最近登場回数の多い耳より情報ですが、今回は伊豆諸島方面から。
[青ヶ島会館が今年度末で閉鎖]
青ヶ島は伊豆諸島の中でも渡島困難として知られていますが、万一渡島に失敗したときの駆け込み寺的存在の宿泊施設「青ヶ島会館」が八丈島にあります。これは青ヶ島村が運営しているもので、島民は1500円、一般でも3000円(素泊まり:青ヶ島に行く予定であることを管理人に申告すること)で利用できます。
しかしながら就航率の高いヘリの就航により利用機会が減ったこと、建物が老朽化したことから今年度末をもって閉鎖することになったそうです。今後島民に対しては八丈島での宿泊に補助金を出すそうですが、旅行者には特に何も対策が取られないようです。
来年度以降に青ヶ島に渡られる場合はご注意ください。
[伊豆諸島航路のあり方を東京都や東海汽船が検討中]
伊豆諸島航路は各島の過疎化、観光客の減少で厳しい経営環境に置かれています。伊豆諸島の海運を一手に引き受ける東海汽船も手をこまねいていた訳ではなく、超高速ジェット船の就航など航路改善を行っていますが、乗客の減少に歯止めがかかっていないのが現実です。実際東海汽船はこの数年配当を出せない無配状態が続いており、船の老朽化が進んでも置き換えができない状態です。
このため東京都・伊豆諸島の各町村・東海汽船が「東京都離島航路改善協議会」を設置し、今後の伊豆諸島の航路のあり方について検討を行っているようです。一部内容は三宅村長の施政方針で説明されています。
主な検討内容は以下の通りです。
・需要と採算性を見ながら三宅島に超高速ジェット船を就航させる検討を進める。
(ちょうど現在行われている三宅島へのジェット船の試験運航はこの一環です)
・2014年度に「かめりあ丸」の代替船を新造し、竹芝-三宅島-御蔵島-八丈島航路に就航させる。上り東京行きについては大島に寄港させジェット船との接続を図り所要時間の短縮を検討する。
・耐用年数を超過している、もしくは超過が近い船舶の更新を検討する。
(伊豆諸島開発の還住丸・黒潮丸、神新汽船のあぜりあ丸なんかが対象と思われます)
最近は自力での資金調達が難しい海運会社に対しては地元自治体が船舶を新造し貸し与える公設民営方式が多くなっています。東海汽船に対してどのような形が取られるのかは不明ですが、石原都知事は歴代の知事に比べると島嶼について理解のある知事ですので今後何らかの形で東京都からの支援が入るのではないかと思います。
[小笠原航路の増便を検討中]
世界遺産への指定が確実視されている小笠原へは小笠原海運の「おがさわら丸」で行くことができます。しかしながら小笠原海運は「おがさわら丸」1隻しか持っておらず、週1~2航海と本数が少なく、船のスケジュールによって旅程が決まってしまうのが実情です。
ツアー会社からの引き合いが急増しており、今後旅行客の増加が見込まれることから、需要に合わせて増便を検討しているようです。具体的には週1航海のパターンをなるべく減らす形と思われます。
以前は東海汽船の予備船を活用して増便できたのですが、東海汽船は経営難から予備船を全て売却しており、自社でのやりくりしかできないようです。