカリ。中学生の頃の加奈と線が一番よかったなあ・・、と1巻目のままのテイストで話がすすめがよかったのに、とちょっと思った。今も昔も話が変わるはずはないから、若かった頃はこれでよかったのかな、と思ったりもした。

 でも、何にしても随分久しぶりにくらもちふさこの世界に耽溺できたのは、命の洗濯をしたようで嬉しかった。

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みぎわさん

 「もうすぐ塾の入り口のアマリリスが咲くぞ」
と嬉しそうに私が言ったら、一人の女子生徒が
 「アマリリスって何?」
とトンチンカンなことを訊いてきたので、
 「玄関の横にある小さな花壇に植えてある花のこと」
と答えたところ、
 「なんだぁ、みぎわさんの犬のことかと思った」
とさらにトンチンカンなことを言ったので、私がキョトンとしていたら、
 「みぎわさんて、まるちゃんの同級生」
なるほど、ちょっとごっつい顔しているけど、めちゃめちゃ女の子っぽいあのみぎわさん。


 『みぎわ花子。まる子のクラスの学級委員。花輪君のことが大好き♡
  他の女の子が花輪君と仲良くしていたりするとやきもちを焼く。
  バレエを習っている。飼っている犬の名前は「アマリリス」。  お母さんも似たような顔。お母さんからは「はなこさん」と呼ばれている。
  みぎわさんのおじいちゃんの誕生日は4月23日。冬田さんと気が合う』

 本当だ!さらに調べてみたところ、その犬はブルドッグだそうな・・。しかもちょっとみぎわさんに似ているという噂も・・。
 まあ、ナルシスト気味のみぎわさんなら不細工な犬にでも「アマリリス」という名前を付けそうだが、このところアマリリスに心を奪われている私にとっては、かなり不満を感じる命名だ。だって、みぎわさんの「アマリリス」って、こんな顔してるんだよ。


 愛嬌があるって言えば言えるかもしれないけど、豪奢な花をつけるアマリリスには似ても似つかぬご面相・・。ちょっとアマリリスに失礼だ。
 多分、この犬に名前を付けた人はアマリリスがどんな花を咲かせるのか知らなかったのではないだろうか。かく言う私も、その一人だったから、そんな気がしてならない。アマリリスという花は、社会的な認知度が案外低いのかもしれない。
 さくらももこがその辺りを鑑みて、わざと不細工犬にアマリリスという名を与えたとしたならば、彼女の洞察力の鋭さには脱帽するしかない・・。


 
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ほうれん草

 父のミニ畑のほうれん草が収穫できるようになった。


 他の野菜、キュウリ・ナス・トマトなどと比べると圧倒的に早く収穫できる。
 父が畑から採ってきたほうれん草を、台所にどんと置いておくと、妻がそれを洗って調理する。と言っても、もっぱら茹でて食べるばかりだが・・。でも、それが一番美味いと思う。茹でたほうれん草を適当な大きさに切って、ゴマをふって醤油をかける。もうそれだけでいい。


 これだけで茶碗何杯もご飯が食べられる。最高だ!

 「ほうれん草ばかり食べてたらポパイになれるだろうか?」
子どもの頃はほうれん草を食べながら思ったものだった。ほうれん草を食べたポパイは無敵だった。ブルートという大男をワンパンチで吹っ飛ばしてしまうんだから・・・。


 でも、オリーブってそんなに魅力的だろうか?子供心にも。余り可愛くもないオリーブを巡って大の大人が諍いを繰り返すなんて不思議でたまらなかった。「アメリカ人の趣味は分からんなあ・・」ずっとそう思っていたし、今でもそう思う。第一、オリーブ・オイルなんて名前、ふざけてる・・。
 まあ、そんなことはどうでもいいけど、YouTube から一作見つけてきた。50年以上も前のアニメだなんて知ると、懐かしさよりも驚いてしまう。


