議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

悪いのは電力会社?

2011年07月31日 23時15分19秒 | 余談コーナー
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
 本ブログはメルマガでも配信しています。
 お申込、詳細についてはこちらをご覧ください。
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

実は今回の原発事故、東京電力をそう責めることはできないと思って
います。

日本は大量に電力を使いながら経済発展を遂げてきたわけですが、
その供給源をどうするかについては、ほとんど電力会社と国に丸投げ
でした。

そして、電力会社は原子力を使わないという選択肢はなかった
のではないでしょうか。そもそも、原発に依存していない経済大国は
ないのですから。
特に、地球温暖化問題が出てきてからは、ブレーキをかけることなど
出来なかったはずです。

そんな中、新しい事実やデータが出てきても、それを元に基準や計画
を変更した場合の影響の大きさを考え、専門家がそのデータを
無視してしまったという気持ちは良く分かります。
私がその立場にあったら、正しい判断を下せたのか、大いに疑問です。

■再発防止策
責任を問う必要はない、とは言いません。
しかしそれよりも、いかにして実効性のある再発防止策を打ち立てるのか
が問題です。
原子力安全保安院を独立させるとか色々組織、体制を考えているようですが、
最終的には責任者個人の勇気と倫理感に頼ることになってしまいます。
なんとも心もとない・・・。

結局、適切な世論を形成することにより、責任者が安心して正しい判断が
できるように後押ししてやる(プレッシャーをかける)必要があるのでしょう。
それを十分にしてこなかった国民の責任も、当然問われなければなりません。

そういえば、薬害の問題も、アスベストの問題も、一部のマニアしか注目して
いなかったために、大変な問題になったのです。普天間の問題も、TPPも、
社会保障制度の問題も、放っておくと大変なことになります。もちろん、
制度疲労を起こしている廃棄物処理法も。

このような問題をしっかりと取り上げるマスコミを育てること、これも国民
の責務です。この震災を機に、どんなテレビ、新聞、雑誌、本を買うのかも
改めて考え直してみます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

中国の高速鉄道の事故、あんな事故を起こす国が原子力発電所を今後
72基まで建設、運転する予定であるなんて、恐ろしいことです。
仮に原子力発電の安全性が技術的に完成したとしても、その技術を
適切に使えるかどうかは、やはり人にかかっているのです。

世界的には原発推進の動きは止まっていません。
冷静に考えれば考えるほど、これからも世界のどこかで原発事故は
起こると想定せざるを得ません。

隣国が日本と同じ過ちを犯すのを止めるためには、有力な代替エネルギーの
開発をするしかないのでしょうか。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 田舎で働きたい人募集!! | トップ | テナントの契約をビル管理会... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

余談コーナー」カテゴリの最新記事