9/10(土) 仙台市内→石巻→女川→江島→女川→石巻
それでは女川の江島に向かいましょう。
江島への船はシーパル女川汽船が運航しており、1日3往復あります。1便目は女川に宿泊しない限り乗れない時間なので2・3便を利用します。まずは仙台8時20分発の仙石東北ラインで石巻に向かいます。9時21分着で、9時33分発の女川行きに接続しています。
「マンガッタンライナー」でした。石巻に縁のある石ノ森章太郎先生の作品がラッピングされたもので、仙石線の電車に加え今年新たに仙石東北ラインの車両にもラッピングされました。今は石巻に行くのは仙石東北ラインが主流ですよね。
9時59分に女川に到着。お昼ご飯を買って港に向かいます。「おんまえや」が営業再開しており、定期船乗り場のすぐ近くなのでお弁当を買いに行ってみましょう。
「おんまえや」は女川の地場スーパーで、震災では店が全壊し9名の従業員が亡くなるか行方不明となり、9年かけて再建したお店です。遠洋業業の船に食料品などを納める業務もやっており、女川港や石巻港だけでなく遠い清水港や焼津港にも拠点があるようです。「御前屋」と書いて「おんまえや」と読むらしいので、御前崎のある静岡と何らかの縁があるのでしょうね。
ターミナルの窓口で乗船券を買って「しまなぎ」に乗りましょう。
女川 10:30発→江島 11:00着 江島在島時間5時間25分
江島 16:25発→女川 16:55着
設営時間を引いても4時間半以上なのでバッテリ運用では厳しいです。そこで通常はQSOの合間に取る食事をリグの電源を切って休憩しながら食べることにしました。完全に電源を切ることでバッテリも休ませることができます。
30分で江島到着です。
設営場所は漁港の防波堤にしました。いい具合に柵があり、塩害で朽ちかけているものの強度に問題がなかったのでこれを利用します。ちなみに外洋に面している側には大きなテトラポットが置かれています。伊豆諸島などでしか見ないような大型で、それだけ波が高いのでしょうね。
11時25分にスタートです。昨日と同じく近場中心ですが、さすがに土曜なので少しは呼ばれます。FT-817の内蔵バッテリも活用します。もちろん標準のバッテリではなく電池ボックスに単3のニッケル水素を入れているので容量はそれなりあります。
先日沖縄のJR6XKQ局が817に入れたリチウムイオンのバッテリが膨れた様子を公開されていましたが、熱がこもりやすい817にはリチウムイオン電池を積むのはリスクがありそうですね。特に夏場は注意が必要です。
12時30分で呼ばれなくなりましたのでここで休憩です。電源を切ってお弁当です。チキンの香草焼き弁当です。海風が涼しいのですが日差しは強く、日焼け止めを塗っていないと確実に日焼けします。
食べ終えてワッチしてみると21MHzで台湾の日本人OPの方が聞こえます。呼んでみたら取ってもらえました。先方も「そんな島があるのですね」と驚いていました。八重山も開いており竹富島の上間OMの声も聞こえていました。
13時10分に再開です。休んでCondxの好転を待ったかいがあり、8や3なども聞こえてきました。時間を追う毎にCondxが上向いてきてFBです。いいペースで呼ばれ続けます。
そもそも女川町自体が珍しい方ですから「女川町ファーストです」との声が結構あります。ましてや旅客船でしか行けない江島であればほとんどQSOのチャンスがないですよね。都心部では張れないフルサイズのダイポールを張ることができますから電波も強くできますし、耳も良くできます。なので離島移動は私にはぴったり合っていたのですが、JIAはなくなっちゃうんですよね・・・
15時を回ってメインバッテリの電圧が下がってきました。ここまで温存してきた4500mAHの補助バッテリに交換します。まだまだ一時間以上は十分乗り切ることができます。
あとは本人の気力と体力だけ。最後30分は追い込みになります。残りの気力と体力を振り絞ってペースを上げます。15時55分で終了です。片付けましょう。
帰りの「しまなぎ」がやってきました。乗り込みましょう。結構揺れましたが追い波なので何とかなりました。