 結構残酷な話だが、明るい感じで終わってしまうのだから、やっぱりアメリカ人の感覚は、よ~分からん・・。
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「藤子・F・不二雄ミュージアム」

 時々思いついて、ブログパーツに何かいいものはないか?と調べてみるのだが、『藤子・F・不二雄ミュージアム』からの、『カウントダウンブログパーツ』というものを見つけた。「ミュージアムオープンまでのカウントダウンとともに、 F先生のマンガのひとコマを表示してくれます」とあったので、早速貼ってみた。

 本日6月6日のF言葉は、「だれにもきげんの悪いときはあるもんだ」と正太君が言えば、オバQが「そりゃまあそうだけど」と答える他愛もないものだけど、箴言めいて妙に心に残る。これと言った理由もなく、何となく不機嫌な日というものは誰にでもあるだろう。そんな日にどう過ごすか、どう他人と上手くやっていくかが社会生活を営む人間にとっては大事なことなんだよ、とQ太郎が教えてくれているような気がする・・。

 しかし、この『藤子・F・不二雄ミュージアム』とはどんなものだろうか?その設立趣意をHPから引用してみる。

『長年、川崎市多摩区に住み、子どもたちのために数多くのまんがを描き続けた藤子・F・不二雄は、川崎市文化賞を受賞するなど、川崎市とは深い縁がありました。
藤子・F・不二雄夫人の「藤本の作品を応援してくれた子どもたちへ恩返しをしたい」との想いから、このミュージアム計画が生まれ、藤子・F・不二雄の作品世界やメッセージを、原画などを通じて、幅広い世代に伝えていく文化施設として誕生しました』

 なるほど、「オバケのQ太郎」「パーマン」「ドラえもん」「キテレツ大百科」など数々の名作を生み出した藤子・F・不二雄だけに記念館が今までなかったのが不思議なほどだ。
 このミュージアムは7つのコンセプトからできているあそうだ。すなわち、

【まんが】原画の魅力に直接触れ、作品を心ゆくまで味わい、大人も子どもも、「まんが世界」の楽しさを感じてもらえるミュージアム。
【遊びゴコロ】藤子・F・不二雄の「遊びゴコロ」に触れて、大人も子どもも笑顔のミュージアム。
【SF-すこしふしぎ-】藤子・F・不二雄流の「SF -すこしふしぎ-」を体験できるミュージアム。
【コミュニケーション】親子、家族、友だち、そして町の人々みんなと楽しく一緒に育てていくミュージアム。
【新しい発見】ここでしか見ることができない、原画展示や映像。訪れた人の好奇心を満足させる何度も来たくなるミュージアム。
【自然】周りの自然と共存し、季節を感じるミュージアム。
【ホスピタテリティ「おもてなし」】訪れた人が気持ちよくすごせる「心地よい」ミュージアム。

 このミュージアム、川崎市の持つ公共施設らしいが、財政難の折、批判も少なからずあるかもしれない。しかし、いくら財政が逼迫したとしても文化を楽しむ心のゆとりは持っていなければならない。藤子・F・不二雄大全集を集めている、ドラえもん好きの娘もきっと同意見だろう・・。
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マガジン・サンデー

 昨日、郵便局に行ったら、面白い切手を見つけた。「週刊少年漫画50周年Ⅰ」というもので、「少年マガジン」と「少年サンデー」の2種類があった。各シートにはそれぞれの雑誌で連載された人気漫画のキャラクターが10ずつ描かれていて、私のような者には、懐かしさと嬉しさがこみ上げてくる、まさに垂涎の代物だった。3月17日に発売されたようだから、2ヶ月近くもこの切手の存在を知らなかったことになる。迂闊だった・・。己の失策を償うためにすぐに購入した。
 私は小学生の頃から毎週マガジンとサンデーを買っていた。自分の部屋の本棚には何年ものバックナンバーが並んでいた。一番多い頃にはこの二雑誌以外にもジャンプとチャンピオンも買っていたから、部屋中が漫画本だらけだった。成人して、チャンピオンを買うのをやめ、ジャンプも15年ほど前から読まなくなってしまったが、マガジンとサンデーは、息子が大学に入って家からいなくなるまでずっと買っていた。最後の何年かは、ほとんど読まなくなってしまったものの、家の誰かが読むだろうと思って、半ば惰性で買い続けていた。
 そんな両雑誌の古くからのファンであった私にとって、この切手に描かれたキャラクターたちは、古い友人のようで、久しぶりに会えて、言葉に表せないほど嬉しい。

