JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

オールJAコンテストの混乱はなぜ起きたのか?

2020-04-28 | シャック便り
4/25~26に開催されたオールJAコンテストでは新型コロナウイルス感染症の拡大を理由に「マルチオペ部門の中止」「移動運用の自粛呼びかけ」が行われました。そもそも部門中止となったマルチオペについてはたいした混乱は確認されませんでしたが、移動運用の自粛については一部で「移動局がQRVした」「QRVする移動局に対して失格など誤った情報を流したり妨害する局が出た」など混乱が見られました。

今回の対応を整理してみましょう。

※以下は私見ですので尾ひれがついて誤解されないよう余所への転載・引用、このブログのリンクなどは禁止とさせて頂きます。


[時系列で整理すると]
・4/16 JARLより「ALL JAコンテストの参加時の運用等のお願いとご注意について」発出。マルチオペ運用の際の注意と「3つの密」を避けるよう注意喚起。

・4/17 今度は「ALL JAコンテストのご連絡ならびに参加時の運用等についてのご連絡」が発出される。マルチオペ部門の中止と移動運用の自粛を呼びかけ。

・4/25 オールJAコンテストがスタート。一部で移動運用の局がQRVしていたことを確認。


[混乱の原因は何なのか?]
今回混乱の原因となったのは以下が理由ではないかと思われます。

【アナウンス方法の問題】
・最終対応のアナウンスが開催10日前を切っており遅すぎた。

・一度発出した対応がすぐに差し替えられ混乱が生じた。

・Webサイトやメールマガジンなどでの情報提供にとどまったため、デジタルメディアに触れていない層(情報源をJARL NewsやCQ誌に頼っている層)には情報が伝わらなかった。


【JARLの中途半端な対応が招いた問題】
・移動運用は「自粛のお願い」であって「ルール上の禁止」ではなかった。
 →「第62回 ALL JAコンテスト規約」のどこにも移動運用を禁止する文言はありません。辞書を見れば分かりますが「自粛」は「禁止」を意味する言葉ではありません。この中途半端な対応によりルール上「移動運用でQRVしても失格ではない」ことになった。

・失格ではないため「自粛」を承知の上で移動運用でQRVした局もいたと推定される。
 →禁止ではないため失格ではなく、JARLコンテスト委員会も失格にできないと思います。

・逆に「自粛」を「禁止」と誤解し移動局に「禁止」と叫ぶ局や妨害する局も出てきた。
 →誤解した正義の押しつけ。

このため特に50MHzでは「知らずに移動運用をしてしまった」か「自粛であって禁止ではないと理解して移動運用を行った」かは別として結果的に「移動運用をした局が有利になる」という皮肉な結果となりました。

今年はじめに駅伝やマラソンで「厚底靴」を履いたランナーが圧勝するケースが相次ぎましたが、これも「ルール上禁止されていない」ため優勝が取り消されることはありませんでした。明確に禁止されていないなら失格とはならないのが競技の基本ですよね。


[移動運用を悪者にしかねないJARLの対応]
(すぐ消されましたが)25日には「50MHzリアルタイム情報」に何者かが「こんな時期に移動運用をする局の情報を書き込むな」といったような内容を書き込んでいました。

行き帰りも含め「三密」を避ける対策を行った上で移動運用を行うことまでを「ダメだ」と批判するのもやり過ぎのように思います。そもそも「家にいる」というのは感染の要因となる「三密」を避けるための手段であってあくまで本筋は「三密を避けること」のはずですよね。しかもコロナウイルスは電波に乗って感染させるものではありませんからそこまで自警団的な行動を行う必要もないのではと考えます。「自分はどう防ぐか 自分や家族をどう守るか」を考えて行動するしかないと思います。

今回のJARLの中途半端な対応を一部の局が誤解してしまったのがリアルタイム情報での書き込みじゃないかと思っています。


JARLの中途半端な対応がオールJAコンテストを残念なものにしてしまいましたが、それだけにとどまらず移動運用自体を悪者にしかねないと危惧していますし、東京コンテストなど今後開催されるコンテストでも混乱が生じかねないなぁと思っています。
コメント
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