帰りの列車は17時52分発です。しばらく時間があるので女川駅周辺で過ごします。駅前のお店は16時で閉店しており、19時まで営業している「おんまえや」くらいしかありません。明日の朝食を買っておきました。
帰りは松田聖子さんのセカンドアルバム「North Wind」(1980年12月)を聴いてみましょう。この年の4月に「裸足の季節」でデビュー、次の「青い珊瑚礁」が大ヒットし一躍トップアイドルとなった聖子さんは阿久悠・筒美京平・阿木燿子・馬飼野康二といった70年代の作家陣を敢えて起用せず、それ以前のアイドルを一気に時代遅れにしてしまいます。
またオリジナルアルバムにおいてもテーマを持たせ、収録曲のクオリティを上げることで「アルバムが売れるアイドル」になっています。70年代のアイドルは年2枚のオリジナルアルバムを出すことが定番でしたが、その間にリリースされた2枚のシングルのA面とB面を収録し(これで4曲)、あと6曲はシングル化に至らなかったボツ曲などを適当に詰め込んだだけで、中にはB面は海外アーチストのカバーだったとか粗雑な作りになっていました。シングルの4倍の値段だけにコアなファンのコレクターズアイテムにしかならず、「アイドルはシングルが売れれば良い」という考えもあって山口百恵さんでも売れて数万枚だったようです。
「North Wind」の売り上げは26.5万枚だったとされ、いかに破格であったか分かると思います。アルバムを売る戦略はプロデューサーの若松宗雄さんがニューミュージックのやり方を取り入れたとされますが、シングルで言えば100万枚相当の売り上げ額になるので大きかったようです。
背景はここまでにしておき、「North Wind」は後述する1曲を除いて三浦徳子さん・小田裕一郎さんのコンビで、秋から冬の曲でまとめています。
1曲目の「白い恋人」からいきなり伸びやかなボーカルの魅力を見せてくれます。3曲目の「North Wind」がアルバムの鍵になる曲で、叩きつけるようにボーカルで圧倒しています。4曲目の「冬のアルバム」で落ち着かせて5曲目(A面のラスト)に「風は秋色」を持ってきています。「風は秋色」は「青い珊瑚礁」のイメージをほぼ保つ形で秋に持ってきた曲ですが、この曲が勢いを上手くつないだことで、次のシングル「チェリーブラッサム」が際立つようになっています(この辺は次のアルバムで)。
よっこらせとレコードをひっくり返す必要はなくなり、続けて再生される6曲目の「Only My Love」が秀逸です。聖子さんご自身のお気に入り曲の一つだそうですが、デビュー初期の聖子さんだけが持つ圧倒的な伸びのある声には圧倒されます。アイドルの定義が今と当時で違うとはいえ、全盛期のAKBにも乃木坂にもこれだけのボーカルはいなかったですよね。
異質なのが平尾昌晃さんが作曲した8曲目の「Eighteen」です。この曲はNHKの歌番組「レッツゴーヤング」の番組内若手ユニット「サンデーズ」のメンバーであった聖子さんのために司会も務めていた平尾さんが書いた曲です。NHKに配慮したためか「風は秋色」と両A面になっています。聖子さんはサンミュージックへの所属が決まるまで福岡にあった平尾さんのボーカルスクールに通っており、元々縁があったのですが提供曲はこの1曲のみです。
敢えてオールディーズにしているとはいえ、他の9曲とはやはりイメージが違っており、敢えて70年代の作家陣を起用しなかった若松さんの戦略が正しかったことを証明している感じです。良質な曲なのですが、坂本冬美さんで言えば「夜桜お七」に対する「ブッダのように私は死んだ」的存在なんですよね。
「North Wind」は特にA面の押しと引きのバランスが良く、アイドルとしてよくできたアルバムです。秋冬に聴いてみるにはよい1枚だと思います。今は失われた42年前の伸びやかな声がこうして残っていることってすごいですよね。
石巻到着。仙台まで戻ることは可能ですが、ジャニーズの「なにわ男子」のコンサートで宿の値段がつり上がっており、石巻泊としました。のんびり地酒と魚を楽しみたいと思います。
宿近くの「くいしん坊」で。お刺身と日本酒を楽しんだら石巻らしい料理を楽しみます。
石巻おでんです。練り物の産地ですし、ホヤも入ったおでんです。
石巻焼きそばで締めです。