 

 描かれているキャラクターは、


<少年マガジン>(1) 8マン (2) 巨人の星 (3) ゲゲゲの鬼太郎 (4) 天才バカボン (5) あしたのジョー (6) タイガーマスク (7) 空手バカ一代 (8) 愛と誠 (9) 釣りキチ三平 (10) 翔んだカップル

<少年サンデー>(1) おそ松くん (2) カムイ外伝 (3) パーマン (4) ダメおやじ (5) プロゴルファー猿 (6) まことちゃん (7) がんばれ元気 (8) うる星やつら (9) サイボーグ009 (10) タッチ


 どれもこれも大好きな漫画ばかりだが、やはり「巨人の星」と「あしたのジョー」は別格だ。(マガジンには梶原一騎の原作作品が5作も入っている・・)このことだけでも、私がサンデーよりもマガジンファンだったことが分かる。でも、切手に載せられた20作品どれもが私の好きな作品であったのは、実に喜ばしい限りである・・。

 5月22日にはが発売される予定だそうだ。ラインナップを見ると、結構新しいキャラクターが入っていて、私には縁が薄いような気もするが、それでもやっぱり買わなくちゃいけないだろう。楽しみだ・・。
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藤子・F・不二雄大全集

 娘から買ってくれと要求が出ているのが、「藤子・F・不二雄大全集」。ドラえもん好きの娘にとってはまさに垂涎の全集だが、卒業を控え、あれこれ物入りの娘にはこの全集に回すだけのお金がないらしい。そこで妻を介して買ってくれないかな、と打診がきたのだが、かわいい娘にねだられたら買ってやらないわけにはいかない。7月から毎月2~3冊のペースで刊行が始まっていて、今月末には早くも8巻刊行されたことになるらしい。1冊1500円前後するから毎月少しばかり嵩んでくるが、本代には糸目をつけるな、と小さな頃から教えてきた私がここで躊躇するわけにはいかない。「就職祝いだな」と名目をつけて買ってやることにした。
 で、その全集に収録される予定の作品は、

第1期
「ドラえもん」1-8巻(全20巻、9巻以降は2期以降での刊行)
「オバケのQ太郎」1-5巻(全12巻、6巻以降は2期以降での刊行)
「パーマン」全8巻
「キテレツ大百科」全2巻
「エスパー魔美」全5巻
「バケルくん 」
「海の王子」全3巻
「ジャングル黒べえ」

 これだけでも十分楽しめそうだが、第2期以降には「ドラえもん」や「オバケのQ太郎」の続編以外にも「21エモン」や「ウメ星デンカ」がラインナップされているから、続けて買わなくちゃいけなくなる。まあ、それも私が買うことになるんだろうな、やっぱり・・。
 「ドラえもん」はかつて単行本が全巻家にあったから読破しているはずだが、私にはやはり「オバケのQ太郎」と「パーマン」の方が懐かしい。懐かしいというよりも、「オバQ」と「パーマン」を見て育ったといっても過言ではないから、まさしく私の血肉になっているはずだ。それはかつてこのブログにも載せたことがある「オバQ」の絵を見れば一目瞭然だ。オバQの絵だけは誰にも負けない自信があり、それを見事に証明してみせた珠玉の逸品。再掲になるが・・、


久しぶりに見たが、我ながら素晴らしい出来だ・・。
 だが、私の得意な絵はもう一つある。それは何を隠そう「パーマン」だ。子供の頃は、暇があればオバQかパーマンの絵を描いていたような気がする。で、さっそく描いてみた。


