[千葉県山武郡大網白里町が市制施行か]
千葉県の外房にある山武郡大網白里町の人口が昨年の国勢調査で5万人を越え、町では市制準備室を発足させて単独での市制施行を目指しているそうです。同町のOMさんから情報を頂きました。
現在は市への移行の是非、新市名について住民にアンケートを取っている状態で、市に昇格するにしてもおそらくは来年以降ではないかと思われます。
大網白里町は昭和29年に現在の形となりましたが、京葉線の一部電車が乗り入れて東京駅まで約1時間とアクセスがよくなったため、サーフィンを趣味とする人たちや定年退職者が移住して人口がじわじわと増えているようです。早朝に少し海に出てから東京に通勤するというライフスタイルは湘南でも見かけますが、大網白里は地価が湘南より安いでしょうからお手軽に実現できるのではないかと思います(ちなみに湘南で東京から1時間なら茅ヶ崎や鎌倉あたり)。
なお、山武郡は他に九十九里町や芝山町などがありますので、仮に大網白里町が市に昇格しても消滅郡とはなりません。
[北海道エアシステムが利尻線を開設]
北海道エアシステム(HAC)が10月1日から新たに札幌丘珠-利尻線を開設するそうです。これまで札幌新千歳-利尻を運航してきた全日空が9月末で運航休止となるため代わりの就航となったようです。HACはSAAB340という小型プロペラ機ですのでジェット機での運航だった全日空からは大幅な座席減となりますが、新千歳まで行く手間が省けますから札幌市内から利尻までのアクセスは向上するとも言われています。
HACは元々北海道とJASとが共同出資した航空会社で、JALとJASの統合後も北海道のローカル路線を担ってきましたが、JALの経営危機によりJALが資本を引き上げることになりJALグループから離脱、北海道が筆頭株主となっています。同時に拠点空港を丘珠空港に変更しています。
北海道には全日空系の第三セクター・エアー北海道もありましたが膨大な赤字を抱えて会社解散となり、その後も全日空は機材老朽化(本音は不採算)を理由に丘珠空港から撤退するなど北海道の不採算路線を切り捨てていますのでHACにかかる期待は大きいようです。
HACは8月末をもってJALの予約システムからも離脱する予定で、自社サイトでの予約に変わるほか、乗り継ぎや手荷物の扱いがJALグループ内からグループ外の扱いに変わります。引き続き加算されるJALマイレージバンクのマイルを除けばJALとのつながりは弱くなります。
[沖縄県の離島空路活性化事業が継続中]
昨年秋に始まった沖縄県の小規模離島への空路活性化事業が来年3月末まで継続されています。対象となるのは那覇-粟国、-久米島、-北大東、-南大東、宮古-多良間、石垣-与那国の6路線で、久米島以外は往復割引の値下げがあるため一般観光客でも利用できます。
昨年後半はこの事業で乗客が6.3%増えたとのことで、「沖縄小さな島物語」として専用サイトを立ち上げるなど力が入っているようです。
対象となる島はもちろん沖縄のアマチュア無線50年祭で特別コールサインの対象になっていますからいいチャンスではないかと思います。
[スカイマーク参入で那覇-宮古間が値引き合戦に]
先にお知らせしたスカイマークの那覇-宮古線への参入が紆余曲折の末9月15日からと正式決定しました。
早速就航記念として格安運賃を発表、従来からこの路線を運航するJTA(日本トランスオーシャン航空)も対抗して値下げするとさらにスカイマークも値下げしており就航前から互いに値下げを繰り返す値下げ合戦になっています。
現在のところスカイマークは9/24~30までの間で普通運賃が片道7,500円、5日前までの予約が必要な「前割5」で3,800円という極端に安い運賃を発表しています。
JTAは宮古島在住者の「離島割引」で片道7,800円、45日前までの予約で適用される「スーパー先得」を全便3,800円に引き下げています。さらに沖縄県在住者限定ですがダブルマイルキャンペーンも行うなど迎撃体制を整えています。以前でしたらJTAのスーパー先得でも最安値で7,800円前後でしたからびっくりするような運賃です。この運賃ならマイルの上級会員になる条件である搭乗回数がばんばん稼げますね。1日最大8回の搭乗回数を稼げて費用が30,400円で済みます。JGCを目指すいわゆる「マイル修行僧」には朗報じゃないでしょうか?
このように宮古島への運賃が相当に下がっており、日帰りでも割高感のないレンジに下がっています。時間の上でも旅費の上でも渡嘉敷や座間味へ高速船で遊びに行くのとあまり変わらないのではないかと思います。
元々那覇-宮古間は那覇-石垣間に比べて乗客数が多くはなく、現在でも過当競争気味です。宮古ではかつて那覇-下地島に参入したものの数ヶ月であっさり撤退したエアトランセの例もあります。そんな環境でのスカイマークの宮古参入は新石垣空港開港までの腰掛けじゃないかという説までありその意図が今ひとつ見えてきてない感じがします。
一方JTAはその設立経緯から「県民の翼」と呼ばれており、地元の高い支持を受けてきました。逆に言えばそのためにRACとあわせて不採算の離島路線を維持することを求められてきましたから、スカイマークの格安運賃に対抗することで経営体力を損ねないか心配する声もあります。儲かりそうな路線に限っておいしいとこ取りで路線を設定する航空会社ばかりになると離島が切り捨てられる危険がありますよね。
なお、同じ路線を運航する全日空も対抗してJTAとほぼ同額に値下げしています。ANAはJTAに比べると本土からの旅行者が中心でしたので、よりスカイマークに客が流れやすい環境だと思われます。地元メディアも「スカイマークとJTAの対決」という構図で報道しておりANAはやや取り残されている感があります。
[三宅島へのジェット船試験就航は仕切り直し?]
6月下旬に行われた東海汽船のジェット船による三宅島への試験運航については現在その評価をまとめている途中のようです。
この試験運航はANAの三宅島便の就航率が低すぎて使えないことから、三宅村の要望もあって実現したものです。波が穏やかとされる伊ヶ谷港を使用し、途中の寄港パターンを変えながら約2週間行われました。
期間中は波が高く三宅島欠航となった日が数日あったほか、途中でセブンアイランド愛が機関故障により離脱したため船のやりくりがつかなくなり、運休予定の大型客船を急きょ就航させるなど混乱がありました。このため十分な判断材料が集まっていない模様で、仕切り直しで再度試験運航が行われるかもしれない、とのことです。
航路の再編はかめりあ丸の代替船が就航する約3年後になると言われていますので、まだ時間はあります。今度はぜひ土日にも試験運航をやって欲しいと思います。
沖縄離島の記事は、興味深く拝見しました。
当方マイルや回数狙いではないですが、格安で回数にこだわりのある方にとっては朗報ですね。それ以前に観光にも、ビジネスにもドンドン利用して、路線の確保はお願いしたいところです。
逆に全日空の羽田-大島・八丈島線が減便されたのは同社が2008年以降スーパーフライヤーズ(JALのJGC相当資格)の達成条件を厳しくしてしまい、修行僧が排除されて搭乗率が下がった影響もあったと言われています。
JGCやスーパーフライヤーズの資格を取れば天と地ぐらいサービスが違うわけで、修行してでも取りたいという気持ちも分かります(私は社用と旅行半々でJGCを取得)。今回期せずして絶好の修行の場ができたのですから、修行僧の皆さんには果敢に挑戦して欲しいなぁと思っています。