本日は177局でした。ありがとうございました。
それでは女川の江島に向かいましょう。
江島への船はシーパル女川汽船が運航しており、1日3往復あります。1便目は女川に宿泊しない限り乗れない時間なので2・3便を利用します。まずは仙台8時20分発の仙石東北ラインで石巻に向かいます。9時21分着で、9時33分発の女川行きに接続しています。
「マンガッタンライナー」でした。石巻に縁のある石ノ森章太郎先生の作品がラッピングされたもので、仙石線の電車に加え今年新たに仙石東北ラインの車両にもラッピングされました。今は石巻に行くのは仙石東北ラインが主流ですよね。
9時59分に女川に到着。お昼ご飯を買って港に向かいます。「おんまえや」が営業再開しており、定期船乗り場のすぐ近くなのでお弁当を買いに行ってみましょう。
「おんまえや」は女川の地場スーパーで、震災では店が全壊し9名の従業員が亡くなるか行方不明となり、9年かけて再建したお店です。遠洋業業の船に食料品などを納める業務もやっており、女川港や石巻港だけでなく遠い清水港や焼津港にも拠点があるようです。「御前屋」と書いて「おんまえや」と読むらしいので、御前崎のある静岡と何らかの縁があるのでしょうね。
ターミナルの窓口で乗船券を買って「しまなぎ」に乗りましょう。
女川 10:30発→江島 11:00着 江島在島時間5時間25分
江島 16:25発→女川 16:55着
設営時間を引いても4時間半以上なのでバッテリ運用では厳しいです。そこで通常はQSOの合間に取る食事をリグの電源を切って休憩しながら食べることにしました。完全に電源を切ることでバッテリも休ませることができます。
30分で江島到着です。
設営場所は漁港の防波堤にしました。いい具合に柵があり、塩害で朽ちかけているものの強度に問題がなかったのでこれを利用します。ちなみに外洋に面している側には大きなテトラポットが置かれています。伊豆諸島などでしか見ないような大型で、それだけ波が高いのでしょうね。
11時25分にスタートです。昨日と同じく近場中心ですが、さすがに土曜なので少しは呼ばれます。FT-817の内蔵バッテリも活用します。もちろん標準のバッテリではなく電池ボックスに単3のニッケル水素を入れているので容量はそれなりあります。
先日沖縄のJR6XKQ局が817に入れたリチウムイオンのバッテリが膨れた様子を公開されていましたが、熱がこもりやすい817にはリチウムイオン電池を積むのはリスクがありそうですね。特に夏場は注意が必要です。
12時30分で呼ばれなくなりましたのでここで休憩です。電源を切ってお弁当です。チキンの香草焼き弁当です。海風が涼しいのですが日差しは強く、日焼け止めを塗っていないと確実に日焼けします。
食べ終えてワッチしてみると21MHzで台湾の日本人OPの方が聞こえます。呼んでみたら取ってもらえました。先方も「そんな島があるのですね」と驚いていました。八重山も開いており竹富島の上間OMの声も聞こえていました。
13時10分に再開です。休んでCondxの好転を待ったかいがあり、8や3なども聞こえてきました。時間を追う毎にCondxが上向いてきてFBです。いいペースで呼ばれ続けます。
そもそも女川町自体が珍しい方ですから「女川町ファーストです」との声が結構あります。ましてや旅客船でしか行けない江島であればほとんどQSOのチャンスがないですよね。都心部では張れないフルサイズのダイポールを張ることができますから電波も強くできますし、耳も良くできます。なので離島移動は私にはぴったり合っていたのですが、JIAはなくなっちゃうんですよね・・・
15時を回ってメインバッテリの電圧が下がってきました。ここまで温存してきた4500mAHの補助バッテリに交換します。まだまだ一時間以上は十分乗り切ることができます。
あとは本人の気力と体力だけ。最後30分は追い込みになります。残りの気力と体力を振り絞ってペースを上げます。15時55分で終了です。片付けましょう。
帰りの「しまなぎ」がやってきました。乗り込みましょう。結構揺れましたが追い波なので何とかなりました。