う~~~ん、久しぶりに「おえかきツール」を使ったものだから、思うように描けなかった・・。自分の絵心の10分の1も発揮されていないようで残念至極だが、「全集」が届いたら、しっかり勉強して、マウスの使い方ももっと上手にして、再チャレンジしてみようと思う。
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ガンダム(2)

 東海地区限定の「朝までガンダム」が先週の土曜11日に完結した。5月20日の記事に書いたように、最初の放送でキー局となった名古屋テレビ(メ~テレ)がガンダム生誕30周年を記念し、全43話を2ヶ月にわたって完全放送したものだ。毎回録画したため、私にはファーストガンダムがいつでも見られることになった。と言っても、途中まだ何話かは見ていないから、それほど立派なことはいえないが、今なお多くの人がガンダムに熱中している理由の一端が仄見えたような気がしている。否応なしに戦わねばならなくなった人間の苦悩が描かれていて、アニメの域を超えている・・。
 記念行事は全国規模で広がっているようで、お台場には等身大の高さ18mのガンダムが造られた。写真を見る限りでは精巧でまさに本物のガンダムといった趣がある。


 塾生の女子高生で、父親がガンダムの大ファンだという子がいる。家にはガンダム部屋なるものがあって、様々なガンダムグッズが所狭しと並んでいるのだそうだ。その子が「夏休みにお父さんとお台場まで1分の1ガンダムを見に行く」と言っていたが、私はそこまでしたくなるほどガンダムに入れ込んでいるわけではない。ただ30年前最初に放送された「ガンダム」を何回か見たことがあり、それまでのTVアニメとは一風変わった切り口で戦闘ロボットを描いていた記憶があったから、懐かしさも手伝って、この際全編見てみようと思って録画したのだった。
 しかし、縁とは不思議なものだ。録画した最終話を見終わった14日の火曜の毎日新聞夕刊に、名古屋テレビでガンダムのプロデューサーを務めた関谷渉さん(77)のインタビューが載っていた。それによると、79年4月7日に放送開始したものの、視聴率は低迷を続けた。6月に姿を消したシャアを復活させてテコ入れを図ったものの、視聴率はさしたる好転はしなかったため、結局翌年の1月いっぱいでの番組打ち切りが決まってしまった。全52話の予定が43話で終了してしまったのだそうだ。こうした事情をまったく知らなかった私は驚いたが、放送終了後もファンの熱い支持が続き、何度も再放送され、82年の再放送の平均視聴率は25.7%を記録し、最初の放送の2.8倍にもなったという。これにも驚きだが、ガンダムの魅力を関岡さんは次のようにまとめている。
「単なる戦争のアニメじゃない。敵方に魅力のある人物が大勢登場した。敵方が死んだ時、アムロたちは喜ばず、悲しんだ。敵と味方を超える深い愛情があった。疑問を持ちながら戦い、戦争には常に悲しみがあるという考えを貫いた」
戦争を知る世代の言葉として、重い響きを持っている。

 小説であれ、映画であれ、アニメであれ、名作と呼ばれるものには「正しい読み方や見方」があるように言われ、それを外れると邪道のように言われてしまうことも多い。だが、そうしたガイドラインこそが名作を歪めてしまう元凶となるのではないか。実際に読みもせず、見もせずに、世間の風評を鵜呑みにして、満足してしまうのは最も避けるべきことであろう。私もいつしかその陥穽にはまっていたが、私の目をくらましていた先入観を排除するため、従来はとても見向きもしなかったものにも近年は積極的に接しようとしている。そこから自分が感じ取ったもののみが己の糧になるものと信じ、今更ながらと思わぬでもないが、自分の知らなかった世界に足を踏み入れ、自分の幅を少しずつでも広げていきたいと思っている。

 でも、宮台はやっぱり無理。全く読む気が起らない・・。
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