RadixのHF/50MHz用V型ダイポールRD-S106は軽量・コンパクトでそこそこの性能であることから使い勝手のいいアンテナです。たまに閲覧履歴を見てみると検索サイトから「RD-S106」のキーワードで来られている方も多いようです。エレメント長が片側2.5mで、V/UHFのアンテナ感覚で設営できるのは魅力的です。
実際のところコイルセットを揃えれば7~50MHzまで使用でき、短縮率の高い7MHzでも国内なら30Wほど入れれば59のレポートが返ってきます。小さな船で離島に行く際にも持ち込みやすく、3アマ以上なら十分使えるアンテナだ思います。
便利なRD-S106ですが、軽量化やコンパクト化のためか一部部品の強度が十分ではなく、長く使っていると強度の弱い部分がトラブルを起こすようです。その一つがバランとエレメントをつなぐ部分で起きる圧着端子の破断です。参考までにメンテナンスの記録をアップします。
問題の部分はこの画像の赤丸で囲った部分です。
バランとエレメントをつなぐ線材は十分な強度のものを使っているのになぜか圧着端子は肉厚が薄く、強度が不十分なのです。この線は使用バンドを変更する場合でも付け替え等の作業はないのですが、マッチングケースの交換などでどうしても線材に当たってしまい、端子のネジ止め部に力がかかるようです。これが繰り返されると圧着端子が破断してしまうという次第です。
うちのRD-S106では買って1年弱で片側が破断し、もう片側も3年弱で破断しました。そこで新しいのを自作しました。ここの長さが違うとエレメント長が違うことになりますから長さをきちんと合わせて作っておきます。
黒がオリジナル、赤が自作したものです。端子の肉厚がかなり違うと思います。肉厚の薄いオリジナルの方は力がかかると金属疲労を起こして破断するようです。
修理後にいつもの猪名川調整場で試し運転をしました。28MHzでEU(スロベニアほか)とQSOできましたので問題なく使えています。この先沖縄に持ってゆく予定ですので、今のうちに補修できたのはラッキーだったかも知れません。