帰りの列車は17時52分発です。しばらく時間があるので女川駅周辺で過ごします。駅前のお店は16時で閉店しており、19時まで営業している「おんまえや」くらいしかありません。明日の朝食を買っておきました。
帰りは松田聖子さんのセカンドアルバム「North Wind」(1980年12月)を聴いてみましょう。この年の4月に「裸足の季節」でデビュー、次の「青い珊瑚礁」が大ヒットし一躍トップアイドルとなった聖子さんは阿久悠・筒美京平・阿木燿子・馬飼野康二といった70年代の作家陣を敢えて起用せず、それ以前のアイドルを一気に時代遅れにしてしまいます。
またオリジナルアルバムにおいてもテーマを持たせ、収録曲のクオリティを上げることで「アルバムが売れるアイドル」になっています。70年代のアイドルは年2枚のオリジナルアルバムを出すことが定番でしたが、その間にリリースされた2枚のシングルのA面とB面を収録し(これで4曲)、あと6曲はシングル化に至らなかったボツ曲などを適当に詰め込んだだけで、中にはB面は海外アーチストのカバーだったとか粗雑な作りになっていました。シングルの4倍の値段だけにコアなファンのコレクターズアイテムにしかならず、「アイドルはシングルが売れれば良い」という考えもあって山口百恵さんでも売れて数万枚だったようです。
「North Wind」の売り上げは26.5万枚だったとされ、いかに破格であったか分かると思います。アルバムを売る戦略はプロデューサーの若松宗雄さんがニューミュージックのやり方を取り入れたとされますが、シングルで言えば100万枚相当の売り上げ額になるので大きかったようです。
背景はここまでにしておき、「North Wind」は後述する1曲を除いて三浦徳子さん・小田裕一郎さんのコンビで、秋から冬の曲でまとめています。
1曲目の「白い恋人」からいきなり伸びやかなボーカルの魅力を見せてくれます。3曲目の「North Wind」がアルバムの鍵になる曲で、叩きつけるようにボーカルで圧倒しています。4曲目の「冬のアルバム」で落ち着かせて5曲目(A面のラスト)に「風は秋色」を持ってきています。「風は秋色」は「青い珊瑚礁」のイメージをほぼ保つ形で秋に持ってきた曲ですが、この曲が勢いを上手くつないだことで、次のシングル「チェリーブラッサム」が際立つようになっています(この辺は次のアルバムで)。
よっこらせとレコードをひっくり返す必要はなくなり、続けて再生される6曲目の「Only My Love」が秀逸です。聖子さんご自身のお気に入り曲の一つだそうですが、デビュー初期の聖子さんだけが持つ圧倒的な伸びのある声には圧倒されます。アイドルの定義が今と当時で違うとはいえ、全盛期のAKBにも乃木坂にもこれだけのボーカルはいなかったですよね。
異質なのが平尾昌晃さんが作曲した8曲目の「Eighteen」です。この曲はNHKの歌番組「レッツゴーヤング」の番組内若手ユニット「サンデーズ」のメンバーであった聖子さんのために司会も務めていた平尾さんが書いた曲です。NHKに配慮したためか「風は秋色」と両A面になっています。聖子さんはサンミュージックへの所属が決まるまで福岡にあった平尾さんのボーカルスクールに通っており、元々縁があったのですが提供曲はこの1曲のみです。
敢えてオールディーズにしているとはいえ、他の9曲とはやはりイメージが違っており、敢えて70年代の作家陣を起用しなかった若松さんの戦略が正しかったことを証明している感じです。良質な曲なのですが、坂本冬美さんで言えば「夜桜お七」に対する「ブッダのように私は死んだ」的存在なんですよね。
「North Wind」は特にA面の押しと引きのバランスが良く、アイドルとしてよくできたアルバムです。秋冬に聴いてみるにはよい1枚だと思います。今は失われた42年前の伸びやかな声がこうして残っていることってすごいですよね。
石巻到着。仙台まで戻ることは可能ですが、ジャニーズの「なにわ男子」のコンサートで宿の値段がつり上がっており、石巻泊としました。のんびり地酒と魚を楽しみたいと思います。
宿近くの「くいしん坊」で。お刺身と日本酒を楽しんだら石巻らしい料理を楽しみます。
石巻おでんです。練り物の産地ですし、ホヤも入ったおでんです。
石巻焼きそばで締めです。
本日は177局でした。ありがとうございました。